ゲマトリア所属生徒『西条レイナ』   作:ガガミラノ

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ミッション開始、これより完遂する

 

 

 

「レイナさん!そっちじゃないよ!」

 

「?」

 

「そっちダートだよ!」

 

「????」

 

「アイテム使わないと!」

 

「アイテム?」

 

「光よ!」

 

「小さくなったんだけど」

 

「レイナさん逆走してる!!」

 

「どっち」

 

 

 こんにちは、西条レイナです。

 今、ゲーム開発部の生徒にゲームをしようと誘われゲームをしています。

 

 

二度とゲームはしません。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

「アリスが一位です!」

 

「私は最下位」

 

 

 改めて、こんにちは。

 西条レイナです。

 

AL - 1Sにゲームで勝負を挑まれ、やった事のないゲームとやらをしたらボロクソに負けました。

 

AL - 1S以外はお通夜空気、才羽姉妹は顔を青くしてるし先生は苦笑いをしてる。

 

 

「…………」

 

「あの、レイナさん……」

 

 

才羽ミドリから憐れみの言葉を投げかけられそうになった時、私はAL - 1Sの方を見てなんとか微笑む。

 

 

「天童さんはゲームが上手いわね……」

 

「ありがとうございます!」

 

 

天真爛漫な笑みだ。

対する私も先生の方を向いて笑う。

 

 

「……先生」

 

“お、お疲れ様、レイナ……”

 

「シャーレにもこのゲーム機とゲームソフト、ある?」

 

“いや、シャーレには……”

 

「あるわよね」

 

“……用意しておくね……”

 

 

先生は何故か笑いながら涙を流していた。

そんな先生より、AL - 1Sの方を向いて私は微笑んだ。

 

 

「……天童さん、次やる時は私が一位を取るから」

 

「はい!!リベンジ宣言ですね!レイナの攻撃力がアップしました!」

 

 

しかしこんなにボロクソに負けると腹が立つものだ、今度一緒にやる時はリベンジしてやろう。

 

 

(レイナさん、めっちゃ笑顔だけど絶対怒ってる……)

 

(笑ってるけど怖い雰囲気めっちゃ出てる……)

 

(怒った時のリンちゃんみたいな雰囲気出してる……)

 

 

 

 

 

「レイナに一つ質問があります!」

 

「ん」

 

 

怯えている三人を他所に、AL - 1Sが手を挙げて質問する。

 

 

「レイナがシャーレに入る前は何してたんですか?」

 

「……そう、ね」

 

 

さあ、どうしようか。

嘘をつくか、それともありのままを話すか。

 

いや、こういう時は……

 

 

「……色々と悪い事してた」

 

「悪い事、ですか?」

 

「そ、悪い事」

 

 

AL - 1Sが首を傾げている。

そうだ、こういう時は曖昧な事を言えば良い。

 

首を傾げていたAL - 1Sは何かに気づくと、目を輝かせて興奮しながら話す。

 

 

「つまり、闇堕ちしてた所を先生に助けられて……王道展開ですね!」

 

「そうなの?」

 

 

と、先生の方を向いて聞くと彼はうんうんと考え……答えた。

 

 

''うーーーん、助けてる最中……かな?''

 

「助けられてるのは貴方じゃない?」

 

''そうかも……''

 

 

仕事が早く終わっているのは事実だろう、その点においては先生は私に助けられていると言っても過言では無いはずだ。

 

 

「ま、精々頑張って」……そう言おうとした時彼はニコリと笑って言った。

 

 

''でもレイナ、何だかんだ楽しそうに見えるよ?''

 

「はい!アリスとしてる時、レイナは楽しそうにしてました!」

 

 

その時の私の表情は……分からない。

 

 

''……もうそろそろこんな時間だし、今日は帰ろうか?''

