傍に立つ君は完璧で究極のアイドル   作:カミキヒカラナイ

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うおおおおおお!! NIGHTREIGN神ゲー!! NIGHTREIGN神ゲー!!
プレイが下手すぎて毎回「俺は……夜渡りのお荷物です……ッ」ってなるけど、だからこそ仲間と一緒に夜を越えられた時の達成感がヤバすぎてクセになる!! 楽しすぎて当分他のゲームが手につかねぇぜ!!

……なに? ゲームにハマりすぎて小説投稿が疎かになっている? ただでさえ遅筆なのに更に酷いことになっているだと?
一般読者は黙っていろ! ここは私が趣味でやってる小説である! 正規の投稿者とはやり方が違う! 前回から一ヶ月経ってないから許してください何でもしますから!



37.高千穂

 宮崎県高千穂(たかちほ)町。それは天孫降臨(てんそんこうりん)神話や天岩戸(あまのいわと)神話など、古事記や日本書紀に記された数々の伝説の舞台となった歴史ある地である。

 そういった神話に(ゆかり)のある地や神社が数多く点在する背景から「神話の古里(ふるさと)」として知られ、観光地としても有名な高千穂だが、星野アクアにとっては多くの因縁ある土地だった。

 

 前世である雨宮(あまみや)吾郎(ごろう)が生まれ、死んだ地であり……そして星野アクアとして生まれ変わった場所でもある。

 長じて産科医となった彼が勤めた宮崎総合病院。難病により短く儚い生を宿命づけられた少女と過ごした日々。星の瞳を宿したアイドルの少女との衝撃的な出会い──そして不可解な死と転生。思い返してみれば、アクアの前身たる男は何とも数奇な人生を送ったものだった。

 

 アクアを取り巻く運命の全てはこの地から始まったと言っても過言ではない。そこにまた足を踏み入れることに、アクアは感慨深いものを感じざるを得なかった。

 

「いらっしゃい高千穂へ! 私は映像Dのアネモネっていいます」

 

 宮崎空港からミヤコの運転する車に揺られて高千穂までやって来たアクア達を出迎えたのは、アネモネ・モネモネと名乗る黒髪の女性だった。

 彼女こそ今回の宮崎旅行の切っ掛けとなった人物である。インスタグラマー兼映像クリエイターの彼女はMEM(メム)ちょの友人であり、その(つて)でこの旅行の主目的である新生B小町のMV撮影を請け負ってくれることになったのだ。

 

「アネモネー! 久しぶり!」

「いえー! MEMちょおひさあああああああああ!?!?!?」

 

 だがMEMちょが旧交を温めるべく笑顔で駆け寄った瞬間、その姿を間近で目にしたアネモネは奇声を上げながらひっくり返った。

 見た目が今風のクリエイターらしい洗練された容姿の美人だっただけに、その奇行にMEMちょ含む一行は目を丸くして驚いた。

 

「な、なになにどうしたの? 急にズッコケたりして、リアクション芸人に転向した……?」

「……どうしたはこっちのセリフじゃい!」

 

 ガバッと立ち上がったアネモネは突如としてオロオロするMEMちょの両頬に手を伸ばした。手の平で挟み込むようにして頬を圧迫されたMEMちょの口から「むぎゅっ」という間の抜けた声が漏れる。

 

「ふ、ファンデの感触がほとんどない……つまり地肌……なのに何なのこの手に吸い付くようなもちぷるツヤツヤタマゴ肌……! まるで恐れ知らずだったあの頃(JK)の……否、それ以上……過ぎ去った栄光(JC)レベルの肌年齢……! ウ、ウソでしょ……こ、こんなことが……こ、こんなことが許されていいのか……!?」

 

 戦慄に声を震わせるアネモネを見て、有馬とルビーは「あー……」と得心と共に顔を見合わせる。

 

 今頃は東京でマジックショーに出演しているであろうシオンから「霊能マッサージ」なる怪しい施術を受けた新生B小町の三人は、今や美容面においては人類最強レベルにある。元からアイドル業界……否、芸能界全体で見ても平均以上の容姿レベルだった彼女らは、シオンという究極生命体(アルティミット・シイング)から生命エネルギーを分け与えられたことによりもはや手のつけられないことになっていた。

 髪の毛は櫛を入れずとも常に艶々サラサラで枝毛など皆無だし、今し方アネモネが指摘したように空気が乾燥するこの時期であっても肌はシミや荒れとは無縁の潤いと透明感を保っている。あり余る体力は疲労や寝不足といったバッドコンディションを寄せ付けず、老化や病気すらその身を脅かすことはない。むしろ若返る始末で、元々十代であった有馬とルビーは別として、既に二十五歳であったはずのMEMちょなど百人中千人が現役JKだと断言するレベルの若々しさである。

 

