傍に立つ君は完璧で究極のアイドル   作:カミキヒカラナイ

26 / 41

お待たせして申し訳ございません。
ようやく東京ブレイドの舞台開幕です。もはや原型を留めていない、どこかで見たような設定の数々をお楽しみください。

ところで原作:推しの子カテゴリ内の総合評価順において、拙作が上から四番目になっていたことに最近気付きました。
総合評価がどういうものかイマイチ分かってないのですが、周りにレジェンドクラスの小説しかなくて戦慄を隠せません。何でアイにゲボ吐かせるような小説がこの面子の中に混じってるんですか?

とはいえ評価を頂けるのは素直に嬉しいので、この場を借りて皆様にお礼申し上げます。こんな意味不明☆な小説をここまで読んでいただき、感謝の念に堪えません。本当にありがとうございます。
これからも皆様のご期待に応え、綺麗で丁寧で真剣なお話を目指して頑張りたいと思います。

あと面白いと思った文に「ここすき」を押すと運気が上がるらしいですよ。

知らんけど。



26.開幕

 ──舞台「東京ブレイド」公演初日

 

 急な脚本変更もあり一部では公開そのものが不安視されていた「東京ブレイド」の舞台化企画。

 しかし幸いと言うべきか、日程の変更すらなく当初の予定通りに今日という日を迎えることができた。その裏には多くの人間の努力と尽力があったことは言うまでもないだろう。

 

 その立役者の一人であり、そもそもの元凶でもある人物の姿があった。

 鮫島(さめじま)アビ子。他ならぬ東京ブレイドの原作者である彼女は劇場を前にし、何故か顔面を蒼白にして立ち竦んでいた。

 

「……あの、どうしたのアビ子先生? 今にも死にそうな顔してるけど……」

「せ……先生ぇ〜……!」

 

 流石に見かねたのか、アビ子の漫画の師匠であり良き友人でもある吉祥寺(きちじょうじ)頼子(よりこ)が恐る恐る声を掛ける。その声に反応して凄まじい速度で振り返ったアビ子は、チワワのようにプルプルと震えながら吉祥寺の服の袖に縋りついた。

 

「なぁに? もしかして緊張してる?」

「それもありますけど……桐生さんのことでちょっと……」

「桐生……ああ、鍔姫(つばき)役を引き受けて下さったシオンさんね。その人がどうかしたの?」

 

 吉祥寺はアビ子の付き添いでスタジオに見学に行った日のことを思い出す。

 忘れるはずもない。極度の人見知りであるアビ子が我を忘れて突撃したこともそうだが、何よりあの極まった美貌と天地を(どよ)もすが如き威圧感は早々忘れられるものではなかった。

 

「もしかして急に役を押し付けたことが今更になって申し訳なくなってきたの? それなら有馬さん経由でそれとなく聞いてみたけど、先方は別に怒ってなかったみたいよ。器が広いというか、やっぱり美人は心まで綺麗なのかしら……優しそうな顔してたものね、彼女」

「うぅ……それもあるんですけどそうじゃないんです……その口振りだと先生も勘違いしてるんでしょうけど……」

「何よー勿体ぶっちゃって。勘違いって、何が?」

 

 モゴモゴと口を開いたり閉じたり、どうにも煮え切らないアビ子の様子に吉祥寺は首を傾げる。

 

「彼……だったんです……」

「ん?」

「彼女じゃなくて……彼だったんです……! シオンさん、女の子じゃなくて男の子だったんです……!」

「……んん!?」

 

 吉祥寺はスタジオ見学の際に実際に見た姿と、PVで見た姿をそれぞれ思い起こす。

 ……いやいやいや、あのナリで男? アビ子先生。それは流石に嘘だよ。シオンさんは女の子だよ。

 

「どうしよう……女の子だと思って鍔姫の衣装案、設定画そのままで送っちゃった……! このままだと私、権利者の立場を利用して役者の男の子にちょっとエッチな女装させる変態だと思われちゃいます……!」

「ちょっとエッチな服という自覚はあったのね……」

 

 確かに割と、いやかなりギリギリなデザインの衣装ではあったが、女性が着るというのであればまだ許容範囲だった。だが着せる対象が男性となれば話は変わる。それも相手はまだあどけなさを残す十六歳の少年ときた。

 

「は、犯罪臭がヤバい……」

「私この後関係者挨拶に行かないといけないんですけど、どんな顔して行けばいいんですかねコレ……」

「……頑張れ?」

「先゛生゛も゛つ゛い゛て゛来゛て゛く゛だ゛さ゛い゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!!」

