砂漠に吼える白銀の機械獣 作:新作が欲しい
ブルアカを初めて大体半年……ストーリーを読んでいて、到達に思いついたので衝動的に書きました。
強い日差しが、焼け付くような砂漠を照らしていた。
「……?」
周囲には遮るものが何もなく、地平線の彼方まで砂と岩が続き、熱された空気が陽炎のように揺らめいたいた。その砂漠の真ん中で、俺はゆっくりと、自分の体を起こした。
(――……ん?)
声は出せない。口を開けば、代わりに鋼鉄が擦れ合うような低い唸り、そしてライオンの威圧的な咆哮が響き渡る―――ってちょっと待て。
(―――嘘だろおい嘘だろ!!?)
冷静に考えたら声が出せないってなんだ…⁉︎ なんで今俺の喉から………と言うか……この体何処かで……かっ、確認!!確認できる場所!
俺は焦りながらもその場を後にする、歩く時の音に重量感があったり、どう考えても二足歩行ではなく四足歩行で走っているが絶対に気のせいだ、気のせいに決まってる……ほら、あそこに詰まっているビルの鏡には人間の俺が写って……写って……。
(冗談だろ……?てかそうであってくれよ…!)
そこに写っていたのは、俺ではない俺。全身を覆う白と青の装甲、鋭い爪、巨大なタテガミに白きライオンの顔。鋭い牙と、威圧感のある青い瞳……間違いない。
俺は…ワイルドライガーになっていた
夢なら覚めてくれと願うが、肉体から伝わる強烈なゾイドコア、つまりは今の俺の心臓の鼓動が、これが現実だと突きつけてくる。
(俺の記憶が正しければ、この姿は『ゾイドワイルド』に出てくる、ライオン種のゾイド…ワイルドライガーだ。…俺は今は…ライガーになっているのか…?)
ゾイド……それは動物の骨格に外装アーマーを取り付けた巨大メカ生命体。通常の兵器ではない。彼らは意志を持ち、本能を持ち、そして生きている。
そしてワイルドライガーとは、『ゾイドワイルド』シリーズの主人公機であり、物語を通して活躍する、熱い魅力に満ちたライオン種のゾイド。
ゾイドは子供達、ひいては男達のロマンの塊の象徴のような存在であり俺自身も大好きな、ゾイドファン、『ゾイダー』だ。特に好きなシリーズはゾイド新世紀スラッシュゼロとゾイドジェネシス、そしてゾイドワイルドで―――じゃない!!!
(なんで俺がゾイドになってるんだ!!ゾイドは好きだけど別になりたいわけじゃない!俺はゾイド本体じゃなくてゾイドの操縦者になりたいわけで………そもそもなんで俺死んでもないのに転生してんるんだ⁉︎)
ダメだもう脳がショートしそう……今は脳じゃ無くて回路かな…。俺はただの人間でゾイドを愛するただの一般人、死んだ記憶も無い…のに……なんでだ…?
(俺がライガーなら、ここはワイルドの世界なのか…? いや…ワイルドの世界にこんな場所は無かったと思うし…空のあれも無いはずだ)
周囲の空を見上げると、頭上にぼんやりと光る、奇妙な輪があった。それが一つではない。いくつもの輪が、この世界の空を覆っている。神秘的な異世界だと思うが……尚更ゾイドは世界観に合わないだろと思った。
(……とりあえず歩いて色々と探ろう。そしてもしもこの世界に他ゾイドがいたら逃げて生き残ろう、うん、戦い方とかわかんないし無理に戦う必要もないしな、うん)
四足歩行に違和感を覚えながらも俺は前へ前へと走る、流石はゾイド。走っている時の爽快感は異常でありとても心地よい……人とかも乗ってないから気にする必要ないから余計に気分がいい!
周りも砂漠なので好きなように動けるのもいい、何処を見てもほとんど変わらない風景なのはちょっとだけ残念だけど、本当にちょっとだけ。
砂に埋もれているビルや橋などの建物に、無限に広がっている黄色がかった薄い灰色の景色、複数の銃を武装しているヘルメットの集団に囲まれてる女の子、本当にここは異世界なんだなと痛感する
(―――ん?…………⁇ 複数の銃を武装しているヘルメットの集団に囲まれてる女の子⁇―いや待て待て待て!!!)
