Blue Mirror Archive ~ぶるぅみらーあぁかいぶ~ 作:ZIPMA
例のスレにめちゃくちゃ影響されています。ああいうやつ大好きです。
人生初投稿です。
バスの日常
<囚人の業務終了を承認します。>
業務時間の終了を告げるアラームを聞き、私は半ば反射的にこの言葉を発していた。
「ありがとうございます。今から―」
そして、ファウストによるいつも通りの言葉が響く。
K社に到着してから何週間かの間、私たちはあの”ヘルズチキン"をはじめとしたねじれ事件の解決に奔走していた。業務が終了するころには、私も囚人たちもクタクタで、さっさと部屋に戻っていくのがここ最近のバスの風景だった。だけど、毎日毎日ねじれと戦って、死んで―時計もそこそこ回して―いるからだろう、囚人たちに段々と不満が溜まっていくのを感じていた。そして...
「クソッ!毎日毎日ねじれと戦って、一体いつんなったら終わるんだよ!」「わぁっ!」
今日、ついにヒースクリフが爆発したみたいだ。シンクレアは突然の怒号に腰を抜かしたようで、座席から立ち上がれないでいる。
「わぁ~、今日はすっごく怒ってるみたいですね?」
「ねじれにピザみたいに潰されてたもんね~、ヒース。あ、今日はピザ食べちゃおっかな~。」
ホンルとロージャは、そんなヒースクリフにも普段のマイペースを貫いている。
「はぁ...よくピザを食べようなんて思いますね...。まあ、私も死体は見慣れましたけど。」
「うわっ、俺今日ピザ食べるつもりだったんだぞ...。」
イシュメールとグレゴールは、普段ならこういう会話を尻目にそそくさと部屋に戻ってるはずなんだけど。そうしないってことは、二人にも少なからず不満が溜まっていて、ヒースクリフに共感するところがあるんだろうね。
「時計ズラ、あのチキンの野郎と戦ってから何日経った?」「管理人様と呼べ!」「うるせぇ!」
<え、え~っと...ムルソー、わかる?>
「15日経過した。」
「もう2週間も走り回ってるんですね...。」
と、ようやく立ち上がったシンクレアが言う。
「その間、ず~っと同じようなねじれと戦ってばっかじゃねえか!」
囚人たちがある種の焦燥感に駆られているのもよくわかる。囚人たちがこのバスに乗る選択をしたってことは...叶えたい願いがあるってことだから―おそらく、記憶を失う前の私にも―。K社で停滞し続ける状況を快く感じる囚人は少ないだろう。
「ねじれが作り上げる芸術は独創的だ。それが分からんとは...はっ、
「ふっ、ヒースクリフさんをバカにしてることだけは伝わってきますね。」
「おい、コイツなんて言ってんだ?」
「え、ええっと...普通にバカって言ってますね。」
「おいテメェ!」
<...殺し合いだけはやめてくれよ?私がまた時計を回さなきゃいけなくなる...。>
と、バスが普段通りの活気を取り戻してきた時、稲妻のような声が響く。
「だが!今この時も、ねじれに襲われる罪なき者たちがいるのだ!フィクサーは世界の正義のために、いつでも休みなく戦うものだ!たとえばこの
と、ドンキホーテがフィクサー雑誌をどこからともなく取り出し、講義を始めようとするので、それを制止し―ドンキホーテは不満そうだ―、ファウストに尋ねる。
<ファウスト、私たちはあと何日ここに居続けなきゃいけないんだ?>
「3週間以上はここにとどまる必要があります。私たちが行うべきことはまだありますから。」
<それっていったい―>
「ダンテ。ファウストは全てを知っていますが、その質問に答えて差し上げることはできません。」
<だよね...。>
とりあえずは、時間が経つのを待つしかないみたいだけど...。個人的には時計を回す機会が減るからありがたい。そして、ある程度具体的な日数を知った囚人たちは、とりあえずは納得したようで各々部屋に戻っていった。
そういえば、未だ一言も言葉を発していない囚人が一人いる。イサンだ。
イサンは座席に座りながら無言で何かを考えているようだ。おそらく業務が終了したことにすら気づいていない。
<ええっと、イサン。もう業務時間は終了したけど。>
「あ...。考へ事したればおどろかざりき。」
<疲れただろうし、今日はゆっくり休も―>
「あなや!!」<うわっ!>
突然イサンが大声を上げるなんて...ヒースクリフみたいだな?一人で十分なのに...。
「ううっ...。ダンテやきこえぬ?裏口...鏡ダンジィョンの方よりけたたましき声がすれど。」
<...裏口から声...?聞こえないけど...>
何事もまずは行動からって、この短い間で学んだから...とりあえず行ってみようか。
読みにくいところがあれば教えてください。
以上!