ティーパーティーの依頼を聞いた後、私達はトリニティのあるカフェで一休みする事になり、目の前に座っている先生を睨みながら言った。
「私を連れて行くってどういう事?いや、そもそもなんであの場に私を入れさせたの?」
''うーん、レイナはテーブルマナーが凄く上品だから私が何かやらかしそうになったら何とかなるかな……って''
「会話禁止されてるとどうしようもないでしょ」
''あはは……''
「この子も入れてもいいかな?」なんて言われた時にはゾッとした、良いわけが無いだろう、柔軟な対応をその場にいたティーパーティーの生徒にしてもらったから許されているが本当なら即座に拒否されるものだぞ。
「それに補習授業部だなんて面倒な事を引き受けてどうするの?」
そう、問題はここだ。
…………待った、そもそもこの人間は利益とか得とかを気にしない人間だった。
ぐぬぬ、と頭を悩ませていると先生は笑顔でこう言った。
''レイナ、学力には自信あるよね''
「私に先生をやらせるつもり!?絶対に嫌よ!」
私の怒鳴り声が響くと先生が必死に弁明する。
''違うよ!ほら、会った時に言ったでしょ?'子供らしくなってみない?って、それを考えるとこの機会は絶対レイナにピッタリだと思ってさ''
と一連の弁明を聞くと私は一応納得し「ふーん」とだけ答えた……が、一つ気になる事がある。
「…………待って、なんで私が学力に自信があるって分かったの?」
''レイナの字すごく達筆だしレイナの部屋の本棚にある本、何かしらの論文だよね?''
と、前に私が熱でダウンした時に見たのかそう答える先生。
それを聞いた私は少し嫌な予感がしてある事を聞いた。
「…………貴方、まさか机の戸棚なんかを勝手に開けたりしてないわよね」
''開けた方が良い?''
「開けたらズタズタに引き裂く、二度と陽の目を浴びれると思うなよ」
''はい……''
過去一ドスのある声で彼を明確に脅すと先生は冷や汗をダラダラ流しながら頷く。
「はあ……まあ、
''本当!?ありがとう!''
と、喜んでいる先生を見て私は違和感を感じた。
「…………待って、私は今なんて言った?」
''え、付き合ってくれるって……''
「違う、いや……もういい」
これ以上の深堀は自分を傷つけるだけだろうと判断した私はそれ以上聞かず、ため息を吐いた時、店員が大きなお盆を持って私の注文した品を持ってくる。
「お待たせしました、ミラクルチョコレートスイーツパフェになります」
机に置かれた大きなパフェが私の甘党派としての心を大いに刺激する。
「はあ、今となってはこのパフェだけが私の心の癒しね」
''レイナって甘党だったんだ?''
そう聞かれると私はパフェを一口頬張り、多幸感に満たされる事を実感しつつその問いを返す。
「んふ〜……♡そ、私甘党派なの」
柄にもなくふにゃふにゃとした声を思わず出してしまい先生が微笑む。
''紅茶をよく飲んでるもんね''
「アレは癖よ」
''癖?''
「…………や、なんでもない」
思わずパフェで油断して本音を話してしまい、先生が首を傾げる……が、その時また店員がやってきた。
「おまたせしました、ハムエッグサンドイッチです」
先生が「ありがとう」と言ってその小さな皿を受け取り、小さな口で一口食べる。
''そういえば一つ気になるんだけど、そのリボン誰に貰ったの?''
その言葉に私は強い嫌悪感と焦燥感を感じ、それを聞いた瞬間彼に聞いた。
「何故貰い物って分かったの?」
''……えっと……''
「答えて」
先生を睨む訳でも無く、ただ目を見開いて聞いた。
先生が何故か怯えているがこれは私の立ち回りにおいて最重要だ、決して誤魔化させはしない。
私の尋問に先生はたじたじになりつつも答えた。
''その、すごく使われてそうだったから……誰かから譲られたのかなって''
なんだ、ただの推測か。
私は平静を取り戻しつつ、リボンについて語る。
「これは私のすごく大切な物なの、私がすごく幼い頃から使ってるし絶対に誰かに渡したりしない、外すのだってお風呂の時だけ」
''そうなんだ''
「勝手に触らないでよ、触ったらモルワイデ図法みたいに引き伸ばしてグード図法みたいにぐちゃぐちゃにして船型図法みたいにバラバラにする」
''怖いよ!?''
