欧州のPLCや制御システムの先進性について(その②)
上のポストは、「力量バラツキ」を理由に先進性に移行した話ですが、今度は別の理由も見てみます。
日本のPLCと欧州のPLCの核心部に存在するものの違いについてです。
欧州のPLC文化の核心にあるのは、「制御工学を体系的に実装する文化」です。日本のPLCは「リレー置換装置」ですが、欧州では早くからPLCを「産業システムの中核OS」として扱ってきました。
例えば、
・IEC 61131-3
・PackMLやISA-88などの標準化設計思想
・PLCとモデル駆動開発やシミュレーションが連携
・機能安全 (SIL, PL) を工学的に設計へ統合
これらは「現場の多様性に対応する」というよりも、「再現性のある制御 = 科学的な制御」という哲学的な志向だと思います。
これは、及川卓也氏の書籍「ソフトウェアファースト」にも述べられていた「どこに“知”を置くか」にも通ずる話だと思います。
・アメリカは「知をソフトウェアに置く」
・欧州は「知を仕組み(システム構造)に置く」
・日本は「知を人に置く」