Blue Mirror Archive ~ぶるぅみらーあぁかいぶ~ 作:ZIPMA
文字数が少ないです。申し訳ありません。
固有名詞は後でまとめて説明できればと思います。
<...なんだ?この蒼い扉は?>
裏口へ向かった私たちを出迎えたのは、普段ならそこにはないような蒼い扉だった。
鏡ダンジョンでたまに目にする、あの幻想体と同じくらい蒼く...けれども、不思議と気が狂うような感じはしない。むしろ暖かい気分にさせる。
「察するに、裏口移ろひためり。...未だ何人かの...いわけなき少女の声が頭に響けり。」
<少女...。>
今まで出会った少女は、大抵こっちの話を聞かずに殺しに来たけど...この声の主はどうだろう。
「ダンテ、扉を見よ。ゆかしき記号見ゆ。」
<記号?ええっと...輪っかと人間と...なにこれ?>
「ふぅむ...。学園に見ゆ。S社に見らるる造作様式なれど...」
と言いながら、イサンが扉に近づく。
すると、扉の隅から眩い光が差し込み...イサンに纏わりついた。
<え?>
「この輪にはいかなる心が...?ふぅむ。いとゆかしきものなり。」
<ちょ、ちょっと...?イサン?なんか光ってるけど!?>
「扉の様式も、他の扉とは絶えて異なるものなり。」
<イサン、今は考え事をしてる場合じゃ...!>
扉の前で立ち尽くすイサンを何とか引き離そうと引っ張るが...離れない。どうやらこの光が邪魔をしているようだ。そうこうしているうちに、光は一層強まり、イサンを扉に引っ張っていく。
「...あ。ダンテ...。」
<ど、どうしたの...力強っ!ち、力自慢といえば...ム、ムルソー!あと必要そうなのは...ファウスト!もうとりあえず誰か来て!助けて!!!>
「ダンテ、引かれ身動き取れず。いかでかせずや?」
光が辺りを包み込み、閃光が視界を埋め尽くす。
周りが見えるようになったころには、扉とイサンは消えており...駆け寄ってくる囚人たちの足音がした。
私はヴェルギリウスに殺されないだろうか、とか、これからどうなるんだ、とか、いろいろなことが頭を埋め尽くしはしたけど...。管理人として心配しなきゃいけないのは、イサンの身の安全だろうね。
胃がキリキリと音を立てた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ガコン、とスイッチが押される。
TT2プロトコル...キヴォトス全体を対象とした巻き戻しが、また行われる。
イサン先生...。きっと、あなたはまた同じ選択をするでしょうけど。
あなたが、あらゆる可能性をあきらめない限り。
翼はまた開くでしょうから。
今は少し、眠っていてください。
導入が終わりました。イサン君には頑張ってもらいます。
以上!