『酒のツマミになる話』番組終了騒動の争点 一方的なお蔵入りは「大悟の笑い」を踏みにじったのか? #エキスパートトピ
バラエティ番組『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)の年内終了が10月30日未明、一斉に報じられた。
終了理由に挙げられているのは、24日放送当日に放送内容が急きょ変更されたこと。MCの大悟(千鳥)がそれに納得できず降板を申し出たことで終了が決まったとみられる。
同放送回はハロウィンに合わせて出演者がコスプレを披露。大悟は、活動休止前まで番組MCを担当していた松本人志(ダウンタウン)のコスプレで収録に臨んだが、これが問題視されて放送内容が変更されたようだ。
波紋を呼びそうな番組終了騒動。その「争点」を考えたい。
ココがポイント
昨年2月までは「ダウンタウン」の松本人志(62)がMCを務め(中略)松本の活動休止後は大悟がMCを引き継いでいた
出典:スポニチ Annex 2025/10/30(木)
大悟さんとしては松本さんが復帰した際に『戻って来る場所を残したい』という気持ちから引き受けたもの
出典:週刊女性PRIME 2025/10/28(火)
今回の局側の対応はそんな松本への思いを傷つける結果となり(中略)大悟は番組降板を申し出るほど継続出演への意欲を失っていた
出典:日刊スポーツ 2025/10/30(木)
(松本人志)『めちゃくちゃおもしろいもん撮れた(中略)』と思ってたら、野球の延長で急にバーンって、なんの連絡もなくて
出典:サンスポ 2021/6/26(土)
エキスパートの補足・見解
番組終了騒動の第一の争点は、放送内容変更の経緯にある。フジテレビや番組関係者がどの段階で出演者に変更を伝えたのか。報道によると放送直前に変更が決まったようで、説明や合意形成が不十分だった可能性は高い。大悟らの理解を十分に得られていなかったとみられる。
二つめの争点は、お笑い芸人としての矜持が踏みにじられたところ。芸人が「おもしろい」と思って披露するものは、その人の信念そのものである。特に大悟は、若手時代からストイックに「笑い」を追求してきたことで知られる。しかも今回のコスプレには松本への強い想いが込められている。それを局側の判断で、収録済のものを一方的にお蔵入りにしたことは、大悟の「笑いの信念」を否定する行為として受け止められてもおかしくない。
三つめに挙げられるのは「歴史の再現」。かつて『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)も野球中継延長により松本らの理解を得ず放送が延期され、それが番組終了の引き金に。『酒のツマミ』終了騒動はそれと類似している。
いずれも芸人が心血を注いだ「笑い」への軽視と受け止められても仕方がない。結局のところ、局が「大悟の笑い」をどこまで信頼できたのか。そこに騒動の本質がある。