「国分さんの思いは日テレに踏みにじられてきた」 国分太一の代理人が明かす騒動のウラ側 「何が降板の根拠かすら確認できていない」
【全2回(前編/後編)の前編】
「ハラスメント行為」が原因で、表舞台から姿を消したタレントの国分太一(51)。行為の詳細は明かされなかったものの、日本テレビの社長が会見を開いたことで「何かは分からないけれども、何かあったに違いない」と多くの人が感じたに違いない。驚いたことに、当の国分自身が誰に対するどの行為をクロと認定されたかを把握できていないという。にわかには信じがたい話だが、彼の代理人弁護士の話から浮かび上がってきたのは、日テレのずさんな対応である。中居正広氏の騒動でフジテレビが集中砲火を浴びたことも影響して”拙速”な対応となったのか……。「人権無視」ともいえるプロセスとは。
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あの騒動が起こる前は、テレビとラジオで6本のレギュラー番組を持っていた売れっ子のそれが、ついにゼロとなった。
今月2日、テレビ東京の吉次弘志社長が定例会見で、国分が出演していたバラエティー番組「男子ごはん」の終了を発表したのである。
その理由を、吉次社長はこう述べた。
「何があったのかわれわれは分からないが、国分さんが無期限の活動休止に入ってしまい、番組に出ていただくことができなくなった。放送休止でしのいでいたが、7月クールをもって番組を打ち切り、新番組に移行することに決めました」
国分が出演していた番組を抱える在京キー局のトップでさえ、把握していないと語る“国分騒動”の仔細……。いまだ本人の口からきちんとした説明がないことで、さまざまな臆測が飛び交ったのはご存じの通りだ。
「秘密主義を貫いた対応には少々違和感を」
発端は、今年6月20日に日本テレビの福田博之社長(64)が、東京・汐留にある本社で緊急会見を開いたことだった。国分がコンプライアンス上の問題行為を複数行っていたことが発覚。彼の所属していた「TOKIO」の看板番組「ザ!鉄腕!DASH!!」からの降板が、合わせて発表されたのだ。
芸能デスクが言う。
「会見で日テレ側は“被害者が特定される恐れがある”として、問題行為の内容はもとより、時期や場所に至るまで具体的な説明をしませんでした。被害者のプライバシーに配慮するのは当然としても、秘密主義を貫いた対応には少々違和感を覚えましたね。国分本人も、世間を騒がせたことについておわびと活動休止のメッセージを書面で出すのみで、詳細についての説明はナシ。以降、公の場には一切姿を現していません」
突然の看板番組からの降板、そして活動休止。その影響は多大なものとなった。他局の出演番組はおろか4本のCMからも国分の姿は消えた。挙げ句、6月25日には「TOKIO」が解散を発表したのである。
「説明をしたいという思いが踏みにじられてきた」
それでもかたくなに沈黙を守ってきた国分だったが、活動休止から4カ月がたった今、騒動は誰もが思いもよらない方向へ動く。
国分は一連の騒動における対応で、日本テレビからプライバシー権の侵害などを受けたとして、「人権救済申立書」を日本弁護士連合会(日弁連)に提出するというのだ。
本件では“加害者”とされるはずの国分が、なぜ日弁連に申し立てをするのか。
「まず国分さんは、本事案に絡んでいる関係者、日テレ、スポンサーなど迷惑をかけた皆さんにきちんと謝りたい。その思いを強く持ち続けてきました。世間にも改めておわびをして、対外的に説明したいと考えているのです」
そう明かすのは、国分の代理人で、昨年3月まで日弁連副会長を務めていた菰田(こもだ)優弁護士。
「もちろん国分さんは、コンプライアンス違反と指摘されたことについては、今でも深く反省して、本当に申し訳ないと口にしています。だからこそ、騒動直後から説明をしたいと切望しているのに、残念ながらその気持ちが踏みにじられてきた。法律家の目から見ても、日テレの社長会見に至る経緯や手続き、その後の対応があまりにひどかった。それで国分さんと話し合った末、日弁連に申し立てることにしたのです」
事情聴取が始まった経緯
そもそも、国分が利用する日弁連の「人権救済申立制度」とは何なのか。
日弁連は各地の弁護士会と連携して、人権擁護委員会を中心に75年以上にわたってさまざまな人権侵害事案の救済を行ってきた。この制度は申立人を救済する措置の一つで、申し立てを受けた日弁連が独自の調査を行い、その結果を踏まえて人権侵害を行った側へ警告、勧告などを発する。
あくまで日弁連による措置のため法的拘束力はないとはいえ、長年にわたる実績から法曹界をはじめ広く社会的に一定の評価を受けてきた制度である。