「えーと……本日よりうちのアイドル達がお世話になります。苺プロ代表の斎藤ミヤコと申します」

 

 MEMちょの頬をグリグリしながら「吐けー!」「その美容の秘訣はなんだー!」と騒ぐアネモネに苦笑しながら話し掛けるミヤコ。流石に取引先の社長に声を掛けられたことで我に返ったアネモネは、ハッとMEMちょから手を離すと居住まいを正してミヤコに向き直る。

 

「も、申し訳ありません! お忙しい中わざわざこんな田舎に来ていただいたというのにご挨拶もせずずずずずずず」

「!?」

 

 だが、冷静でいられたのはほんの一瞬だった。正面からミヤコの顔を目にしたアネモネはまたしても発狂した。

 

「五倍以上のエネルギーゲインだと!? あり得るのか、こんな肌ツヤが……!」

「えっと……アネモネさん?」

「ええぃ! 東京の女は化け物か!」

 

 MEMちょの紹介があったとはいえ、アネモネは当然取引先相手のことは調べていた。女だてらに中堅規模の芸能事務所を切り盛りするやり手の女社長。立場を鑑みれば十分若いが、それでもその年齢は既に四十代半ばだったはずだ。

 

 それが蓋を開けてみればご覧の通りである。生まれてこの方紫外線を浴びたことがないのかと疑いたくなるほどに白く透き通った肌に、キューティクルの整った艶やかでサラッサラな亜麻色の髪。長い睫毛に縁取られた瞳は美しい琥珀色に輝き、その目尻には小ジワ一つとして存在しない。総じて年齢を微塵も感じさせない若々しさに満ちており、何も知らない者が彼女を指して二十代だと言われれば何の疑問も抱かず信じてしまうだろう。

 だが、彼女には二十代ではあり得ぬ成熟した女性ならではの艶やかな色気があった。女性らしい起伏に富んだしなやかな身体つきに、若々しく美しい容貌。そして外見から窺える若さとは相反する、落ち着いた佇まいの中に香る大人の色香。乙女の瑞々しさと妙齢の艷麗さを併せ持つミヤコには、ルビー達の持つ若さ故の可憐さとはまた異なる魔的な美しさがあった。

 

 これが度重なる霊能マッサージという名の生命力譲渡により遂に完成を見た斎藤ミヤコEXの現在だった。芸能人として大成することこそなかったものの、元々その容姿だけである程度食べていける程度には優れた外見の持ち主だった彼女の美貌は、シオンという超越者の手により限界突破。顔を晒して街を歩けば必ずと言っていいほどナンパかスカウトマンに声を掛けられるレベルである。

 養母としてアクアとルビーを健やかに育ててくれたこと、そしてアイにとっては第二の家とでも言うべき苺プロをたった一人で守り続けたこと。ミヤコはアイにとって恩人であり、アイの恩人とは即ちシオンにとっても恩人である。シオンとアイの依怙贔屓によって念入りに生命エネルギーを与えられた今の彼女は、女性として……否、もはや一個の生命体としての極点に達していた。

 

 そう──今のミヤコは、新生B小町の三人よりも(物理的に)強い。

 それをアーティストとして培った鋭敏な感受性を以て察知したアネモネは、その突出した容姿と、何より肌を焼くかの如くに放射される溢れんばかりの生命力の奔流に圧倒された。

 

 何なのだこれは。何なんだこの集団は。ビジュアルの暴力が東京から殴り込んで来やがったぞ、者ども出会え出会え!

 端的にアネモネは正気ではなかった。現役アイドルである三人の容姿レベルが高いのは想定の範疇だったが──それにしても旧友の劇的ビフォーアフターには度肝を抜かされたが──まさかそこの社長がそこらの女優が裸足で逃げ出すレベルの容姿を引っ提げて現れるなど青天の霹靂もいいところである。

 

 だが、それでも彼女はまだ冷静さを残していた。生命体としての格が異なる面々に包囲され混乱の極みにありながらも、仕事人としての責務を放棄することなく理性を保っていたのだ。

 彼女に自我を保たせていたもの……それはMV二本撮りという大仕事を遂行するという使命感、そして余裕のないスケジュールに追われる焦燥感だった。

 

「それじゃあ早速衣装に着替えてスタジオに入ってもらいましょう!! 今回はMVの撮影二本ありますんでね!!! スケジュール詰め詰めなんでね!!!!」

「え、ええ、はい……よろしくお願いします……?」

 

 謎のテンションでB小町を急かすアネモネ。そうでもしなければ正気を保てなかったとも言う。

 

「アイドル四名様ご案内!!!!!」

「四名!?」

「B小町は三人グループだよ!?」

 

 何とも前途多難を思わせる邂逅だった。一人蚊帳の外にあったアクアは苦笑しながら騒がしくスタジオに向かう彼女達の後を追うのだった。

 

