砂漠に吼える白銀の機械獣   作:新作が欲しい

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廃校寸前!アビドス学園との最初のつながり

 

 

 

「――ん、ただいま。ノノミ、ホシノ」

 

「あっ、シロコちゃんお帰りなさい♪」

 

「お散歩はもういいのー?」

 

「ん、いっぱいして来た」

 

 

 

 

アビドス高等学園

 

 かつてはキヴォトスで最も長い歴史を誇り多数の生徒が通う、キヴォトス最大の学園として名を馳せており、生徒会長が70人いたと言う群雄割拠の混乱期を経ての全盛期では、圧倒的な兵力や資金を誇るほどの繁栄を謳歌し、他の自治区からは羨望や畏怖の目で見られていた。

 

 しかし現在は数十年前のある時期から頻発し始めた大規模な砂嵐によって、学区の環境は激変してしまい、人口も著しく減少してしまい、通っているもほんのわずか。

 

 

 

「あれ………あっ!!シロコちゃん、また勝手に砂漠に行ったでしょー!」

 

「ん、す、すぐ帰って来た」

 

「シ〜ロ〜コ〜ちゃ〜ん?」

 

「い、いひゃい。フォヒィノ、いふぁい」

 

 

 シロコと呼ばれる少女の頬を引っ張りながら少し叱るピンク髪のポニーテールが特徴的な少女、小鳥遊ホシノ。ゆるい雰囲気を醸し出しているが、その実力は桁外れである。

 

 

「シロコちゃん、後で私とシャワーを浴びましょうね」

 

「ん……後ででいい」

 

「だーめです♪」

 

 

 

 ベージュのロングヘアを左側頭部だけ輪を書くように結んだ髪型と服の上からでも分かる大きな胸が特徴的な少女で、アビドス高等学園所属の一年生。実家はかなりの財力を持つお金持ち。

 

 

 

「ん、それよりも二人とも。砂漠で新しい生徒を見つけて来た」

 

「生徒…?――生徒!?」

 

「えっ、砂漠に!?その子大丈夫なの!?」

 

「襲われてた時に、助けてもらった。とっても強くて、とってもかしこい、すごい生徒」

 

「砂漠に一人で……ちょっと怪しいけど、とりあえずお礼は言わないとね。ちなみにどんな子?」

 

「ライオン」

 

『………ライオン?』

 

 

 

 そして、銀髪と水色の瞳だが瞳孔の色が左右で違う(白と黒)オッドアイを持つ非常にミステリアスな雰囲気を醸し出している美少女。砂狼シロコ、色々と分け合って今現在世の常識を学んでいる最中である、パワフルかつやんちゃな生徒だ。

 

 そんな彼女が砂漠で生徒を見つけて来て、紹介したいとのことなので、ノノミとホシノはお礼も兼ねて挨拶をしに学園の門前まで足を運んだ。

 

 

 

 

 

「ん、紹介する。新しい生徒の、ライオン丸!」

 

『本当の本当にライオンだ!!?(です!!?)』

 

 

 

 

 そしてあまりにも非日常的な光景に、目を疑うのであった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「あ…あのねシロコちゃん。確かに生徒数が少ないから誰でも歓迎って形にはしてるけど……けど――流石にこの子の入学はちょっと無理だよぉ」

 

「ん、なんで?」

 

「流石に機械のライオンを生徒に!は流石に通らないと言いますか……」

 

「機械人は生徒になっちゃダメなの?」

 

「この子ですらないんだよ〜?シロコちゃん」

 

 

 

 どうも、色々あってシロコちゃんに学校の生徒にされかけているワイルドライガーのライオン丸です。

 

 俺を学園まで案内してくれたこの女の子、砂狼シロコちゃんっていうらしいんだけど……この子ものすごくアウトローな子だった。

 

 世間知らずというか色々と訳ありなんだろうけど、流石に廃品回収のトラックを盗み出そうとするのは子供のやる悪いことじゃないから…ほんとびっくりしたよ。

 

 

 

「でも、こっちの言葉を理解してる」

 

「ホントに…?――えーっと…シロコちゃんを助けてくれてありがとう。おじさんは名前は小鳥遊ホシノ、よろしくね〜」

 

「十六夜ノノミです〜、シロコちゃんがおせわになりました」

 

 

 いやいやとんでもない、こちらこそ其方の娘さんには大変感謝をしておりまして……。

 

 俺は一礼をして来た二人に対して、軽く頭を下げてあげる動作を行った。そしたら驚きの表情のまま二人は止まってしまった………流石に人間臭すぎて怪しまれちゃったかな?

