マッサージは「次のタスク」に万全に向き合うための作業

僕は毎日が過密スケジュールだ。国内外を問わず動きまわって人と会い、プロジェクトを進め、イベントを行い、ミーティングをこなし、ユーチューブの収録に臨む。

仕事とプライベートの境目はない。やるべきこと、やりたいことにひたすら打ち込む日々である。

そんなハードワークを続けられる理由のひとつがマッサージだ。マッサージというと「疲れの癒し」「贅沢な時間」というイメージを持つ人もいるだろう。でも僕は違う。単なる休憩ではない。次のタスクに向け、もう一度エネルギーを蓄える作業だ。もっと言えば、未来への自己投資である。

ハードな筋トレ、長時間のフライト、タフなビジネス交渉。そのあとには決まってマッサージの予定を入れるようにしている。

特に気に入っているのはタイ古式マッサージである。単に揉むだけではなく、ストレッチで筋肉を伸ばし、関節の可動域を拡げ、深層の筋肉までアプローチするのが特長だ。体が軽くなるのはもちろん、頭のなかもクリアになる。詰まっていたパイプが貫通するように、新しいアイデアがあふれ、鈍っていた判断力もシャープさを取り戻すのだ。

タイ式マッサージ
写真=iStock.com/Akacin Phonsawat
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3000円の格安揉みほぐし店はギャンブル

マッサージなら何でもいいわけではない。最近は駅前に格安の揉みほぐし店が乱立している。1時間3000円なんて値段を見ると魅力的に思うかもしれない。でも、その手の店はスタッフによって技量に大きな差がある。下手な人にあたると最悪だろう。

時間とお金がムダになるだけではない。医学的な知識が乏しいと筋肉や筋を痛めつけられる恐れがある。僕に言わせれば、格安店は自己投資にならない。ただのギャンブルだ。

以前、あまりの疲労に耐えかねて、とある整体院に駆け込んだことがある。外観は普通の整体院だったのだが、店内に入って愕然とした。なんと気功を謳っていたのだ。

「あなたの気の流れを整えます」と言われ、施術がはじまってしまった。施術といっても僕の体にはほとんど触れない。効いている感覚はもちろんゼロだ。それどころか、どんどん疲労感が増していく始末である。エネルギーを吸い取られたような不快感だけが残った。科学的根拠のない施術は危険だ。詳しく調べもせずに行った僕も悪い。反省している。