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朽木様より可愛いドロシーちゃんをいただけました!
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真機楼様よりユウキちゃんを頂きました!
ありがとうございます(めそらし)
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まったく女子高生というのは主人公ちゃんに厳しいですね!
私服のFAもいただきました~!
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こちらは学生服のモブくんです
手袋は遅れてきた厨2かな?
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oota様より忙しいジグ部長のFAもいただけました!
みなさまいつもありがとうございます!
メインデッキをシャッフルする。
ファローシャッフルを三回。
カットを行ってからセットする。
ライフデッキをシャッフルする。
ファローシャッフルを二回、こちらはカットを二回。
そしてセット。
目の前の少女もほぼ同時に終わった。
同じシャッフルをして。
「……シャッフルが上手くなったね」
「……たくさん練習しました」
最初の時はカードを扱うのもたどたどしかった初心者だったのに。
たった数ヶ月で淀みなく、視線も向けずに出来ている。
「ボードになら自動シャッフルがあるからしなくてもいいのに」
「そうですね」
「シャッフルまで真似なくてもいいんだよ?」
「カッコよかったんです」
「そっか?」
「シャッフル。スムーズに出来たらカッコいいじゃないですか」
「そうだね、うん、そうだ」
シャッフルは出来たらカッコいい。
TCGを始めた時はわりとそんな動機で触れることもあるもんだ。
そのあとの迷いのない並べ方、切れのいいプレイ宣言、まるでマジシャンみたいだなんて思ったこともあったっけ。
LifeでもないTCGだったけれど。
「ゲームなんだ。楽しく、かっこよく出来たらそれだけで十分だ」
「はい。今日のはただのゲームです」
立ち位置を調整する。
展開したバトルボードが重い、その重さが少しずつテンションを上げてくる。
「ファイトのアンティは?」
嵌め直した手袋越しに右手を握りしめる。
握りしめて、開いて、また握る。
「私が負けたなら二度と近づきませんし、話かけません。顔を合わせたりとかも出来るだけ努力します、さすがに登校時間とか知らないので回避は頑張りますけど」
「偶然はしょうがない。手札事故みたいなもんだし、で。君が勝ったら?」
「話をさせてください」
「どれぐらい?」
「貴方が席を立つまで」
「おっけー」
都合のいい。
僕にとって都合の良すぎる条件だ。
メールで提示されたドロシーからの条件の提示。
本来なら問答無用でお断りしてもいい、ある意味僕にはそれをしてもいい道理があった。
けど。
――だって後味が悪いことをしたら、しんどいじゃないですか。
後味が悪くなる。
だから、受けた。
「そろそろやろうか」
「はい、やりましょうか」
ジャッジの店長に目を向ける。
頷いたのを見て、息を吸った。
「レディ……」
お互いに手札を引き抜いた。
――手札はまあまあ。
キープでいいか?
「マリガンします」
なにっ。
天儀の発言に耳を疑った、まさか事故った?
この世界のファイターが……いや、あの顔は。
「こちらもマリガンします」
手札に満足をしていない。
なにか充実した手札であるべき動きを求めてる顔だ!
手札五枚をメインデッキに重ねてオートシャッフル。
「……手札が悪かったんですか?」
シャッフルが終わるまでの間に発せられる、天儀の質問。
「さて、君は?」
はぐらかす。
「悪くはなかったです。けど」
「けど?」
「貴方を倒すのには少し不安でした、だから」
シャッフルが終わる。
――お互いに5枚引き抜く。
そして、1枚。マリガンをした回数分の枚数をメインデッキのボトムに戻す。
「キープ。これで行きます」
「キープ。受けてたとう」
バトルボードが点灯した。
「僕のターンから始める」
僕の先行。
「レディ・アップキープ・ドローフェイズ、ライフカードを2枚ドロー。土地をセットして」
引き抜いたライフカードを横向きにチェック。
土地をセットしながら、クリーチャーカードを手札から一枚引き抜く。
「<受粉ゴブリン>をプレイ、通りますか?」
「通ります」
「では召喚して、ターンエンドです」
3積みしている
「私のターンです」
思考するなら相手のターンに八割終わらせればいい。
迷いのないように見えるプレイは、相手の時間を奪うことにも繋がるから。
「レディフェイズ、アップキープフェイズ、ドローフェイズ。メイン・ライフドローします」
スムーズなドロー。
そして、進行管理。
教えた時のままだった。
「土地をセット。ターンエンドです、ゴー」
ん?