 

 

「随分と高度なAIが使われてるんだね…流石にびっくりしちゃった」

 

「ただのライオンを模した兵器、というわけではないんですね」

 

 

 んーギリギリAIってことになったな、ヨシ。俺の体を隅々まで探りを入れるホシノちゃん…やっぱり女の子に体の隅々まで見られるってすごく…こう、色々とアウトな気がして仕方ないな。

 

 

 

「骨格がリアルすぎる……それに息遣いのような物も聞こえるし…一体どんな技術を作ったら……うーん、流石のおじさんもよくわかんないや」

 

 

 

 ゾイドワイルドの世界のゾイドは、ゾイドの骨格(ボーン)と装甲(アーマー)が地中に埋まった状態で発見されることが多いんだよな。そこから色々あって、人間に復元されてから野生に戻ったり、パートナーになったりしてる。

 

 

 ……あれ、そう考えたら、最初から装甲が付いている状態で目覚めた俺っておかしくね…? しかも傷一つもないとか……絶対におかしい。

 

 

「ん、ライオン丸は賢い。いろんな芸ができる」

 

 

 シロコちゃん急な無茶ぶりはやめようね?

 

 

「ライオン丸、伏せ!」

 

 

 …………流石に、流石に中身は人だから、流石に尊厳っていうのが―――ああちくしょう子供の笑顔のためだぁ!!!

 

 

「ホントに伏せた…!!」

 

「次、お手!おかわり!」

 

 

 優しく、本当に優しく前足を器用に動かしてシロコちゃんの手に少し触れる。多分シロコちゃんは『怖く無い!安全!』って言うのを証明したいんだろうな、安全な機械なら居ても問題はないって事なんだろう。

 

 

「随分とシロコちゃんに懐いてる見たいですね」

 

「ライオン丸、人は、襲そわない。さっきも廃品回収のトラックを盗もうって言ったら、ものすごく嫌がってたし止められた」

 

人を襲わないようなプログラムを――待ってシロコちゃん、廃品回収のトラックを盗もうとしてたの!?」

 

 

 もっと言ってあげてください。トラックの運転手さん俺を見るなりめちゃくちゃ大急ぎで逃げて行ってたし、完全にこっちが悪もんだったんですよ。

 

 

「それはダメだよシロコちゃん!」

 

「やる前にライオン丸に止められた」

 

「止めてくれてありがとうねライオン丸くん!!」

 

「それはつまり、善悪の区別はしっかりとしているって事ですよね?」

 

「ん、だから。滅多なことは、絶対にしない」

 

「…うーーん」

 

 

 ホシノちゃんはしばらくの間沈黙しながら考え始め、その後少しの息を吐いた後シロコちゃんに告げる。

 

 

「廃品回収の件は後でちゃんとお話をするとして……シロコちゃん、この子の事、最後までちゃんと面倒見れるって約束する?」

 

「…!ん!約束する!」

 

「そこまで言うなら、仕方ない……ウチに住まわせる事を許可します!」

 

「んっ!やっ『ただし!!』んっ…」 

 

「ライオン丸君の力を使って、人を襲ったり、よく来る不良達に対して攻撃をするように命令をするのは無し。それから活動場所はこの学園周辺! それは絶対に守ってね」

 

「………ん、わかった。約束する!」

 

 

 シロコちゃんは大喜びしながら飛び跳ね、俺の元へと駆け寄る。俺が顔を下に下げると、シロコちゃんは俺の顔に抱きつきながら笑顔を作り続けていた。

 

 にしても…まじか、ゾイドを自分達の学園に置いてくれるんですか。ありがとうございます! このご恩は行動で返します!

 

 

「ホシノ先輩、良かったんですか?」

 

「いやぁ、シロコちゃんがあそこまで気に入っている子を邪険にして追い返すのも可哀想だしね〜……それに側にいてくれた方が色々と調べられるだろうしさ

 

「そうですね」

 

 

 

 なにやら不穏な会話を聴こえた気がしますが……とりあえず俺はアビドス学園へと住まわせてもらうこととなった。  

 

 中には流石に入れるわけがないので、基本的には広いグランドの上での生活となった。

 

 ゾイドがそれでいいのかとも思ったが……ゾイドの世界のような殺伐とした感じでも、ワイルドの世界に存在していたデスメタルのような悪の組織が蔓延っているわけでもないこの世界で、そう力を入れまくる事もないだろうしなぁ。

 

 

 

 

「ライオン丸、これからはずっと一緒!」

 

「よかったね〜シロコちゃん」

 

「新しいお友達も増えた事ですし……今夜は少し贅沢にパーティーをしましょう♪」

 

 

 

 

 ……いや、やっぱり気合い入れておこう。いついかなる時でも、この子達を守れるように。

 

 

 俺にできるのは、それぐらいだ。

 

 

 こうして俺は、アビドス学園の一員として迎えられた。それと同時に自覚した……ゾイドとして生まれ変わった自分の帰る場所。

 

 

 それこそがアビドス学園―――つまり。

 

 

 

 

 ここは、(ライオン丸)縄張り(居場所)なんだと。





 
ちびシロコちゃんがあんまりにも可愛すぎたので、過去から絆を深めていこうと思って書いたのがこの作品です。
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