今回の内容は片方の作品しか知らないと言う人にこそよくみて欲しいものですので、両方の作品をよく知っていると言う方は流し読みでも全然問題はないです。
リンバスのアークナイツコラボか終わり悲しみに暮れていたところ、ムルソーを10連で引き当てられたので元気が出ました。マジカルスズミも、レイサも60連で確保できたのであまりの喜びと、ヴァルプルギスで爆死しそうと言う恐怖で夜も寝れません。
「グリスと呼んでくれ」
自己紹介を終え、また一息をつく。今の自己紹介から得られた情報を頭の中で整理する。
(アビドス高等学校と言っていたが...アビドスと言うのはここら辺の地名だとして、ここは学校なのか?)
学校なんて行ったことも、見たこともない。話に聞いたことはあれど、見たのは初めてだった。初めて見る学校に少し不思議な感情を抱いていると、アヤネが、
「えっと...とりあえず状況の確認をしましょう」
と提案する。
「助かる、正直自分がどのような状況に身を置いているのか分からなくてな」
実際、ここがどこなのか、どうして自分は砂漠の真ん中にいたのか何も分からないから、状況を確認してくれるのはとても助かることだった。
"私も助かるかな。アビドスについては何も知らないし"
自分のことを先生と名乗った男も、状況の確認をして欲しいようだった。
「それでは、今日起きたことを整理していきます」
「私達は最近、ヘルメット団と言う集団に学校を占拠しようと狙われていました」
「度重なる襲撃により、銃弾も資源も底に着きそうなとき、連邦生徒会が連邦捜査部シャーレを結成したと言う話を聞きました」
「そこで私達がシャーレに救援要請を出したと言うのが事の「ちょっと待ってくれ」
アヤネが状況を確認しているのを制止する。
「どうしました?」
「えっと...当たり前のように『連邦生徒会』や『シャーレ』と言う単語を使っているが、一体それらはどのような組織なんだ?」
頭に浮かんだ疑問を投げかける。状況を把握しようとしているのに、全く知らない単語が出たら、誰だって質問するものだろう?
「連邦生徒会を知らないの⁉︎」
セリカの驚愕に満ちた声が響く。周りを見ると、口にはしないがセリカと同じく、その顔は驚愕に満ちていた。
「...そんなに驚かれるほど当たり前の単語なのか」
「は、はい...このキヴォトスでは知らない人はいないくらい」
「新しい単語を増やすな...キヴォトスってなんだよ」
「キヴォトスも知らないでどうやって生きてきたのよ...」
セリカがさらに声を発する。皆、信じられないと言う顔をしている。
気まずい沈黙が少し流れた後に
"...ああ"
と先生が声を上げる。
"アヤネ、多分グリスさんは外の世界の人間なんじゃないかな?"
"私がそうであるように"
「成程...それならキヴォトスや連邦生徒会を知らないことにも納得がいきますね」
「ヘイローも付いていないようですしね...」
ノノミも会話に混ざる。どうやら俺が様々な単語を知らないことに納得がいったみたいだ。周りの少女達もその会話の内容を聞いて納得したような顔をしていた。
アヤネが問いてくる。
「グリスさんは外の世界の人間なんですか?」
「おそらく」
『外の世界』の定義がわからないためはっきりとした答えは返せないが、ここがおそらく都市ではないと言うのはなんとなくわかっていた。
到底都市ではあり得ない廃墟の立ち並ぶ光景。普通、ここまでの土地ががら空きならば、翼や指を含めた各種団体がこんなに広い土地を見逃すことはあり得ず、必ず介入してきて、立ち並ぶ廃墟がごちゃごちゃとしたビル達に変わっているはず。だからこそ、ここが都市であるのはおそらくあり得ない。
「それならキヴォトスや連邦生徒会を知らないのも無理はありません」
アヤネが口を開く
「それじゃあこのキヴォトスについて説明しましょう」
「キヴォトスと言うのは、超巨大学園都市です。私たちにとっての世界でもあります」
「このキヴォトスは、数多くの区域に分けられ、アビドスのような多くの学校が分けられた区域を管理することにより成り立っています」
都市が多くの翼が管理する区に分けられている。みたいな話だろうか。そう考えると、よく理解できた気がした。
「そして連邦生徒会と言うのは、このキヴォトスを統括し、管理している組織のことを言います」
「そして、その連邦生徒会により作られたのが連邦捜査部シャーレです」
「なぜシャーレは作られたんだ?」
「連邦生徒会の長、連邦生徒会長は『超人』と謳われるほど優秀な人でした」
「まあ、私たちのことは助けてくれなかったけどね〜」
ホシノが嫌味風に口を挟む。どこも上の組織に対しては、不満が溜まるものなのだろう。
「...その連邦生徒会長が急に失踪してしまったことにより、キヴォトス中には問題が多く起きました」
「その問題を解決するために作られたのが連邦捜査部シャーレです」
「...成程」
連邦生徒会と言うのは、都市でいうところの『頭』のような存在なのだろう。
もっとも、頭ほどの権力はないようだ。
話を聞いていると少し疑問が湧いてきた。
「もう少し質問してもいいか?」
「はい、どうぞ」
「...少し攻めた質問かもしれないが、外郭の怪物や掃除屋はどうしているんだ?」
ここが都市でないのなら、ここは外郭ということになる。アビドスだけでも都市の区と同じくらいの大きさがありそうなのに、それが複数あるということを考慮すれば、キヴォトスは都市と同じくらいの大きさがあることになる。
その大きさのキヴォトスをどうやって外郭の怪物や掃除屋から守っているのかはとても興味が湧いた。しかし、帰ってきた答えは予想だにしなかったものだった。
「えっと、外郭の怪物?掃除屋?と言うのはなんですか?」
「わからないのか?様々な種類がいて、どれも人間を襲ってくるのが外郭の怪物で、とんでもない数がいて、数字の暗号で会話しているのが掃除屋だ」
「...見たことも聞いたこともないですね。皆さんは知っていますか?」
アヤネが他の奴らの方に質問する。
「聞いたことないわよ」
「ん、聞いたことない」
「私も聞いたことがないです〜☆」
「おじさんも聞いたことがないかな〜」
"私もないかな"
皆、一様に否定の言葉を並べる。どちらも、一生を都市の中で暮らしたとしても、話くらいは聞いたことがあるばずの物なのに聞いたことがないと言うのは少しおかしい。嫌な予感がする。より多くの質問を投げかける。
「...じゃあ、都市は?翼は?巣は?裏路地は?特異点は?何か一つでも聞いたことはないか?」
全ての質問に対し、皆は首を横に振るだけだった。
「...はあ」
都市からキヴォトスと言うよくわからない場所に瞬間的に移動している時点で気づくべきだったのだろう。
「俺はどうやら」
「世界の裏側か、異世界にでもきてしまったようだ」
内容が全く進んでなくて泣きそうです。次回で少し進めるかな。
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