(パ・リーグ、ロッテ2-3オリックス、2回戦、オリックス2勝、3日、ZOZOマリン)白球が幕張の雨を切り裂き、右中間を抜けていく。プロ初先発のオリックスD1位・麦谷祐介外野手(22)‖富士大‖が三塁上でガッツポーズを繰り返し、感情を爆発させた。記念すべき初安打初打点となるタイムリー三塁打でチームの3連勝に大きく貢献した。
「『三度目の正直』という言葉があるように、絶対に決めてやるという気持ちだった」
プロ初打席の二回は1死満塁で二ゴロ、好機で迎えた四回も空振り三振。背水の覚悟で臨んだ六回の3打席目は2死二塁で3番手・横山の直球にファウルで食らいつき、最後は151キロを強振した。先制となるプロ初適時打がようやく出て「チームに点が入ったことがうれしかった」と笑顔。同点に追いつかれた八回には先頭で四球を選んで西川が決勝打。チームは3連勝を飾り、日本ハムと並んで首位に浮上した。
同学年で同じD1位入団のロッテ・西川(青学大)、楽天・宗山(明大)はともに開幕戦から先発し、全試合で安打を記録。「すごいな」と刺激を受ける一方で「同級生の2002年度生まれの世代をもっと盛り上げたい」と力を込めた。
B組(2軍)スタートだった2月の春季キャンプでプロの洗礼を浴びたことが成長につながった。実戦形式の練習で同僚の椋木の直球をとらえきれず「来る場所を間違えた」と意気消沈。レベルの違いを痛感し、壁にぶち当たった。一時期は「自分を見失っている」とも漏らしたが、岸田監督から「小さくなるなよ」と背中を押され、前を向くことができた。「監督からの言葉が大きかった」。3月のオープン戦では打撃コーチらの助けを借りながら試行錯誤し、この日の晴れ舞台で努力が結実した。
「もっと結果を出して、いろんな人に恩返しできるように。夢や感動を与えていきたい」
記念球は地元・仙台の両親にプレゼントする予定。スター性を感じさせる活躍を見せた黄金ルーキーが、鮮烈なデビューで力強くスタートを切った。(織原祥平)
■麦谷 祐介(むぎたに・ゆうすけ)2002(平成12)年7月27日生まれ、22歳。宮城・仙台市出身。楽天のスクールで野球を始め、袋原中では東北楽天リトルシニアでプレー。群馬・健大高崎高に進学し、1年冬に宮城・大崎中央高に転校。甲子園出場はなし。富士大ではベストナインを3度受賞。昨秋の北東北大学リーグ戦では優秀選手賞、最多本塁打など複数タイトルを獲得。25年D1位でオリックス入団。契約金9000万円、年俸1500万円。180センチ、81キロ。右投げ左打ち。背番号「8」