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日本における子宮頸がんの罹患率と死亡率

また、次の図はオーストラリアの子宮頸がんの死亡率(前掲のグラフは罹患率)のグラフですが、これを見ても、低下はワクチン接種開始前から始まっており、ワクチン接種開始後はやはり横ばい状態です。むしろ、2020年以降は増加傾向すら見てとれます。

『何かがおかしい 「がん急増」の謎』P.144
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つまり、オーストラリアでは子宮頸がんは撲滅されていないどころか、子宮頸がんワクチン接種開始の効果もはっきりしないのです。

では日本はどうなっているでしょうか。次にあげるのは、子宮頸がんの罹患率と死亡率の推移のグラフです(年齢調整済み)。

『何かがおかしい 「がん急増」の謎』P.145
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日本で子宮頸がんワクチンの接種が始まったのは2013年ですが、子宮頸がんの罹患率は、多少上下に変動があるものの、大きく減少してはいません。また、死亡率に至っては、ずっと一定で、やはりワクチン接種の効果は見られません。

もちろん、これらの数字が今後大きく減少する可能性もゼロではないでしょうが、これまでの経緯を見ればその可能性は低そうではあります。コクラン・レビューの件も踏まえると、「子宮頸がんワクチンの効果」は、過大に見積もられている可能性が高いと言えそうです。

『何かがおかしい 「がん急増」の謎』

いま日本で謎の死が増えている――。有名人の「がん」による死が後を絶たない。無意味な医療、効かないワクチンを政府・霞が関・医療界が国民に勧めるのはなぜか?背景にある「医療ムラ」のおかしな現実を地域医療で奮闘する在野の医師が明らかにする!

目次

第一章「がん死亡数急増」の謎  
第二章 謎の大量死  
第三章 なぜ「突然死」が増えているのか  
第四章 なぜ医師はワクチンを打たないのか  
第五章 医療利権  
第六章 メディアはなぜ騙されたのか  
第七章 医療は本当に必要なのか

「はじめに」より

そもそも私は医師ではありませんでした。大学は東京で経済学部に通っていたのです。その時は医師になろうとも思っていませんでした。それがヒョンなことから医師を志し、三〇歳を過ぎてようやく医師になりました。

そんな経歴ですのでそもそも医療業界に忖度する義理もありません。医師として勤務しながら自由に医療業界を見て回り、医療経済的な視点を基礎に総合的に俯瞰的に医療業界という特殊な世界を評価したいと常々思っていました。

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