「僕のターン」
特に手札を確認せず、土地セット、エンドしたな。
軽量カードがなかったか、あるいはエンドフェイズに唱えてくるか。
「レディ、アップキープ」
「ストップ」
天儀の細い手が上がったので、止める。
「はい」
「アップキープフェイズに、1コスト支払って瞬間魔法<沈黙>をプレイしたいです。通りますか?」
沈黙?
どんな効果だったっけ――……1コストのちんもく?
「……ッ、コヒュ」
僕の息が止まった。
◆
「モブさんの動きが止まった?」
茂札くんがビタリと不自然な動きで止まったのが見えた。
わかるよ。
「なんで貴女達、お腹抑えてるの? トイレいく?」
「ちゃうねん、ちょっとトラウマが」
「胃痛が……」
胃が痛い。
いや幻痛なのはわかってるが、ドロシーのあのカードだけでも本当にお腹が痛くなる。
「――……土地をセットして、エンドします」
数秒。
たった2秒ぐらいで復帰して、茂札くんがターンを終えた。
復活が早い。
あの沈黙からして効果を理解したのだろうに、やはり彼は強いな。
「? 3コストもあるのに、動かなかった?」
「あの瞬間魔法の効果?」
常連客の少女――紙浄ちゃんと店員さんが首を傾げる。
姉妹みたいで仲良しだなぁ。
「沈黙の効果は単純だよ。相手ファイターを1人指定して、このターン
説明要求をしなかったために省かれた内容を、ぼくが答える。
リナ、君もジュース飲んでお腹なだめてるんじゃない。
「ターン使えないって……それだけ?」
それだけだよ。
それだけで、うん。
「うっわ」
店員さんが声を漏らした。
よくみればわかるぐらいに微かに眉を曲げて、顔をしかめている。
「1コストで、それってエグいカードだね」
「? エグい?」
「修行が足りないね、ユウキは」
「なんでさ!」
「――ドローフェイズ。土地をセットして、ターンエンドです。ゴー」
あ、ドロシーのターンが終わった。
これで土地2枚かぁ。
「1ターン、カードを召喚出来なかったらどうなると思う?」
「? えーと、土地とかはセットだから出来るし、魔石もセットだから平気だよね」
「そうね、ただし秘宝とか魔法は使えない。あと呪言も手札からのプレイに当たるから」
「既に出てるカードの起動とか、殴るぐらいは出来る?」
「そうね」
「あの沈黙は【明願】――アップキープフェイズにプレイすることで得られる追加効果がある、
「えっ」
ぼくからの補足。
瞬間魔法なのに使うタイミングがアップキープ、それに制限を得ることによって追加効果を得るキーワード能力がある。
それに何の枷にもならないことがわかっていておいて。
「それって……ターン丸々セットとかするだけでなんもかわりませんよね?」
「そうだね」
そうだよ。
本当にそれだけで、うん。
「……なんか嫌な、激しく嫌な予感するんだけど、これ気の所為じゃないよね」
「少し賢くなったね、よしよし」
「ば、馬鹿にされてる!」
仲良しだなぁ。
「序盤、先行とかでの2ターン目でぶっぱされたら先行取れたアドなくなるねん」
「だね」
「? アドって、土地とかは置けるんですし」
「自分でファイトする時のことを考えて、想像してみて。序盤の2ターン目の展開と、手札が尽きそうな時の10ターン目とかのターンに、どれだけ価値の差があるか」
淡々と、聞き取りやすい声で店員さんは言った。
「強いタイミングで使うカードこそ強いカードだ」
「それモブさんの口癖じゃあ、あみゃみゃ」
「私が言っても様になるからいーの」
「おお、ほっぺが可愛いことになっとるー」
フレンドリーなお店だなぁ。
ん?