 

 一方その頃、シオンは炭を握り潰してダイヤモンドを作っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、B小町の面々は外ロケを行うべく車に揺られていた。

 初日はダンスパートや日常イメージの収録に費やし、続く二日目は屋外のロケーションでのイメージ映像やダンス風景の撮影という段取りになっていた。幸いにして天候に恵まれ、冬場特有の透き通った空気に程よい陽射しが差し込み、まさに撮影日和と言ったところ。

 

 そして車を降りた有馬は、早速とばかりに真冬の冷たい川に浸からされていた。キンキンに冷えてやがるぜ。

 

「寒い寒い寒い!! 早くタオル寄越してタオルーーー!!」

 

 キャッキャウフフと水と戯れていた有馬だったが、如何な超人とはいえ真冬の水の冷たさは堪えるのか、撮影が一区切りついた途端必死の形相で川から飛び出した。

 その際明らかに水面を走っているように見えたためその場にいた撮影スタッフは揃って目を擦り二度見したが、目を開けた時には既に岸に上がっていたため真相は分からなかった。

 

(うーん……やっぱりこの子推せるなぁ)

 

 一晩経って完全に冷静さを取り戻したアネモネは、一連の撮影を鑑みてそのような評価を有馬に下した。

 

(MEMはせっかく顔が良いのに、どこか一歩引いてて遠慮を感じる。そうなると個性もケレン味も出てこない。対して有馬ちゃんは自分の魅力を見てもらおうと必死──)

 

 これはアイドルに限った話ではないが、観客(オーディエンス)とは演者(パフォーマー)の発信する魅力を受動するだけの存在だ。必然、発信する側がその魅力を発揮しきれなければファンの心には届かない。だから一歩引いてしまっているMEMちょよりも「私を見ろ」と積極的に前に出る有馬の方が魅力的に映るのだ。

 その旺盛な自己主張が刺さるか否かはそれこそ人によるだろうが、より広範にファンの心を掴むのは圧倒的に有馬だ。そもそもアイドルとは己の“可愛さ”を積極的にアピールしないことには始まらない。この場合の可愛さとは容姿のみにあらず、その振る舞い全般……つまりアイドルとしての個性そのものを指す。

 

 グループの最年長として協調性を重視するMEMちょと、センターとしての能動性を重視する有馬。どちらのスタンスが優れているとは一概に言えるものではないが、一人のアイドルとしてどちらがより魅力的であるかを論じるならばやはり後者に軍配が上がるだろう。

 

(MEMももっと前に出ればいいのに)

 

 親友としてその魅力と為人(ひととなり)を知るからこそ惜しいと思う。自我を出すことイコール協調性を乱すことではない、ということを理解できれば彼女はもっと伸びるだろう。有馬とて協調性を蔑ろにして自己主張しているわけではないのだから。要は匙加減の問題である。

 

(まあ、その匙加減ができるからこそのセンターなんだろうけど。やっぱり年齢イコール芸歴の人間はそういう経験値を要求される場面強いわよねー。流石に踏んできた場数が違う)

 

 友人を贔屓したい思いはあるが、仕事に私情を持ち込むことはしない。アネモネは商業クリエイターである。有馬かなこそがセンターであり、立場相応に魅力的であるというのならそのように映像を作るまでだ。

 

(……で、問題は最後の一人。星野ルビー)

 

 有馬の後に続いて川に足を入れ悲鳴を上げている少女を見て、アネモネは思わず込み上げてくるものを飲み込んだ。

 

 ルビーを見て思うことはただ一つ──彼女には個性がない。

 

 ビジュアルは三人の中でもダントツだ。可愛さのベクトルが異なるため安易に比較はできないが、アネモネ個人としては今を時めく国民的アイドル「不知火フリル」と並べても見劣りしない……どころか上回る美貌だと思っている。

 

 陽だまりのような金の髪は日光を浴びてキラキラと輝き、星を散りばめたような瞳はその名の通り宝石を思わせる紅玉(ルビー)色にきらめいている。魅惑的……あるいは蠱惑的というのだろうか。ルビーには思わず視線を吸い寄せられるような不思議な引力があった。誰もがその紅を帯びて輝く星色の瞳から目が離せなくなるだろう。

 そして気付く。妖しさすら感じさせる神秘的な顔立ちとは裏腹に、彼女の表情は実にコロコロと変わるのだ。喜怒哀楽がはっきりとしており、感情の色が咲き乱れる花のように表情を彩る様は見ていて飽きない。生来の童顔(ベビーフェイス)である有馬とはまた異なる魅力だ。無表情でいる彼女は驚くほど大人びて見える。しかし幼気(いたいけ)な子供のように稚気に満ちた表情が顔立ちとは相反する色を帯びさせ、それが不思議な魅力となって彼女の個性たらしめていた。