「い、嫌よ! 同類だと思われたくないわ!」

 

 ガッ、と袖を掴む手に力を入れるアビ子と、何とかそれを引き剥がそうとする吉祥寺。何事かと周囲の視線が集まる中、二人の攻防はしばらく続いたのだった。

 

 

 

 

 

 己を引き連れて前を歩く女性二人の後ろ姿を眺め、斎藤壱護(いちご)は本日何度目とも知れぬ肩身の狭さを味わっていた。

 

「おお〜……これが演劇の関係者席! 後ろの方なんだね!」

「この位置が一番お客さんの反応を見れるからよ。二階席がある劇場だとその最前列だったりもするわね」

「へ〜!」

 

 片や、輝かんばかりの華やかなオーラを振り撒く目の覚めるような美少女。片や、乙女の瑞々しさと妙齢の艷麗さを併せ持った美女。どちらもそこらでは早々お目に掛かれない優れた容姿の持ち主だ。芸能界ですらこの水準の美貌は数限られるだろう。

 

 対する我が身は冴えないオジサン、現職アルバイトの斎藤壱護君(五十云歳)である。見目麗しい美女と美少女の荷物持ちとしてその後ろに付き従う様は誰がどう見ても小間使いであり、今の彼を見て元苺プロの社長だと見抜ける者は一人とておるまい。

 それを言うならこの二人を見て義理の母娘(おやこ)だと初見で見抜ける者が果たしてどれだけいるかという話だが。大抵の者は姉妹か従姉妹だと思うのではなかろうか。この両者の間に二十以上の歳の差があるなど、果たして誰が思うだろう。

 

 星野ルビーと斎藤ミヤコ。十年ぶりに会ってみれば、その変化は見違えるほどだった。

 ルビーはまだ分かる。最後に会ったのが四歳……幼稚園児だったのに対し、今や彼女は十六歳……立派な女子高生だ。子供の成長は早いものである。十二年の歳月は幼い童女を美しい少女へと成長させていた。

 

 しかし斎藤ミヤコ……壱護の元妻である彼女のそれは次元が異なる。断じて成長ではない。下手をすれば十二年前より若返っている始末で、これはもはや変化の一言で片付けて良いものではなかった。

 

(まあ原因は分かりきってるわけだが……)

 

 桐生シオン──恒星にも匹敵すると評された超質量の魂の持ち主にして、その埒外の生命エネルギーを以て数多の奇跡を引き起こす生ける神秘。壱護にとっての大恩人である彼こそが、ミヤコを若返らせた張本人である。

 

 霊能マッサージなどと胡散臭さ極まる名称で誤魔化しているが、壱護はそれがそんな生易しいものなどではないことを知っていた。その正体はシオンの有する膨大な生命エネルギーの一部を分け与えるものであり……即ち魂だけとなったアイを生き永らえさせているものと原理的には同一である。

 

 そう、今や大型トラックを持ち上げるほどの怪力を得るに至ったアイの力の源。それこそがシオンの生命エネルギーであり、そんなものを与えられた人間がまともでいられるはずがない。シオンは疲労回復目的で軽率に譲渡を繰り返しているが、お陰でミヤコの身体能力は今や猛獣のそれである。

 

 美容や若返りなど副次効果に過ぎない。便宜上生命エネルギーなどと呼んでいるが、あれはきっとそんな生易しいものではない。何せ魂だけの非物質的存在であるアイが物に触れるように……精神体のまま魂単体で物質界に干渉できるように“進化”したのだ。恐らくもっと根源的なもの……それこそ人間の魂そのものを高次元の存在へと──シオンと同じ位階へと昇華させるようなものであっても不思議はない。何せほんの一雫、ほんの一欠片とはいえ彼の魂の一部を分け与えられるのだ。その魂の格で以て超人たる者の、最も根源的な一部分を。

 

 お陰様で酷い目に遭った。十二年も姿を(くら)ませていたのだから殴られることは覚悟していたが、流石の壱護も人外の超暴力に曝されることは想定していなかった。拳一発で成人男性を数メートルも吹っ飛ばすような拳打を雨霰(あめあられ)と顔面に浴び、壱護はつい先日まで重体で入院していたのである。ケジメというにはあまりに強烈な暴力の嵐であった。

 

 とはいえ、それ以上に感謝の方が大きい。お陰様で死線をさ迷う羽目になったが、壱護はシオンに対して思うところはなかった。そもそもアイを救ってくれた恩人相手にこれ以上を望むものではないが、何より壱護はシオンの人柄に純粋な信頼を置いていた。