「あのカードは」
◆
現時点を持って最大警戒だわ。
僕の記憶にある限り、あのエンジェルハウンドのデッキは撹乱アグロ……にしたかったミッドレンジ。
そんなデッキだった。
「僕のターン」
あのデッキに<沈黙>が入るか?
入るかといえば入るし、汎用カードとしても悪くはない。
「レディ、アップキープ、ドロー」
しかし、あれは打ち消さない。
ターンを引き伸ばす、延命にしかならない。
「メイン・ライフ、ドロー」
今は2土地、受粉で1コス、合計3コスト。
土地を出せば合計4コストまで動ける。
天儀の目を見る。
彼女は真っ直ぐにこちらを見ていた。目は少しだけ合うが、それも瞬き程度。
視線はこちらの手札に向けられている。
……枚数を数えているな。
「ふぅ」
笑みが浮かびそうになる。
「土地2枚をステイして2コスト生産」
ギアが回る。
「プレイ」
テンションがジリジリと弱火で上がってくる。
「クリーチャー<角笛吹きオグル>を召喚したいです。通りますか」
「ッ、……オグル?」
「通りますか?」
カードがわかったのだろう。
目を瞬きして、それから天儀は頷いた。
「通ります」
「では<角笛吹きオグル>が召喚されます」
オグルのカードをセットし、バトルフィールドに光が灯る。
そこに現れたのは不格好で、大きく削り出しただけの角笛を手に握った巨漢のオーガ。
未だ未熟な角笛吹きオグル、2コスト2/2のクリーチャー。
「土地をセットして、受粉ゴブリンと共々ステイに」
「オグルの効果……は!」
「オグルの効果が発動」
彼が下手っぴな笛を吹き鳴らそうとして、顔を真っ赤にふーふーと下手っぴな音を鳴らしている。
「――オグルが召喚された次のクリーチャーカードの、コストは1軽減される。プレイするのは<滑り舌のランバート>」
カードをセット。
目の前の天儀を見る。
確認する。
「通りますか?」
「通りません。ランバートに対して、瞬間魔法<反応解呪>で打ち消します!」
「打ち消されました」
光が灯って消える。
まだまだ下手っぴなオグルの肩を叩く、あるいはヤジをつける仲間は現れない。
――ランバートの効果でのルーターのコスト踏み倒しは出来ないか。
だが
「これで僕はターンエンド」
たった二枚。
しかし、次のターンも
「……そのデッキ」
天儀の声。
その目は真っ直ぐに僕を見ている。
睨みつけるように、けれども焦らずに、少しだけ口元を噛み締めて、前は見ている。
「
僕のデッキを見ている。
「さてね」
答えはしない。
何故なら断言をしたら嘘になるから。
ゲーム中に勘違いをさせるぐらいならばテクニックだろうが、はっきりとルールで、カードで嘘を付くのは違反だ。
「ただ」
だからこう答えた。
「
この世界にはいない。
大好きだった音楽バンドになぞらえて、それをモチーフにしてるだろうカードたちを。
「【マイ・フェアリー・キング】」
奏でてやれるか。
俺に出来るか。
まあ試してみるか。
想像が正しければ――目の前の少女はもはや素人ではない。
「君が彼らを憶えているならば簡単さ、戦いやすいだろう、切り抜けてみろよ」
手袋を嵌めた右手で、指を鳴らす。
彼女の戦い方が俺の推測どおりならば。
「戦慄の王女様」
こう呼ぶしかないだろう。
――パーミッション使い。
ゴードンの家にはヘンテコな形をした岩がたくさん転がっている
冬を越すたびに一つ、また一つを増えていくんだ
――ごつごつ岩のゴードン