 

 まさに偶像(アイドル)となるために生まれてきたような少女である。ただ自然体であるだけでルビーは人々を魅了し、無自覚にファンを増やしていく。

 

(──だからこそ()()()

 

 自然体のままで誰よりもアイドルらしい彼女は、しかしその実、己の個性を押し殺して“アイドル”を演じていた。

 恐らく自覚はないのだろう。そして周囲の人間も気付いていない。これは第三者であり、商業クリエイターとして種々様々な歌手、俳優、タレントを見てきたアネモネだからこそ気付いたことかもしれなかった。

 

 ルビーの演じるそれは、まさに教科書通りな“アイドルのスタンダード”とでも言うべきものだ。それも“完璧な”という枕詞がつく水準の。

 きっとルビーには絶対的な手本、あるいは憧れとでも言うべき“誰か”がいたのだろう。そしてその“誰か”には、模倣であってもなお失われぬアイドルとしての()()があったのだろう。教科書通りの振る舞いで十分以上に魅力的な、アイドルのスタンダードを極めたような存在……それこそ、ルビーの中のアイドル像に決定的な固定観念を植え付けるほどの。

 

 教科書通りという表現はネガティブな意味で使われることも多いが、定石というものはより普遍的で効果的だからこそ定石と呼ばれるのだ。あまりに画一化されすぎて昨今のアイドル戦国時代においては差別化が難しくなるため忌避されがちなだけで、奇を(てら)わずとも教科書通りの振る舞いで十分魅力的に映るならばそれに越したことはない。それこそはある意味でアイドルとしての理想像だと言えるだろう。

 

 問題は、アイドルとしての定石をなぞるだけで他と差別化を図るにはまだまだルビーには地力が足りていないことだ。

 時間の問題ではあるのだろう。ルビーは人間としてもアイドルとしても未だ成長の途上にある。だがアイドルの旬というものは非常に短く、競争も激しい。今の時代、気を抜けば雨後の筍のように次々と新たなアイドルが生まれ、流行は川の流れより早く移ろいゆく。のんびり成長しきるのを待っていられるほど余裕のある業界ではないのだ。アイドルとして完成した時にはとっくにグループそのものがオワコン状態でした、ではお話にもならない。

 

(もどかしいなぁ……)

 

 だが、アネモネは所詮部外者。それを指摘するのはお門違いというものだ。それに、今の時点でも別に魅力的でないというわけでもない。このままでもいい線は行くだろうし、ルビーの成長曲線次第ではアネモネの予想を超えて早期に完成しブレイクする可能性もある。

 それでもやはり一人のアーティストとして惜しいと思わずにはいられない。現状においてはルビーは折角の魅力的な個性を殺してしまっている。アイドルとして振る舞っている姿より素の振る舞いの方が魅力的に映るという本末転倒な状況に、アネモネは内心忸怩(じくじ)たる思いを抱かずにはいられなかった。

 

(もし私がその辺に口出しできるなら、ルビーちゃんにはもっとミステリアスな感じで行ってもらうんだけどな〜……他二人がかなり可愛い系というか典型的なロリポップな芸風だから、逆にその美人系な外見を活かす方向で……子供っぽい内面とのギャップを出す感じ? むしろ一周回ってダークな路線でもイケると思うんだよね〜! 天真爛漫なあの娘からふと覗く闇っていうの? そーいうの私好きだなー!)

 

 そんなことを内心で思いながらも、アネモネは己の領分を弁えていた。自社のアイドルをどのようにして売っていくかを決めるのは社長あるいはアイドル自身であって、部外者が横からあれこれ口出しするものではない。

 結局、その日は無難にアイドルらしい映像を撮って終わった。とはいえ、三人とも素材としては極上も極上の逸材だ。このビジュアルが歌って踊る映像だけで再生回数一万以上は堅いだろう。MVの完成度次第では十万以上も見込めるはずである。アネモネのモチベーションは高かった。

 

 初日に引き続き二日目の撮影も(つつが)なく終了。これといった機材トラブルもなく、本人達も体力があり余っている様子で終始ピンピンとしている。微塵も疲労を感じさせることなく、三人はスタジオへと向かう帰りの車内で和気藹々と会話に花を咲かせていた。

 

 故にそれは宿へと向かう道の途中で起こった。

 十八歳以上であるため二十二時以降も労働できるMEMちょと付き添いのミヤコを除く三人……有馬、ルビー、アクアの三人は青白い月が見下ろす中を帰路についていた。虫のさざめきもない冬の夜道である。葉擦れが微かに響く以外に音のない夜の静寂(しじま)を行く三人の前に──

 

 一羽のカラスが立ち塞がった。

 

「カァー」

「あっ、カラス! かわいー!」

 