 

「……そうね、帰りましょう」

 

 

 

━━━━━

 

 

 

その日の夜、私は日記を書いていた。

 

日記は私の日課だ、必ず書くようにしている。

 

書きながら、私は小さな声で呟いた。

 

 

 

 

「先生」

 

「私は、楽しそうになんかしてないから」

 

「私は演じるのが上手いから」

 

「だから……」

 

「…………」

 

 

 

消灯。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

ドカァァァァン!

 

 

「くっ!?……や、やられてしまいました……!」

 

「ふ、復活の……呪文を……」

 

 

バタン……

 

 

そして次の日、作戦決行日だ。

 

モニター越しでAL - 1SがC&Cの生徒に連れていかれるのが見える。

まったく、世界を破滅に導く兵器を囮に使うなんて贅沢にも程があるだろうに。

 

 

「とりあえず一つ目の仕掛けは上手くいった感じかな」

 

「そうだよね、先生?」

 

 

小鉤ハレが先生に問う。

 

 

''うん、次はエンジニア部の方に準備が終わったか聞けるかな''

 

 

小塗マキがパソコンからこちらに振り向くと、ニヤリと笑った。

 

 

「ちょうど連絡が来てたよ、トロイの木馬を侵入させる事に成功した……ってね」

 

「ひゅーっ、それはひと安心、もし失敗してたらアリスが意味も無く監禁されただけになるところだった」

 

「じゃあ次のステップに移ろうか」

 

 

 

……

 

 

そして、その日の夜。

 

準備は全て完了、あとは行動に移すだけだ。

 

 

「はあ、緊張する……」

 

 

ミレニアムの暗い廊下の中、私達はヒソヒソと響かないよう話していた。

 

 

「ヒビキとウタハ先輩は?」

 

 

とミドリが聞くとモモイはサムズアップをしてニヤリとしながら言った。

 

 

「お客さんを出迎える準備は出来てるって」

 

「レイナさんも準備は大丈夫そう?」

 

「大丈夫、いつでも動ける」

 

 

銃の引き金を引き、確かなる戦いに身を備える。

 

とは言っても私の役目は先生を守る事、何かを攻撃する訳ではないのが痒いところだ。

 

 

『こっちも準備OK、待機中だよ〜』

 

『お任せください!私の理論上この作戦の成功確率は2%です!』

 

 

と……見た事の無い金髪の生徒がホログラムに映る。

恐らくエンジニア部の生徒だろう、昨日は準備があると言って会えなかったが……いや、2%なの?

 

 

「ほぼ失敗じゃん!なんで自信満々なの!?」

 

『えへへ、冗談ですよ!逆です、98%成功するでしょう!』

 

 

金髪の生徒は此方に気づき、笑顔になる。

 

『あ!貴方がレイナさんですね!はじめまして!エンジニア部所属の豊見コトリと言います!よろしくお願いします!』

 

「今日はよろしく、他の部員にもよろしく伝えておいて」

 

『はい!あ、一応他の方に解説したいので性別と誕生日と血液型と身長と体重と趣味と……』

 

「……またの機会ね」

 

 

苦笑しながら、私は無線を切る。

 

 

 

━━━━━

 

 

 

作戦についてはあまり語る必要は無いだろう、私の役目は先生を守る事だけなのだから。

まあ、そっちの方が見てて面白いだろうし、箇条書きにして記すのも面倒だし。

 

 

作戦開始から数分経った頃……

 

小塗マキと豊見コトリがC&Cのメンバーの一人をハッキングしたシャッターで閉じ込める為に囮になってくれた頃だろう。

 

 

「そろそろ録画ってのがバレた頃かな?」

 

「今更だけど平和な映像を流してこっそり鏡を取りに行った方が良かったんじゃないの?」

 

「人の出入りが頻繁な所だし何も無い方が違和感を覚えるかもしれないでしょ?」

 

「それにこうしてC&Cの先輩達を分裂させて閉じ込めておけた方が最終的にミッションの成功率が高くなるはず」

 

