弊サイトの過去掲載記事に対する記事削除の仮処分申立と、その対応についてのご報告
2025年9月30日
有限会社デシリットル・ファクトリー
NIPPON-BASHI SHOP HEADLINE 編集部
このたび、弊社が運営するニュースサイト「NIPPON-BASHI SHOP HEADLINE」(以下「弊サイト」)に掲載した過去の記事に対し、株式会社ナスカ(本社:大阪市浪速区、以下「ナスカ社」と記します)の実質的経営者とされる人物(申立人の氏名を記載すると後述のとおり面倒な問題が生じるため、ここでは明記を避けます。そのため、以下「申立人何某」と記します)から、大阪地方裁判所に記事削除の仮処分申立がなされました。このリリースは、当該紛争の経緯と弊社の対応を、読者の皆様にご報告するものです。
ナスカ社は、数年前まで大阪市内の日本橋エリアを中心に、メイドカフェなどの飲食店を多数運営していた企業です。また、系列店舗を総称して対外的には「ナスカグループ」の名称を用いていました。
【ご注意】上記媒体に掲載された店舗のうち、現在も同一場所・屋号で営業中のものがいくつか見受けられますが、これらの多くは後述の営業譲渡により、現在はナスカグループとは別の企業によって運営されていることをお断りしておきます。
最盛期には約30店舗を展開していたとされているナスカグループですが、2017年7月下旬、系列店舗の一つが風俗営業法違反(無許可営業)の疑いで摘発されたことが報じられ(出典:産経新聞、2017年7月27日付大阪本社版朝刊)、さらにその直後から当該店舗のみならず、系列全店舗が無期限の営業休止となったことも明らかになり、その動向が界隈で注目を集めていました。
事件発覚から約1ヶ月後の同年8月中旬、最終的にナスカ社は既存店舗のすべてを売却し、飲食店の運営から事実上撤退することを表明しますが、その際に申立人何某は、自らの肩書と氏名を公表した上で、SNS(Twitter、現X)を通じて店舗の売却先を広く募集していました。さらに自ら運営する「メイド速報局」「地下アイドル速報局」といった情報サイトのTwitterアカウントでも同様の告知を行い、氏名のみならず連絡先として携帯電話の番号まで公開するなど、積極的な宣伝活動を行っていました。
※画像の一部を加工しています
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弊社は、これらの事実に基づき、2017年8月20日付で「ナスカG、メイド・コスプレ系飲食店から事実上の撤退へ 全店舗売却の意向」と題した記事を公開しましたが、申立人何某より大阪地方裁判所に対し、当該記事の削除を求める仮処分申立が2025年1月21日付で行われました。
弊社は、記事内容がすべて事実に基づき誤りがないことを、審尋を含む法的手続きを通じて一貫して主張してまいりましたが、数回の審尋を経て裁判所にて争点が整理されていく中で、最終的には申立人何某の主張が「記事中に当方の氏名が記載されていることがいわゆる『プライバシー権』の侵害に当たる」という一点のみに絞られました。また、申立人何某の代理人弁護士は「記事の内容自体は完全に事実である」との見解を表明し、その旨を記した書面を裁判所および弊社に提出しました(後述)。
弊社としては、申立人何某の「プライバシー権」云々の主張には
或る企業の動向を報じる際に、当該企業の代表者が自らの肩書を明示し、公開の場で発言した内容を取り上げてその根拠とすることは、報道の一環として何らおかしなことではない。もちろん、SNSが「公開の場」の一つに該当することも自明である
申立人何某のSNS上の発言は、自ら営む事業の宣伝を目的としたものであり、プライバシー権での保護対象とされる「私生活上の事柄」には該当しない
と考えており一切同意できかねますが、
申立人何某およびその代理人弁護士が記事の事実関係に一切異議を唱えず、内容がすべて真実であると認めたことにより、法廷での争いを継続する必然性が低下した
紛争の早期解決のため、裁判所から弊社側にも一定の譲歩が促された
記事を削除した場合でも、本報告を通じて削除対象記事の事実関係を概ね説明できることから、「不当な圧力に屈して事実を削除する」という事態は実質的に回避可能である
これらの観点から熟慮の末、記事の自主的削除によって紛争の解決を図ることとしました。その結果、申立人何某の代理人弁護士からも「申立を取り下げる」旨の書面が2025年3月25日付で大阪地方裁判所に提出され、本紛争は一応の解決に至りました。
なお、先にも述べたように、申立人何某が裁判所にて「記事中に当方の氏名が記載されているのは『プライバシー権』の侵害である」との主張のみを行い、「記事の内容自体は完全に事実である」ことを認めている以上、申立人何某の氏名を明示しない形での本件経緯の公開は法的にも問題がないと弊社は認識しておりますが、万が一申立人何某から新たな法的措置が取られた場合、弊社は本noteアカウントを通じて状況を報告し、改めて読者の皆様の評価を仰ぐ所存です。
最後になりましたが、申立人何某が代理人弁護士を通じて弊社および裁判所に提出した書面の中に、非常に興味深い内容がございましたので、この場を借りて読者の皆様にもその内容を公開いたします。
申立人何某が、削除対象としている記事の内容自体は完全に真実であることを書面にて認めたことは先に述べた通りですが、当該書面にはさらに以下のような記載がございました。
※画像の一部を加工しています
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この書面は、申立人何某の代理人弁護士から弊社に対し「和解ご検討のお願い」として提出されたものです。また、先に述べた通り、代理人弁護士はこの書面をもって「記事の内容自体は完全に事実である」旨の見解を表明し、あわせて裁判所にも参考資料として提出しています。
なお、和解条件そのものは残念ながら受け入れ難い内容であり、弊社としては受諾しなかったのですが(そのため、提示された和解条件に関する部分および申立人何某の氏名が記載された部分は非表示としています)、ここで重要なのは、申立人何某の代理人弁護士が
「ナスカ社がコンカフェなどの店舗事業からは完全に撤退している」
と断言し、あまつさえ
「申立人何某およびナスカ社が、本件記事の時期と同様にコンカフェなどの店舗経営事業を継続しているのであれば『店舗経営上で違法行為を犯していながら今でも同じ事業をしていて』と批判の対象にもなり、事業監視、業界の健全を保つためにも貴社の当該記事は大きな意義を未だに有し続けている、ということになると思います」
とまで大見得を切っている点です。
もちろん、これらの点についてはその指し示す内容が極めて曖昧なため(仮処分申立の取下実行から今回の発表までに若干の時間を要したのは、この「曖昧な点」について、弊社でも独自にいくつかの観点から若干の調査を行っていた為でもあります)、弊社としては具体的内容に言及したコメントは一切できかねますが、申立人何某が代理人弁護士を通してこのような主張を行い、さらにそれを書面にして裁判所に提出までしているという事実だけはこの場を借りて明らかにしておきますので、その内容につきましては読者の皆様の評価に委ねたいと存じます。
本件により、読者の皆様および関係者にはご心配をおかけしましたが、事情をご賢察の上、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
弊社は今後も事実に基づく報道方針を堅持し、正確な情報提供に努めます。本件に関するご質問やご意見は、編集部までお寄せください。
※2025年10月5日追記:元の文意を損なわない範囲で、一文が長くなっていた箇所を箇条書きにする、リンクの張り直しなど軽微な修正を行いました。
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