 道のど真ん中にたった一羽で佇むカラス、という中々に謎な状況にもかかわらず、ルビーは全く警戒した様子もなく呑気に近付いた。

 とはいえそれも(むべ)なるかな。今のルビーはたとえ現れたのがカラスではなくブチハイエナの群れだったとしても仔犬扱いできる程度には超人である。たかが鳥一羽に警戒感を抱けという方が無理な話だった。事実として身構えたのはアクア一人であり、同じく超人たる有馬は気にした様子もなく成り行きを見守っている。

 

「知ってる先輩ー? 鳥目って言って、鳥は夜だと全然目が見えないんだって!」

「馬鹿ねルビー、それはニワトリの話よ。カラスはフクロウと同じぐらい夜目がきくんだからこの時間に活動しててもおかしくないわ」

 

 ああ、そういやコイツらもうまともな人間じゃないんだったな……という目で後ろから見てくるアクアの視線に気付くことなく言葉を交わす超人二人。かく言うアクアもよく鍛えられたアスリート並のパワーはあるわけだが、流石に生身で猛獣と渡り合えるような奴らと比べられるものではなかった。

 

 その時だった。しばらくやいのやいのと騒ぎ立てるルビーと有馬の様子を伺っていたカラスが突如としてギラリと目を光らせる。次の瞬間、それまでの大人しい様子が嘘のように機敏に動き、ルビーの手元を狙って(くちばし)を突き出した。

 狙いは一つ──彼女の手に握られている宿の鍵……!

 

「あっ、こら! ダメでしょイタズラしちゃ〜」

「カァ゙ー!?」

 

 が……駄目っ……! 鳥畜生とは比べ物にもならない動体視力と反射神経で易々とその動きを見切ったルビーは、ひらりと腕を動かしてカラスの(ついば)み攻撃を回避した。

 

「危ない危ない! 家なき子になるとこだった!」

「やっぱりカラスだから光り物が好きなのかしら?」

「……このカラス明らかにこっちの隙を窺ってなかったか?」

 

 チャリ、とルビーの手の中で音を立てる鍵を未練がましく睨むカラスだったが、流石に相手が悪かった。ルビーは膂力と最高速度では有馬に劣るが、瞬発力と動体視力においては三人の中でも随一なのだ。本気を出せば至近距離から発射された銃弾を目で見てから回避することすら可能な彼女を出し抜くのは至難の業である。

 

「カアアアアァァ゙ァ゙ーーー!!」

「え、うわっ!?」

 

 だが、カラスは一羽ではなかった!

 けたたましい鳴き声に呼応し、四方の木陰から飛び出すカラスの群れ……その数百羽以上! 気配を絶ち、物音一つ立てることなく息を潜めていたカラス達が一斉にルビーに襲いかかった。

 ルビーといえど、認識外からの不意打ちとなれば完全に対応することは難しい。それでも五十羽からの一斉攻撃を捌き切ったのは流石だったが、続く残りの半数による波状攻撃を前に遂に守りを突破される。上手く隙をついた一羽のカラスがルビーの手から鍵を奪取し、素早く空に舞い上がった。

 

 刹那、鍵を奪われたことを認識したルビーの目の色が変わる。星の光を湛えた左目が狩人の眼光を宿し──次瞬、目にも留まらぬ速度で両腕が鋭く閃いた。手刀の形にされた繊手が縦横無尽に虚空を切り裂き、回避不能な斬撃の檻を形成。射程圏内に存在する全ての対象……実に八十羽近い数のカラスをその檻に捕らえ、手刀(峰打ち)で以て地に叩き落とした。

 だが、肝心の鍵を奪った一羽は既に射程圏外に退避した後だった。悠々と飛び去っていくカラスの後ろ姿をルビーは“狩る者の目”で睨んだ。

 

FATALITY(野郎ォぶっ殺してやる)……!」

「最近妹がこわい」

 

 殺意満々で肩を怒らせるルビーから静かに距離をとるアクア。知らぬ間に妹は遠いところに行ってしまった。現役アイドルの姿か、これが?

 とはいえ、どれだけ化け物じみた身体能力をしていようと妹は妹。これが万が一にもどうにかなるとは思わないが、兄として放置することは(はばか)られた。アクアは躊躇なくカラスを追って駆け出したルビーの後に続こうとし、その前に有馬を振り返って口を開いた。

 

「悪い、先に宿に戻っててくれ。それでもしメム達が帰るまでに俺達が戻らなかったら事情を説明しといてくれ」

「ち、ちょっと、それならアンタが行くより私が行った方が早──」

 

 だがその時、突然(もや)がかかったように有馬の思考が鈍る──背後の木陰から一羽のカラスがジッと有馬を凝視していた。

 

