全例検証で「予期せぬ死」見逃さぬ体制を 医療事故調査制度で報告書
医療機関で発生した死亡事故の再発防止を図る「医療事故調査制度」をめぐり、厚生労働省の有識者検討会は29日、医療機関に対して、すべての死亡例について調査すべき事例かを検証できる体制づくりを求める報告書案をまとめた。制度は発足10年を迎えたが、病院などが「予期せぬ死亡」と判断した事例だけが対象で、施設ごとの判断にバラツキがあると問題視されていた。医療事故を見逃させない体制づくりをめざす。
制度は2015年10月に始まった。医療ミスの有無を問わず、医療による「予期せぬ死亡」や死産が対象。第三者機関への届け出や院内調査、遺族への調査結果の報告が義務づけられた。
しかし、報告されるべき事例の見逃しもあるとの指摘がある。ベッド数900床以上の大規模病院でも10年間で1度も届け出がない施設もあるほか、地域差もある。報告書案は「真摯(しんし)に取り組んでいる医療機関もある一方で、報告すべき医療事故が適切に報告されていないのではないかとの疑義を抱かざるを得ない事案もある」とした。
問題の背景には「予期せぬ死…
【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら