情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2025年第3四半期(7月~9月)]
公開日:2025年10月21日
独立行政法人情報処理推進機構
セキュリティセンター
本レポートでは、2025年7月1日から2025年9月30日までの間に情報セキュリティ安心相談窓口で対応した、個人からの「相談」の統計について紹介しています。
従来、個人および企業組織からのご相談を「情報セキュリティ安心相談窓口」にて対応しておりました。
2025年4月より個人からのご相談は「情報セキュリティ安心相談窓口」、企業組織からのご相談は新たに開設した「サイバーセキュリティ相談窓口」での対応となりました。
目次
- 相談件数
- 主な手口別相談件数
- 相談事例
情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況
1.相談件数
1-1.相談件数の推移
今四半期の「情報セキュリティ安心相談窓口」における、相談対応件数は2,824件でした。前四半期から約4.0%減となっています。
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図1:相談件数の推移
相談件数の推移
- 2024年7月~9月:合計 2,804、 電話 2,100、 電子メール 315、 FAX・手紙 9、 SMS 76、チャットボット 295、
アウトリーチ 9
2024年10月~12月:合計 2,739、 電話 2,069、 電子メール 322、 FAX・手紙 8、 SMS 94、チャットボット 238、
アウトリーチ 8
2025年1月~3月:合計 3,215、 電話 2,450、 電子メール 371、 FAX・手紙 9、 SMS 154、チャットボット 230、アウトリーチ 1
2025年4月~6月:合計 2,941、 電話 2,304、 電子メール 292、 FAX・手紙 1、 SMS 168、チャットボット 170、アウトリーチ 6
2025年7月~9月:合計 2,824、 電話 2,163、 電子メール 363、 FAX・手紙 8、 SMS 78、チャットボット(脚注1)211、アウトリーチ 1
1-2.相談件数の前年対比推移
今四半期の相談対応件数は、前年同四半期比では約0.7%増となっており、ほぼ変わらない相談件数となっています。
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図2:相談件数の推移(前年同四半期比)
相談件数の推移(前年同四半期比)
- 第1四半期:2024年3,225、2025年3,215
第2四半期:2024年3,757、2025年2,491
第3四半期:2024年2,804、2025年2,824
第4四半期:2024年2,739、2025年
2.主な手口別相談件数
今四半期の主な手口別相談件数は、相談件数の多い手口の順に「ウイルス検出の偽警告」647件(構成比22.9%)が最も多く、続いて「不正ログイン」387件(同13.7%)、「フィッシング」137件(同4.9%)、「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」57件(同2.0%)、「ワンクリック請求」7件(同0.2%)、でした。
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図3:手口別相談件数
手口別相談件数のテキスト情報は2-1~2-5にてご確認ください。
2-1.「ウイルス検出の偽警告」に関する相談
ウイルスを検出したという偽警告で不安を煽り、電話をかけさせてサポート契約に誘導する「ウイルス検出の偽警告(脚注2)」に関する相談は前四半期から約29.1%減の647件寄せられました。
2025年5月30日に警察庁より「日本人被害者にかかるサポート詐欺に関係する被疑者6人を検挙した。」(脚注3)との発表があり、一時的に相談件数が減少しましたが、その後また増加しています。
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図4:「ウイルス検出の偽警告」相談件数の推移
「ウイルス検出の偽警告」相談件数の推移
- 2024年7月~9月:相談件数 835
2024年10月~12月:相談件数 804
2025年1月~3月:相談件数 1,084
2025年4月~6月:相談件数 912
2025年7月~9月:相談件数 647
2-2.「不正ログイン」に関する相談
「不正ログイン(脚注4)」に関する相談が前四半期から約44.9%増の387件寄せられました。前四半期に引き続き、Facebook、Instagramなどに不正ログインされて、自分ではログインできなくなったという相談が多く寄せられており、増加傾向にあります。
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図5:「不正ログイン」相談件数の推移
「不正ログイン」相談件数の推移
- 2024年7月~9月:相談件数 113
2024年7月~9月:相談件数 164
2025年1月~3月:相談件数 261
2025年4月~6月:相談件数 267
2025年7月~9月:相談件数 387
2-3.「フィッシング」に関する相談
「フィッシング」に関する相談件数は、前四半期から約8.7%増の137件寄せられました。各種サービスや企業を騙ったメールから偽サイトにアクセスして、個人情報やクレジットカード情報などを入力したという相談が寄せられています。9月には国勢調査を騙ったフィッシング手口が確認されています。本資料の<3.相談事例:国勢調査への協力のお願いというメールからサイトを開いてしまった>をご参照ください。
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図6:「フィッシング」相談件数の推移
