大変お待たせいたしました、修正版です。
半年間悩みに悩んで(パスワード公開版で色々な方に意見を頂きました、本当にありがとうございます)やっと公開に漕ぎ着けました、本当に協力してくださった皆様、ありがとうございます。
この前書きを書いている段階ではプロローグ〜一章までの話は全て完成しているので予約投稿となります。
2025年中の完結を目指しています、どうぞ宜しく。
西条レイナはそこにいた
世の中、信じてはいけない事がたくさんある。
一つ目、黒いスーツを着た人間の言う都合の良い情報を信じてはいけない。
そんな人間、貴方を嵌めようとしているに違いないから。
二つ目、芸術に取り憑かれた人間の作った芸術を買ってはいけない。
それが絵の値段であれ、その芸術であれ、その人間は買った貴方すら芸術として見ているのだから。
三つ目、抽象的な事が好きな人間を信じてはいけない。
背を向けた男はきっと、実在しないから。
四つ目、弱い時に甘い言葉をかけてくる女を信じてはいけない。
甘い言葉はいつか、貴方を蝕み利用されるから。
最後に、止まった時計を信じてはいけない。
理由は……貴方が人間であるなら、理解出来るはずだ。
……ああ、言い忘れていた、もう一つ。
子供を信じる大人は………………
━━━━━
「先生、ミレニアムサイエンススクールから要請が届きました」
午前八時、アロナが丁寧にそう言った。
アビドスでのとやかくが終わり、平穏が続いていた時の話だ。
私はコーヒーをマグカップに注ぎながら「ミレニアムから?」と聞き返した。
ミレニアムサイエンススクールと言えばユウカがいる学園だ、一体どう言った要件だろうか?
「送り主はゲーム開発部?だそうです、読んでみますね」
「ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます、生徒会からの廃部命令により破滅が迫っている今助けを求められるのは貴方だけです、勇者よ、どうか私達を助けて下さい!」
……勇者?
━━━━━
「廃墟?」
午前八時、黒服がいつものように丁寧に言った。
彼がアビドスでのとやかくから帰ってきて、静かな日々が続いていた時の話。
私はカップに注がれた紅茶を一口飲みながら「次は何をすればいいの?」と聞いた。
「廃墟に確かに存在するアンドロイドはご存知ですね?」
「AL-1Sの事?」
「はい、過去に貴方に調査をしてもらいましたが……扉のロックが解除出来なかった」
「多分今やっても五十年先でやっても結果は変わらないわ、それでも?」
カップをソーサーの上に置き、ハンカチで口を拭う。
過去に一度、廃墟であのアンドロイドを手に入れようと探し回ったがロックを解除する事が出来ず帰ってきた事がある。
鍵穴のついたドアを百年待っても扉は開かないのと同じで、あそこの空間に入るには
しかし、彼はある一枚の写真を私に見せた。
連邦生徒会の制服を着た、その大人は……
「…………シャーレの先生、あの方がキーを握っているかと」
「連邦生徒会長の最後の切り札がキーを?……なるほど、道理は通っている」
「ああ、それと……くれぐれもシャーレの先生には私の事は秘密でお願いします」
「……了解」
椅子から立ち上がり、黒いスーツをジャケットのように羽織ってその場を去った。
「任せましたよ、レイナ」
━━━━━
ミレニアムに着いてまず最初に……私は気を失った。
モモイが投げたプライステーションが偶然にも私の頭部に命中し、気を失ったのだ。
その後、ゲーム開発部の部室で目覚めた私はモモイやミドリ、そしてユウカにゲーム開発部の今の状況について詳しく教えてもらった。
ゲーム開発部は目立った実績を残せずにいる為廃部寸前な事。
廃部を回避するにはミレニアムプライスというコンテストに受賞する必要がある事
そして、モモイの言う切り札……ミレニアム近郊の廃墟にG.Bibleがあるという事。
と、いう事で私は今そんなG.Bibleを求めて廃墟にまで来たのだが……
「うわっ!?いたた……」
「お姉ちゃん大丈夫!?」
「大丈夫!このまま工場まで突き進もうっ!」
……廃墟を闊歩している謎のロボットの兵士に見つかり、逃げ回っている。
''モモイ、そのまま遮蔽を利用しながら突破して!ミドリはモモイのサポート!''