今回の場合、国分の主張を日弁連が精査して「人権侵害があった」となれば、日テレに何らかの処置が下るというわけだ。
では実際、国分は日テレの対応について、何が問題だと訴えているのだろう。
再び菰田弁護士に話を聞くと、
「経緯を順を追って説明しますと、まず日テレが番組降板を発表する2日前、6月18日に国分さんは日テレに呼び出されています。事前にアポを取る段階で、国分さんは『ザ!鉄腕!DASH!!』の打ち合わせと、新たなプロデューサーへのあいさつのためと日テレから聞かされていた。それで彼が日テレに足を運ぶと、新プロデューサーと少し話をした後に突然“コンプライアンス違反について事情を聴きたい”と言われ、日テレのコンプライアンス局の担当者と男女2人の弁護士を紹介された。そこからすぐに事情聴取が始まったのです」
「気が動転して、何を聴かれているのか分からなかった」
国分の立場としては、日テレから“だまし討ち”をくらった格好だった。
「その場で弁護士からは名刺を渡されず、氏名すら明かされなかったというのが国分さんの認識です。後の日テレによる説明では、弁護士たちから自己紹介はあったということですが、国分さんからすれば突然のことで気が動転して記憶できる状況になかった。最初の方は、いったい何のことを聴かれているのか分からなかったそうです」(菰田弁護士)
主に男性の弁護士から聴取を受けたという。
「日テレが連れてきた弁護士からは、ハラスメント行為について誘導的に聴かれた。国分さんは、ある関係者に対する事実として身に覚えがあると話した。その関係者に対しては、もう一つハラスメントに該当し得る事実まで国分さんは説明しています。また別の関係者に対するハラスメントについても尋ねられたので、これも国分さんは肯定しました。心の準備もないまま、思い当たるところを素直に述べたのです」(同)
「時間をもらって整理する余地もない雰囲気」
ひと通りの事情聴取が終わった後、件の男性弁護士は国分に対して“ある要求”を突き付けてきたそうだ。
「男性弁護士から“聴取を受けたことは誰かに話をするか”と問われた国分さんは、TOKIOのメンバー、家族および弁護士と答えたところ、それ以外には口外しないようにとくぎを刺された。さらに、ハラスメントの種類および内容、関係者の特定につながるような言動についても他言しないように申し付けられたのです」(菰田弁護士)
これで聴取も終わって帰れるのかと思いきや、国分にはさらなる衝撃が待ち受けていた。
「コンプラ局の担当者が、そのまま『ザ!鉄腕!DASH!!』を担当する役員に国分さんを引き合わせたのです。コンプラ局の担当者が“国分氏が事実関係を認めた”と説明すると、それを聞いた役員から番組降板を要請された。あまりに突然のことで、国分さんからすれば、今後、自分はどう対応すればよいか判断できる状況にはありませんでした。とはいえ、降板は日テレの既成事実と見受けられ、時間をもらって整理する余地もない雰囲気であったことから、国分さんとしてはやむを得ず了承しました」(同)
「何が降板の根拠か確認できていない」
サラリーマンに例えるなら、長年勤めた会社から弁明の機会を与えられず、即日で懲戒免職を告げられたに等しい。法律の世界から見ても、日テレは正当な手続きを踏んでいないとして、菰田弁護士はこう続ける。
「国分さんは事情聴取で一定の事実を認めましたが、日テレからは、具体的にどの事実をもってコンプライアンス違反かの説明もなかった。国分さんとしては、自分が肯定した内容の中で、何が降板の根拠になったのか確認できていません。私が代理人の立場から言えることは、国分さんが行ったのはハラスメントであっても、犯罪行為ではないということですが、自身が行ったどの行為が問題にされたのか。この点が分からずじまいでした」
付言すれば、事情聴取で国分はハラスメントをした相手が誰で、どういった関係性にあったのか細かく聞き取られなかったという。
「一般的にハラスメントをしたとされる側は、被害者の感情がどのようなものか認識できていません。両者がどんな関係で、どのような経緯で被害感情が生じたか。それがハラスメントの認定に際しては非常に重要なのですが、その点についても日テレからは全く説明がなかったのです」(同)
後編【「億単位の違約金で自宅を売る可能性も…」 国分太一の代理人が明かす近況 「妻子までも家を出ざるを得なくなった」】では、騒動によって億単位の違約金を請求される見込みであるという国分の苦しい近況や、TOKIO解散の経緯などについて菰田弁護士が明かす。
「週刊新潮」2025年10月30日号 掲載