流石に足を止め、俺は走っている時に見かけた女の子方へと戻る。
距離は数百メートル。俺の視力は、このワイルドライガーの体になって格段に向上していた……故によく見える。
黒いヘルメットと学生服が特徴的な武装集団が、銃を所持しながらたった一人を囲んでいると言ったあまりにも物騒な光景を。。
ゾイドの世界でもあんな物騒な………いやぁ……と、とりあえず子供が銃を持って悪いことをしようとしているのは確かだ、流石に遊びや冗談で済む話じゃない。
『――ガアアアオォォッ!』
「っなんだ!?」
「リ、リーダー!!後ろ!!後ろ!!!」
「――ら、ライオン!?」
「なんだよあのデカさ…⁉︎ に、にげろ!にげろ!!」
とはいえ流石に手を出すわけにはいかないので、シンプルに吠えて追い払う。こんなでっかい鉄のライオンが向かってきたらそりゃ怖いよな……でもそれって俺自身がもう人と接せないって事なんだよね…ちょっと辛くなってきたかもしれない。
「ん、おっきな……ライオン…? でも、どう見ても機械……????」
困惑しているのを見るに、ゾイドって存在はこの世界に存在してないんだな。つまりこの世界のゾイドは俺一人………それはそれで寂しいな
「…助けてくれて、ありがとう。……でも、私一人でもどうにかできた」
あれそうだったの? 余計な真似しちゃったかな…女の子は俺の体をよく観察して調べ出す。目を輝かせながら興味津々に見てくれるのは…悪聞きはしないな。
「骨格が……本物そっくり、じゃあ本当に…そう言う生き物なんだ」
そうだよー、そう言う生き物だよー
「……⁇ もしかして、こっちの言葉がわかるの?」
勿論!………やっべ頷いちゃった
「んっ…!すごい…人の言葉がわかる、鉄の動物…!何処から来たの? 群れはあるの?」
興味津々なのはいい事だけど、触っちゃダメだよ。砂漠の温度に当てられてめちゃくちゃ熱くなってるからね。
「……何処から来たの?」
何処から来たのか、そう問われると『こことは違う世界から』としか言いようがないんだけども、この体が何処から来たのかはわからない。ゾイドワイルドの世界から来たのか…それとも違う世界なのか……そこが全くわからない。
「……もしかして、わからないの?」
返答はどうしようかと思ったが、とりあえずは頷く。それを見た彼女は何やらハッとしたような顔をした後、自分のしているマフラーを掴んで、少し考えだした。そういえばなんで砂漠にマフラー…?
「…私と、一緒。私も…色々と、わからないがたくさんある。昔の記憶がないの」
それはまた………彼女はゆっくりと俺の方へと近づき、口を開く。
「でも帰る場所はある。ライオンは…ある?」
………ないな、さっき目覚めたばっかりだし。そういえばこれからどうするか考えてなかった…!この世界において俺の存在はあまりにも危険…というか異質だ、なので何処かひっそりとした場所に隠れるというのが一番だけど
「無いなら――一緒に来ない?」
とっても、嬉しい提案だ。でも俺は考えた…本当に良いのかと、ゾイドという存在は彼女の日常を壊してしまうイレギュラー……そんな存在である俺が、こんなに小さな女の子と共に、暮らして良いのかと。
「勿論、ご飯もあげるし、いっぱい遊んであげる。寝床だって…頑張れば用意できる」
で…でもなー…
「………ダメ?」
……………その顔はずるいよ、泣きそうな顔はダメだよ、俺ってばそういうのに弱いのよ……!!――ま、まあ…変に目立たなければ…良いだけか。
俺は泣きそうになる彼女に我慢できず、頷いてしまった。すると彼女は相当嬉しかったのか、飛び跳ねたり笑顔になりながら俺の周りを走ったりした。
その喜びようは、まるでずっと欲しかったおもちゃを与えられた子供のようだ。彼女の頭上の光輪が、その感情に合わせてか、キラキラと輝いているように見えた。
「大丈夫、しっかりと最後まで、面倒は見る!」
言葉を通じている相手にそれは合ってるんだろうか。
「早速、私の学校に行こう!ついて来て、『ライオン丸』」
ライオン丸!?もしかして俺の名前!?そのまんま過ぎというか…なんかカッコ悪く無い⁉
しかし、文句を言おうにも、今の俺は咆哮しか出せない。その様子を見て、少女は「気に入ってくれたみたいだね!」と満面の笑みだ。
彼女の走る速度に合わせながら、俺は感じ取った。今この瞬間が、俺のゾイド生活の始まりなんだと。
今日この時が―ライオン丸としての人生の、始まりなんだと。
「あっ、でもその前に。廃品回収のトラックを盗んでくるから、寄り道しよう」
待て待て待て待て待て待て!!!!!?
ちびシロコちゃんのエミュ難しくない……ですか?私だけですかね……一応彼女自身にはオリ主の声は聞こえていませんしゾイドの言葉もわかってません
続くかは本当に分かりませんので、ご容赦ください。
ゾイド新作ください