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現在では放送できない

そんな過酷な企画を山岸氏は、現在のテレビ業界のコンプライアンスから考えてどう分析するのか。

「法律順守という観点から見れば、なすびさんも放送内容に同意しているので問題はないでしょう。しかし出演者に激しい精神的苦痛を与えるような描写を放送することは、現在のコンプライアンスから考えるとアウトになります。

現在のテレビ業界では、出演者の困っている様子、精神的に追い詰められている様子を放送することがはばかられている傾向があります。特に視聴者の多いゴールデンタイム(19時~22時)に放送する番組ほど、過激な企画は少ないです。全国放送は特に社会的影響力が強いものなので、“いじめ”を助長する恐れがあるような過激な企画は、そもそも放送していないか、もしするにしても深夜枠の視聴者が少ない時間帯に放送するなどの配慮がされているでしょう。

いずれにしても、現在はもう、なすびさんが体験したような出演者に強いストレスを与える企画は、コンプライアンスに反するということでほぼ放送できないでしょう」

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出川哲郎が出演した「ストップエイズキャンペーン」

続いて検証したいのは、当時若手芸人だった出川哲郎氏が出演した「ストップエイズキャンペーン」という企画。この企画は、ロンドンやサンフランシスコなど世界各地で、エイズ防止を目的として、現地のゲイの人々に番組オリジナルのコンドームを配るという内容だ。

特に過激なシーンが放送されたのが、オーストラリア・シドニーのゲイバーにて出川氏がコンドームを配った回。なんと出川氏が6、7人の男たちに連れ去られ、そのまま服を脱がされてレイプされるという衝撃的な様子の音声が放送されたのだ。

出川氏が必死に助けを求めるなか、番組のナレーションでは「スタッフはそのまま見守ることにした」と語られるのみで、誰も助けに行くことなく出川氏はそのまま放置されたのである。

この企画について出川氏は別の番組で「めちゃめちゃ痛かった。(レイプされた場所である)ビリヤード台の天井の景色がいまだに忘れられない」と語っており、肉体的苦痛だけでなく相当な精神的苦痛が伴っていたことは想像に難くない。

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