「…………そう、ね。分かったわ。メムとミヤコさんには私から説明しとく」

「悪いな、頼んだ。なるべく早く戻るよ」

 

 どこか呆然とした様子の有馬に気付くことなく、アクアはルビーを追って駆け出す。

 二人には及ばぬとはいえ、アクアの身体能力も舞台での一件によってそれなりに強化されている。加えて前世の記憶によりこの辺の土地勘があることもあり、草木を掻き分けつつ駆けるその足取りに迷いはなかった。

 

 ……冷静に考えれば、彼らはこの状況の異常さに気付けたことだろう。

 百羽以上ものカラスがこんな夜中に群れを成していること。それが組織的に動きルビーの持つ宿の鍵を狙ったこと。そして、まるで先導するかのようにルビーの視界から外れないよう低空を飛んで移動するカラス。

 

 だが、誰もその異常を異常と認識できなかった。ルビーは怒り心頭で鍵を奪ったカラスを追うことしか頭になく、アクアはそんなルビーを見失わないよう必死でそれ以外を考える余裕がない。

 

 

 ──そうして、二人の兄妹は導かれるようにして“そこ”に辿り着いた。

 

 

 もはや由来も知れぬ寂れた祠。その裏に広がる空洞には耳障りなカラスの鳴き声が木霊している。

 アクアがようやく追いついた時、ルビーは凍りついたような表情で空洞の前に立ち竦んでいた。

 

「……ルビー? どうし──」

「違う」

 

 アクアは訝しげに声をかける。だが、返ってきた声はアクアに向けられたものではなかった。戦慄(わなな)きに震えるその声音には、受け容れ難い現実を拒むような冷たさがある。

 

「違うよ……そんなはずない……だって……」

「ッ、ルビー! そこに何が……!」

 

 明らかに尋常ならぬ様子にアクアは慌ててルビーの元に駆け寄り……妹の背後から見えた光景に息を呑んだ。

 

 それは死体だった。それも白骨死体である。もはや肉の身は欠片も残っておらず、朽ちた白衣の残骸だけが辛うじてその人物の生前の姿を物語っている。

 腐食を通り越して風化している様子から、死体となってから相当時間が経ったものと考えられる。それこそ十年以上の歳月が過ぎたと考えるのが妥当だろう。

 

 アクアはその白骨死体の身元に心当たりがあった。というより、まさにこれを見つけることをこの旅行の中で期待していたのだ。

 

 決定打となったのは、場所と、死体が帯びる白衣とネームホルダーだった。

 

 ここは宮崎総合病院の裏手に広がる森の中。即ち、アクアの前世たる雨宮吾郎が命を落とした場所だ。恐らく崖の上から吾郎を突き落とした何者かがここに運び込んだのだろう。もはや何を祀っていたのかすら定かでないまでに朽ちて寂れた祠の様子からして人の往来は皆無に等しいだろうし、隠し場所としてはお誂え向きだったことだろう。

 

 そして腐食して見る影もなくボロボロだが、確かに彼の身分が医者であったことを示す白衣と──ネームホルダーの中に収められた「アイ無限恒久永遠推し」とプリントされたキーホルダー。こんなものを白衣の下に身につけているふざけた医者など、宮崎総合病院には雨宮吾郎ただ一人しか存在しなかった。

 だが、これはかつて交流のあった少女……天童寺(てんどうじ)さりなから貰った大切なもの。アイが大好きで、吾郎(アクア)にアイの魅力を布教した張本人であり……どうしてかこんな男を慕ってくれていた、十二歳という幼さでこの世を去ってしまった彼女との繋がりを示す唯一のものだった。

 

(そうか、こんな所にいたのか……)

 

 かつて自分であった死体を見下ろすというのは何とも不思議な感覚だった。

 とはいえ、見つけたから何だというわけでもない。吾郎を殺した犯人とアイを殺したストーカーは同一人物だろうし、そうであるなら十二年前にとっくに自殺してこの世にいない。それを教唆した黒幕……アクアとルビーの父親たる男も既に故人であることが判明した。“雨宮吾郎と星野アクアは意識の連続性があるだけの別人である”と定義するアクアにとって、この発見は最後のちょっとした心残りの解消以上の意味は持たない。

 

 だから、不思議なのはルビーの反応だった。ただグロテスクなものを目にして狼狽しているのとは様子が違う。白衣に縋り付き悲嘆に暮れる様は、まるで親しい人間の死を目の当たりにしたかのような取り乱し様である。

 

「どうして……どうしてこんな……()()()()……!」

「……なに?」

 

 今、この妹はなんと言った? 「せんせー」と、そう言ったのか?