冗談を言いつつ、またパフェを頬張る。
「んふ……幸せ♡……それで、これからどうするの?」
補習授業部の事を引き受けるのは良いが、問題はこれからどうするか、だ。
''とりあえず名簿にあった名前の生徒と会おうと思うよ、レイナも協力してくれるかな?''
「それは構わないけど一人知り合いがいるんでしょう?誰なの?」
''えっ、どうして知り合いがいるって分かったの……?''
「貴方、アレで誤魔化したつもりだったの?まあいいけど」
ティーパーティーの生徒会長達にもバレバレな反応だったのによく誤魔化した気になっていたなあ、嘘がつけないタイプの人間なのだろうか。
''……実は、この阿慈谷ヒフミって子がね……''
━━━━━
「こ、こんにちは、先生……」
''やっぱり……!''
一人目の生徒であるヒフミの元へ向かうと、やはりブラックマーケットで出会ったあのヒフミだった。
ヒフミは私の顔を見ると慌てながらも事情を離そうとする。
「あの、これはそのやむを得ない事情が……あれ?お隣にいる方は……」
''この子は最近シャーレで私の手伝いをしてくれてる子だよ''
と、隣で丁寧にカーテシーするレイナ。
「西条レイナです、よろしく」
「レイナさんですね、トリニティ総合学園二年生の阿慈谷ヒフミです、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
「カーテシーの仕方、まるでティーパーティーの方みたいですごく丁寧ですね」
「ありがとう」
(この生徒が先生の言っていた生徒……とてもじゃないけど成績不良の生徒には見えないわね)
レイナがヒフミに挨拶をすると、ヒフミは驚きながらも聞いた。
「レイナさんも例の補習授業部に……?」
「違う!私は先生に頼まれて手伝いをするだけ、成績不良じゃない!」
''不良生徒ではあったかもしれないけどね''
「鶏そぼろみたいになりたくなかったらそのふざけた口を閉ざした方がいいわよ」
''はい……''
私が余計な口を挟むとレイナは私の事を睨んで言った。
「あ、あはは……仲が良いんですね……」
「別に……それで、その事情っていうのは?」
レイナが聞くとヒフミはよそを向きながら答えた。
「ペロロ様のゲリラ公演に参加する為にテストをサボってしまって……それで……」
「なるほど、だったら成績自体に問題は無いのね?」
「はい、といってもすごく成績が優秀という訳でもないですが……」
「……ペロロ様っていうのは?」
「あ!ペロロ様ですね!ペロロ様は……この人形の事です!」
と、カバンからペロロ様の人形を取り出すヒフミにレイナは少し怪訝な表情をしながらペロロ様を見る。
「…………人形……」
「はい!すごく可愛いでしょう?」
満面の笑みでレイナの事を見つめるヒフミに、レイナは汗を垂らす。
「すごく、
「アヴァンギャルド……ですか?」
「
「……それって褒めてるんですかね……?」
「時代の最先端、って事だけ伝えておくわ」
目を閉じながら、汗を垂らしながらそう答えるレイナ。
「そ、そうですか……あ、それとナギサ様から先生のサポートと補習授業部の部長を頼まれて……」
''部長だったんだ……!''
「あくまで臨時のですけどね……全員が落第を免れたら自然に部は無くなるはずですし」
「なので……その時までよろしくお願いします、先生、レイナさん」
''よろしくね、ヒフミ''
「よろしく、阿慈谷さん」
ぺこりと丁寧にお辞儀をするヒフミに私は笑顔で挨拶をした。
「お二方は補習授業部の他のメンバーにはまだ会われてないんですよね?名前を確認したところメンバーは私含めて四人みたいです」
恐らくナギサに渡された名簿を見ながらヒフミは私の方を見て提案した。
「とりあえずその方達に会いに行きましょうか、まずは皆でどうすれば落第せずに済むかの計画を立てないと」
そうヒフミは言って、そのメンバーの元へ向かった。
(この調子の人間があと三人いれば助かるのだけれどね)
(なんだか独特の雰囲気の方ですね、
レイナ「パフェ?ああ、アレは……私の弱点というべきね、アレ食べると私どうもふにゃふにゃになっちゃって……幸せになるというか、多幸感に溢れるというか……待って、そのレコーダーは何?ちょっと待った、逃げないで、この銃は貴方を撃ち抜くものじゃないから…… 逃げるな!!」
よかたら感想とか評価とかください。
レイナに何を食べさせる?
-
甘酒
-
闇鍋
-
オレンジジャムのっけたトースト
-
パンちゃん