高市早苗首相が先週、所信表明演説を行った。強調されたのは経済政策である。「『強い経済』を構築するため、『責任ある積極財政』の考え方の下、戦略的に財政出動を行います」としている。「責任ある積極財政」は前面に出ている。
積極財政の裏づけは組閣人事である。組閣人事こそ最高のメッセージといえるだからだ。なお、当然のことながら、積極財政と補助金カットは矛盾しない。
高市政権人事をみて、筆者はX(旧ツイッター)に次のように連投した。
「高市政権凄(すご)いな。Z涙目。片山(さつき)財務相、城内実成長相。ほんまもんの積極財政だよ」
「城内実さんは責任ある積極財政の会最高顧問。オールドメディアはこの人事がわからないな」
「この役員名簿をみれば、城内さんのほか、松本(尚)さん、黄川田(仁志)さんが入閣しているぞ。まさに責任ある積極財政政権」
「さらに官房副長官に尾崎正直さん、佐藤啓さん、ともに責任ある積極財政の会。これほど徹底しているとは驚きものの木。さらに、入閣した小野田紀美さんもメンバー」
ここでいうZは財務省をさしている。そして、片山財務相で維新の主張する補助金カット、城内経済安全保障担当相で積極財政という「ツートラック」でいくのではないか。
片山氏は、能力のある元財政官僚だし、「ザイム真理教」とやゆされた財務者を完全掌握できる。
城内氏には、尾崎、佐藤両氏という高市首相側近の官房副長官が付いていて、キレイな高市首相以下のラインができている。
早速トランプ訪日を控え、防衛費増が問題になっている。片山ラインを使えば歳出カットで賄うが、城内ラインであれば防衛国債になる。歳出カットでも歳出増なので緊縮でなく、また、純債務に着目すれば防衛国債での防衛費増は純債務を悪化させない。
果たして、高市政権はどのように対応するのだろか。どちらにしても防衛費増には対応できるが財政悪化にならないはずだ。
高市政権が第一にやるのは、いわゆるガソリン税である。それらの暫定税率の廃止法案を、今国会で成立させるとしている。この実施時期について、ささいな差でもめている。年内か来年2月という差である。暫定税率が50年以上も続いたため、事業者側のおそらく技術的な問題だろうが、早く決めたほうがいい。
野党がこんな問題を指摘していると、早く処理されて、高市政権による高い支持率を背景にした国会の年内解散を恐れているように見えてしまう。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)