 今度はアクアが愕然とする番だった。この死体を雨宮吾郎と知ってそのように呼んだのだとするなら……吾郎を「せんせー」と呼ぶ人物など、アクアは後にも先にも一人しか知らない。

 

「ルビー、お前……いや、君は……」

 

 

 

「──ようやく逢えたね、二人とも」

 

 

 

 突如として背後から響いた声に、アクアとルビーはバッと勢いよく振り返った。振り返らざるを得ない魔性があった。玲瓏と響くその声音には不思議な魔力が薫り、あらゆる思考と雑音を無視して意識に直撃した。

 

 カラスの鳴き声が森に木霊する。

 

 まるで影を纏うようにして、無数のカラスを従えた少女がそこに立っていた。闇に溶け込むその出で立ちとは相反する真っ白な髪が風に揺れ、血の色の瞳が笑みの形に歪められる。

 

 少女の姿を目にしたアクアは、そこに尋常ならざる何かを確信した。根拠はないが、さりとて夜の森に立ち込める妖しげな雰囲気による錯覚などでは断じてない。

 魔性だ。シオンから感じる恒星の如き熱量のそれとはまた異なる、月影の幽玄を思わせる魔性を見た。前髪の作る影に妖光を発するようにして血色の瞳が暗闇に輝く。アクアは束の間瞬きを忘れた。

 

 

「ここは神の息衝く原風景。今宵は邪魔者もいない……存分に語り明かそうじゃないか。星野アクア、星野ルビー……いや」

 

 

()()()()、そして()()()()()()

 

 

「こうして二人と逢える日を、私はずっと待ってたんだ──ようこそ、高千穂へ」

 

 

 喜悦を滲ませて魔性の唇が上弦三日月の弧を描き、愉悦に濡れる深紅の双眸が二人を貫く。

 不吉を孕んで木霊する月夜烏の輪唱は魔の招来を告げる(きざし)である。青褪めた月が見下ろす夜闇の中心に立つ少女は、まるで言祝ぐように笑みを深めて双子を歓迎した。

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、シオンは炭を握り潰してダイヤモンドを作っていた(イベント二日目)

 


 

【アネモネ・モネモネ】

「見せてもらおうか、東京の女の美容とやらを……はうっ」

 

 前門のMEMちょ(二十五歳)、後門のミヤコ(四十云歳)の波状攻撃により正気度ロールをする羽目になる……が、仕事人の矜恃により何とか正気度喪失は免れた。容姿の良さそのものではなく年齢とのギャップによる混乱が原因のため、ルビーと有馬を見ても「うわっメッチャ可愛い娘おる〜都会ヤベー」程度の感想で済む。ただしうっかりシオンとカチ合わせると発狂&アーティスト魂爆発によりあらゆるスケジュールをブッチするので注意が必要。

 

 この世界線ではルビーとセンセーの感動の再会()が二日目にずれ込んだため、ルビー(闇堕ちのすがた)を目にすることなく終わった。そのためアネモネにとってルビーは「滅茶苦茶顔が良くて何も演じてなくても素で魅力的なまさに生まれついてのアイドル……なのに態々自分から教科書通りなアイドルの型に嵌まりに行ってるせいで色々と惜しい感じになってる残念な娘」という印象で止まっている。

 とはいえシオン&アイによる「新生B小町魔改造計画」の影響によりパワーとパワーと歌唱力とパワーとダンス力とビジュアルとパワーとパワーが強化されているため、いちアイドルとしての評価は普通に高い。具体的には「原作闇堕ちルビー>強化ルビー>原作通常ルビー」といった感じ。

 

 

MEM(メム)ちょ】

 年齢詐欺その一。生来の童顔+生命力アンチエイジングにより、アネモネと並ぶとどう足掻いても大人と子供の組み合わせになる。アネモネはしめやかに発狂した。

 

 パワーでは有馬に遠く及ばず、スピードではルビーに劣る。戦闘力ではB小町最弱のMEMちょだが、彼女の真価はズバ抜けた感知能力……ニュータイプばりの空間把握能力と未来予知にも等しい勘の良さにある。ルビーが人外の動体視力と反射神経により銃弾すら目で見て避けるのに対し、MEMちょの場合は銃弾が発射されるより早く射線を読んで回避してしまう。

 もしも生粋の狙撃手キラーである彼女を戦場で仕留めようと思うなら、回避すら許さぬ弾幕の嵐か爆薬の広範囲攻撃が必要。しかし比較対象がおかしいだけでそもそもMEMちょも十分素早いため普通に射程外に逃げられてしまう。如何に近代兵器といえどもセンサーに映らない上に霊長類の誇りであるパタスモンキーの三倍以上の速度で動き回るような超人相手には無力なのだ。

 

 

有馬(ありま)かな】

 ご存知B小町最強の(ヒグマ)。パワー、スピード、精密動作性、タフネスの全てにおいて他の追随を許さない。唯一の弱点は三人の中で最も霊的素養に欠けること、それ故に霊的干渉に極めて脆弱なことだが、現状そのような手段をとる者は疫病神ちゃんぐらいしかいないため弱点の体をなしていない。やはり熊が最強。落ちた葉もそうだそうだと言っています。