 

なるほど、あの白猫も同じ事を言いそうなくらい合理的な作戦だ。

 

 

チーン、とエレベーターが来る事を知らせる音が鳴る。

 

 

「よし、それじゃ本当に入るとしよっか!」

 

「先生、暗いからレイナさんの手を掴んで離さないようにしてくださいね」

 

「え、やだ」

 

 

即答。

 

 

''……この前の事は謝るから……''

 

「…………」

 

 

 

そっぽ向いて手を繋ぐ。

 

 

 

…………

 

 

 

上の階に着くと、ガラスの窓が外の煌びやかな街を写している事に気づく。

確かセミナーの押収室は最上階の西側だっただろうか、それにしてもこのビルは高いなあ……少し足がすくむ。

 

 

「ハレ先輩から連絡!アカネ先輩を閉じ込めるのに成功したって!」

 

「指紋認証システムも正常に作動したね」

 

 

流石ミレニアムのハッキング集団、自分の学園のセキュリティをも突破し、改竄するなんてそう滅多に出来る事ではないだろうに。

 

 

「よし、これで今タワーの中を自由に動けるのは私達だけ!」

 

「アリスちゃんの作戦、成功したね」

 

「うん、じゃあ堂々と行くとしよっか」

 

 

『才羽モモイ、才羽ミドリ、先生、三名の認証が完了しました。』

 

 

「レイナさんはミレニアムの生徒じゃないから認識出来ないようにしたんだったっけ」

 

「そうそう……なんかデジャヴを感じるね」

 

「廃墟のアレじゃない?そういえば廃墟の……あれ?」

 

「どうかしたの?」

 

「廃墟でさ、なんかもう一人名前なかったっけ?」

 

「…………どうだったっけ、いたようないなかったような……」

 

 

あーまずい、こっから先思い出されると面倒な事になりそうだ。

 

 

「そんな事どうでもいいから、進みましょう」

 

 

と、冷や汗垂らしながら背中を押す。

 

 

「そうだね、そういえばアスナ先輩の居場所まだ分からないんだっけ?」

 

「ハレ先輩がミレニアム全域を調べてくれたけどいなかったみたい、ミレニアムの外にいるんじゃないかな」

 

「なんか神出鬼没の生徒らしいし、計画通りに進んでるから気にしない気にしない!レイナさんもそう思うでしょ?」

 

 

苦笑いをしながら私は答えた。

 

 

「……慎重に進んだ方が良いって助言しておくわ」

 

 

さっきまで私の真相に辿り着きそうになっていたのに今はそのアスナ先輩とやらを軽く見ている、忙しい二人だ……

しかもこういう軽はずみな思考で作戦を進めるとそのせいで失敗するのはよくある事だろうに。

 

まあ、私がいれば最悪力で何とかなるけど。

 

と、ウキウキで歩いていると銃を構えた生徒が一人現れる。

 

 

「誰!?」

 

「ひゃ!生徒会じゃん!まだいたなんて!」

 

 

私も銃を抜き、先生の前に立つ。

 

 

「先生は下がって」

 

''よし、突破しよう!''

 

「下がってって!」

 

 

ほら、やっぱり。

まあこの程度のトラブルならもっとよくある事だろう。

そのアスナ先輩、とやらじゃなさそうだし適当に一掃させてとっととミッションを終わらせよう。

 

先生は後で殴っておこう。





○月‪✕‬日(△) 晴れ

ミレニアムに連れて行かれた。
そして二つ目の目標は達成した、AL-1Sはミレニアムにいた。
引き続き先生の監視を続行。

AL-1Sに人間らしい思考、人格が形成されている事に注目。
「名も無き神々の王女」のトリガーに影響があるかは不明。

私自身に心境の変化無し。

レイナに何を食べさせる?

  • 甘酒
  • 闇鍋
  • オレンジジャムのっけたトースト
  • パンちゃん
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