「フィッシング」相談件数の推移
- 2024年7月~9月:相談件数 197
2024年10月~12月:相談件数 175
2025年1月~3月:相談件数 135
2025年4月~6月:相談件数 126
2025年7月~9月:相談件数 137
2-4.「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」に関する相談
今四半期は「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール(脚注5)」に関する相談が前四半期から約50.0%増の57件寄せられました。メールに書かれている嘘の恐喝内容に驚いて、その真偽についてのご相談が引き続き寄せられています。しかし、暗号資産で金銭を支払ってしまったという相談は確認していません。
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図7:「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」相談件数の推移
「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」相談件数の推移
- 2024年7月~9月:相談件数 37
2024年10月~12月:相談件数 52
2025年1月~3月:相談件数 118
2025年4月~6月:相談件数 38
2025年7月~9月:相談件数 57
2-5.「ワンクリック請求」に関する相談
今四半期は「ワンクリック請求(脚注6)」に関する相談が前四半期から50.0%減の7件寄せられました。ワンクリック詐欺の手口内容に変化はみられません。アダルトサイトを観ていたところ、突然会員登録が完了し、金銭を支払うように指示する画面がでてきたことに関して、支払の必要性についての相談が寄せられています。
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図8:「ワンクリック請求」相談件数の推移
「ワンクリック請求」相談件数の推移
- 2024年7月~9月:相談件数 9
2024年10月~12月:相談件数 21
2025年1月~3月:相談件数 15
2025年4月~6月:相談件数 14
2025年7月~9月:相談件数 7
3.相談事例
今四半期のうち情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談事例を紹介します。
相談事例1:国勢調査への協力のお願いというメールからサイトを開いてしまった
相談内容
- 国勢調査への協力のお願いというメールを受信した(図9)。回答すると記念品を贈呈するとか、未回答の場合は罰則があると書かれていた。回答はこちらからという箇所をタップすると、ログインのため電話番号を入力する表示が出た。(図10)
携帯電話番号を入力すると、認証コードを入力する画面に変わり、SMS(ショートメッセージサービス)でオンラインショップの認証コードが送られて来た(図11)。認証コードを入力したが、なにか被害にあうだろうか。
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図9:国勢調査の偽メール事例
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図10:国勢調査の偽サイト事例
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図11:認証コードと入力ページ
回答(対処)
国勢調査をかたったフィッシング詐欺の手口だと考えられます。
- メールを受信してサイトにアクセスしたが、ログインのための電話番号は入力していない場合
- メールを受信してサイトを開いただけでは被害に繋がることはない。メールを無視して削除するだけで問題ない。
- 電話番号を入力し、認証コードを受信したが、その認証コードをサイトに入力はしていない場合
- 相手に電話番号が伝わっている可能性があるので、今後、不審なSMS(ショートメッセージサービス)や不審な電話に注意する。
- 電話番号を入力し、認証コードを受信した後、その認証コードをサイトに入力した場合
- 自分の電話番号を使用してサービスのアカウントが作成された可能性があるため、認証コードが送られてきたサービス提供会社に対処を問い合わせる。
- 不審なSMS(ショートメッセージサービス)や不審な電話に注意する。
対策
- 身の覚えのないメールは無視して削除する。判断に迷った場合は、公式サイトなど確かな情報を使って確認する。
- 真偽がはっきりしないメールについては、下記の対応をする。
- 記載のURLからウェブサイトにアクセスしない
- 添付ファイルを開かない
- 記載の電話番号に電話をしない
- 返信しない
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脚注1
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脚注2
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脚注3
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脚注4
各種インターネットサービス(SNS、ショッピングサイト、クラウドサービス等)において、第三者にIDおよびパスワードを不正利用されたことに関する相談。
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脚注5
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脚注6
お問い合わせ先
IPAセキュリティセンター 情報セキュリティ安心相談窓口