 

 ──しかし、この世には(ヒグマ)すら上回る最強の生物が存在します。

 それは世界のバグたる破壊神とその守護霊の依怙贔屓によって最高の加護を得た奇跡の超人……斉藤ミヤコEXです。

 

 

斉藤(さいとう)ミヤコEX(イーエックス)

 年齢詐欺その二。このアホみたいに顔とスタイルの良い生き物は斉藤ミヤコEX(イーエックス)、または斉藤ミヤコEX(エクストラ)といい、都内に拠点を置く芸能事務所「苺プロダクション」に生息しているヒト科の霊長類です。

 年齢を感じさせない若々しさ、激務に身を置きながらも疲れ一つ見せない無尽蔵の体力、そして世の女性達の羨望を集めてやまない美貌を持ち、現在の苺プロを背負って立つカリスマ女社長として業界内で密かに話題を集めています。

 そんな斉藤ミヤコEXですが、実は他にも特筆すべき大きな特徴があります。

 

 それは「人類の到達点とも言える究極のパワー」です。

 

 彼女の手にかかれば最強生物こと(ヒグマ)ですら赤子扱いです。ワンパンでKOです。

 狩人モードになったデスルビーですら彼女の敵ではありません。普通に速度で上回るため相性最悪です。

 令和のニュータイプことMEMちょなどお話にもなりません。ご自慢の直感が発動した時には既に攻撃が届いている上に通常攻撃が全体攻撃なため一瞬で消し炭です。

 

 それが“地上最強の生物”斉藤ミヤコEXなのです。

 

 

星野(ほしの)ルビー】

 どうしてさりなちゃんはそんなに力が強いの?

 

「それはね、センセーを絶対に逃さないためだよ♡」

 

 どうしてさりなちゃんはそんなに素早いの?

 

「それはね、センセーを絶対に逃さないためだよ♡」

 

 どうしてさりなちゃんはそんなに殺意が高いの?

 

「それはね、センセーを絶対に逃さないためだよ♡」

 

 

星野(ほしの)アクア】

 〜馬鹿でもわかる! 苺プロ強さランキング!〜

 

 星野アイ>>斉藤ミヤコEX>>>>デスルビー>>(越えられない壁(大人の事情))>>星野アクア>>>斉藤壱護(いちご)

 

 アクア「たすけて」

 

 

【疫病神ちゃん】

 すげー意味深な登場の仕方をしたが実のところただ双子とお話したいだけのカラスの妖怪変化。大物ぶってるがその内心は「ふひひ二人ともカワイイねぇそれじゃあお姉さんとたくさんお話ししようねぇ」ぐらいの温度感。

 

 ただのカラスだった頃にさりなちゃんとゴローセンセーに命を救われた恩があり、転生した後も二人のことを陰から見守っていた……が、この世界線ではすぐ近くに特級の爆弾(オブラート表現)がいるため迂闊な覗き見(ウォッチング)は察知される恐れがあり、長く忍耐の時を強いられていた。

 しかし神代の気配色濃い高千穂は彼女にとってホームグラウンド。言うなればイギリスに召喚されたアーサー王(過言)、あるいはギリシャに召喚されたヘラクレス(過々言)である。普段以上の数のカラスを使役し、最強生物(ヒグマ)をも無力化する催眠術を行使し、双子の思考を誘導すると同時に万が一にも外なるもの(シオン)に感知されないよう認識阻害結界を周囲一帯に展開するなど、まさに獅子奮迅の働きを見せた。

 

 勝った……! もう誰にも邪魔されない……! これが……これこそがっ……私の推し活だっ……!

 

 

 ──だが、彼女は油断していた。

 

 確かにシオンに気付かれることはなかった。しかし彼の傍にいる守護霊……アイに対しては何も対策を講じなかったのである。

 それが最大の過ちであったのだと、彼女はすぐに思い知ることになる。

 

 

星野(ほしの)アイ】

「ビビっ! ママレーダーに感あり! 特に根拠はないけど何となく二人に危険が迫ってるような気がする! 具体的には住所特定して自宅まで押し掛けてくるような厄介ファンが接近してる気配!(経験者は語る)」

 

 

桐生(きりゅう)紫音(シオン)

 ここに何の変哲もない炭があるじゃろ?

 ( ^ω^)

 ⊃炭⊂

 

 これをこうして

 ( ^ω^)

 ≡⊃⊂≡

 

 こうじゃ

 ( ^ω^)

 ⊃ダイヤ⊂

 

 これが次回のお前の姿だ

 ( ◉ω◉ )

 ⊃ダイヤ⊂

 

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