「了解っ!」
と、何とか戦闘指揮をしながら逃げているといつの間にか工場の中にまで来ている事に気づいた。
「……あれ?あのロボット急に追ってこなくなった?」
「この工場の中に来るまで恐ろしい勢いで向かって来たのに」
私達を追っていたロボットはいつの間にかいなくなっており、ただただ静かな工場の中は私達の声だけが響いていた。
「何でか分かんないけどとにかくラッキー、でいいのかな?」
「良くないよ!もう嫌!なんでこんな所でロボット達に追われなきゃいけないの!?」
と、ミドリが泣きべそをかいているとモモイはニコリと笑い……
「落ち着いてミドリ、生きてればいつか良い日も来るよ」
「今日の話をしてるの!そもそもお姉ちゃんのせいでしょ!!」
( ''仲が良いなあ'' )
そう、彼女達を見守っていると……
『接近を確認』
「えっ!?な、何!?」
「部屋全体に音が響いてる……?」
工場の何処かから声が響く。
誰かの肉声では無く、AIの声のような声だ。
『対象の身元を確認します、才羽モモイ、資格がありません』
『才羽ミドリ、資格がありません』
と、次々に何かしらの認証が行われる。
『シャーレの先生』
『……資格を確認しました、入室権限を付与します』
「……あれ?」
「えぇ!?」
「どういう事!?先生はいつこの建物と仲良しになったの!?」
''仲良しになったつもりは無いんだけどな!?''
と、呑気にボケーッとしていると入室権限、とやらが許可されてしまった。
しかし、私はこの建物に来るどころか廃墟の存在すら数時間前まで知らなかったのに……どうして許可されたんだろうか。
『才羽モモイ、才羽ミドリ、西条レイナの三名を先生の生徒として認定、同行者である生徒にも資格を与えます』
『下部の扉を解放します』
と、何処からか聞こえる声はそう宣言した。
「……下部の扉?目の前の扉じゃなくて?」
「西条レイナって……いや、それより下部ってもしかして?」
「流石に違うでしょ、何処からどう見てもただの床━━━」
ガシャン。
と、ミドリが話している途中……さっきまであった床は消えていた。
「ゆ、床が……お、落ちるっ!?」
「うわあああっ!?」
私達はそのまま、穴に落ちていった。
━━━━━
『西条レイナ、資格がありません』
「……ま、当然……か」
西条レイナ。
そうだ、私の名前は西条レイナ。
身長155cm、体重45kg、血液型はO。
年齢は16、学園に所属していれば二年生の年頃だ。
学園に所属していれば、と言った通り私はどこかの学園に所属している訳では無い。
……だが、一つ言うとすれば私はある研究機関に属している。
ゲマトリア、という組織。
多くを語る事は無いだろう、知っているはずだ。
さて、私の出自についてベラベラと語るのも悪くは無いが、それはまた次の機会にしておこう。
今は、少し立て込んでいるんだ。
「……寒い」
凍えるような寒さ……とはいかないが、肌寒い空気が私の肌を刺す。
機械が行進する音、誰もいないのに動き続ける冷房、ポタポタと水雫が漏れる音。
おまけに狭い通路でここで待つしかないときた、少し不愉快だ。
こういう時は暖かい紅茶でも飲むのが道理だが、そんな物はここには存在しないしあるのは壊れたエアコンの結露水しかない。
「人遣いが荒いものだ、ここまでバレずに来るのは苦労したぞ……」
ロボットの兵隊。
製造元及び材料は不明。
誰が、何の為に、何を目的に動かしているのか我々でも分からない。
個々の力はそれ程でも無いが問題はその量だ。
数百、数千、はたまた数万か?
とにかく、凄まじい量のロボットがこの廃墟を占拠しているのだ。
(……シャーレは本当にここに辿り着けるのか?)
と、憂いていた時。
「落ち着いてミドリ、生きていればいつか良い日も来るよ」
「今日の話をしてるの!そもそもお姉ちゃんのせいでしょ!!」
(!……本当に来た……)
なんと、黒服の言う通りターゲットはちゃんとここまで辿り着いてしまった。
『対象の身元を確認します、才羽モモイ、資格がありません』
『才羽ミドリ、資格がありません』
(連れの生徒は……戦いが出来るようには思えないな、そして……)
(……アレが、先生)
連邦生徒会の制服を着ていて、大人と言うには相応しい背高だろう。
なんだかボケーッとしていて、 本当に黒服が絶賛している人間とは思えない。
『シャーレの先生』
AIが、彼を認識し……
『……資格を確認しました、入室権限を付与します』
黒服の言う通り、キーを持っていたようだ。
(嫉妬しそうだ、何故あんなのが……)
私が開けたかった。
私が、黒服……いや、ゲマトリアの期待に応えたかった。
(あんなとぼけた大人が、どうして……!)
……ああ、よくない。
どうも私はなんでもかんでも力で解決しそうになる。
簡単だし、私に勝てる生徒なんかいないから、「それでいっか」ってなる。
でも、それは大人らしくない。
大人らしく、大人になれるように。
大人になる、それが私の夢。
握り拳と噛み締めた歯を抑えて私は……彼らにバレないようため息を吐いた。
『才羽モモイ、才羽ミドリ、西条レイナの三名を先生の生徒として認定、同行者である生徒にも資格を与えます』
『下部の扉を解放します』
(……何だって?)
西条レイナも生徒として認定?それだと私の存在がバレてしまうではないか、いやまて
それより、問題なのは……
(下部?)
かぶ、カブ、株、下部。
ガコッ。
(っ!?)
墜落、私は落ちるのが嫌いだ。
━━━━━
「うーん……お姉ちゃん……先生?」
「いやー流石に死ぬかと思った……」
落下した先は暗く、少しの明かりだけが通路を照らしていた。
「お姉ちゃん大丈夫?あれ、先生は一体何処に……」
「ふぉふぉに……」
と、私が下敷きになっている事にも気づいていないミドリに唸りながらも手を挙げるとミドリは赤面しながら叫んだ。
「ひゃあっ!?どうして私達の下にいるんですか!?」
「どうしてって、落ちる時咄嗟に先生がクッションになってくれたからでしょ」
「あ、ご、ごめんなさい……びっくりしちゃって……」
なんとか立ち上がり、苦笑いをしながら服の埃を払う。
「先生、大丈夫?」
''勿論、二人が無事で良かった''
「とにかくありがとうございます、助けてくれて」
とにかく目立った怪我をしている訳でも無いらしいし、周りを見渡すとやはり暗く、遠くまで見える訳では無かった。
「……そういえばさ、落ちる時に私達の名前と……あと一人いなかった?」
「落ちる時?」
「私でしょ?ミドリでしょ?……あと一人、いたんだよ」
「……あー、確かに……誰かの名前を呼んでたね」
「さいじょー……なんだっけ、あやな?」
「忘れた……らいなー?」
''
「そうそう!……知り合い?」
''身に覚えは無いかな''
西条レイナという生徒の名前を確かにAIは言った。
何故、その場にいるはずが無い生徒を認識したのか。
以前ここに来た西条レイナという生徒をそのまま認識したのか?
それとも……その生徒はあの場にいたのか?
「……えっ!?」
ミドリは突如、何かに驚いたような声を出した。
何かあったかと思いミドリが向いている方を見ると……
そこには、裸の少女が椅子で眠っていた。
━━━━━
「けほっ、けほっ……埃っぽい、お掃除ロボットめ、ちゃんと働いているのか……?」
落下したが、なんとか受身を取り周りを見渡す。
(薄暗い……そういえばシャーレは?)
あまり長くは無いがそれなりの距離を落下した、キヴォトス外の人間は脆いそうだが……あの距離を落下しても大丈夫なのだろうか?
(いや、それよりロックを突破したのだからAL-1Sを……)
(………………アレ、か)
そこには、裸のロボットが椅子で横たわっていた。
━━━先生。
シャーレの先生。
性別不明、アプリの先生と全く同じの先生である。
連邦生徒会の制服を着ていてシャーレのネームタグを首にかけている。
身長は大人と言うに相応しい程の身長。
いつものほほんとしていてニコニコしている。
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