 優しく、穏やかで、何より慎み深い。その力を振りかざせば望むものが望むだけ手に入るだろうに、彼は人並み以上のものを求めようとはしない。その心根は善良であり、他者の喜びを己の喜びとして笑み、自らよりも誰かを優先することが当たり前の生き方には聖なるものがあって輝かしい。

 

 だからこそ申し訳なく思う。アイが霊魂となってもまだこの世にいてくれたことは壱護にとっては間違いなく福音となったが、果たしてあの少年にとってはどうだろうか。あれからメールを介してアイから色々聞き出したところによると、アイはシオンから五メートル以上離れることができないのだという。つまり幽霊となって取り憑いてから十二年もの間、彼には片時もプライベートの時間がなかったことを意味する。シオンはなんて事ない風を装っているが、思春期の少年にその環境は色々と酷なのではないだろうか。

 

 というか一番気の毒なのは、その取り憑いた幽霊が少年のことを性的に狙っており手篭めにしようとあれこれ画策していることだった。何が「シオンを手に入れるために社長も協力してね!」だ自重しろ三十二歳。十七歳の現役JKと張り合うな。

 

 本当にシオンが不憫でならない。よく今まで無事だった……というかよくそんな環境にあってああも善良な人間に育ったものだ。幼くして父親を亡くし、母親には捨てられ天涯孤独。果ては幽霊に取り憑かれる始末と、その生い立ちは一般的な感覚からすれば相当に不幸なものである。たとえ巨大な力を持って生まれたとしても、いや、だからこそどこかで歪んでしまってもおかしくなかった。にもかかわらずあのような善性の人格が培われたのは奇跡といって良いだろう。

 

 曲がりなりにもミヤコの下で普通の暮らしができていたアクアやルビーと異なり、シオンには頼れる親戚や里親もなく、幼少期からずっと児童養護施設での暮らしを余儀なくされていたのだという。苦労の多かったことだろう。そんな彼だからこそ、その苦労の分誰よりも幸せになるべきだと壱護は思っている。

 そんな彼が恋い慕うのならばそれは万人に祝福されるべき恋路である。が、それは相手が普通の人間であればの話だ。アイはどう言い繕っても死人であり、断じて普通の人間とは言い難い相手だ。いずれ実体化できるとは言うが、それにしたって生身の肉体を得て蘇るというわけではないのだろう。果たしてアイはその意味を分かっていてシオンに好意を向けているのだろうか? あのような超越者を普通の人間の尺度で測るべきではないのかもしれないが、シオンはそれで本当に幸せになれるのだろうか?

 

(まあ、そんなの俺みたいな奴が口出しするようなことじゃないのかもしれんが……)

 

 幸福の形は人それぞれだ。当人同士が納得した上での交際なら余人が口を挟むだけ野暮というものだろう。だがどうにも、壱護の目にはアイの側からの一方通行のように見えたのが気掛かりだった。シオンがアイを信頼し慕っているのは間違いないのだろうが、それが恋愛感情に根差したもののようには見えなかったのだ。

 

 そう、シオンがアイを見る時のあの目に壱護は覚えがあった。あれは他ならぬアイの実子であるアクアとルビーが母に向けていたものと同じ。子が母に向ける無垢な親愛の情、そして──信者(ファン)偶像(アイドル)に抱く、信仰心にも似た尊崇の念ではなかったか。

 

「ねぇ、壱護さんはシオンさんといつ知り合ったの?」

「あん?」

 

 考え耽っていた壱護はすぐ隣から発された声に我に返る。

 首を横に向ければ、至近距離からこちらを覗き込む紅玉の瞳と目が合った。その名の通り宝石のように美しい瞳の中には星のような輝きが瞬いている。

 

「今回の公演、最初は『事務所を空けるわけにはいかない』って行くの渋ってたのにシオンさんが出るって知った途端に前言撤回したでしょ? ファンって感じの態度でもないし、じゃあ知り合いなのかな〜って」

「あー……まあ、そうだな。シオン君と知り合ったのは丁度お前のファーストライブの時でな」

「えっ、壱護さん私のステージ見に来てくれてたの!? それならそうと言ってくれればファンサしたのに〜!」

「言えるか。どの面下げて出番直前のお前に会いに行くんだよ」

 

 アイが活動していた当時は社長兼アイドルプロデューサーとして方々と顔を繋いでいた。その伝が現在も残っており、その関係で偶々ルビーと新生B小町のことを知ったのだ。

 ライブに赴いたのはほんの気紛れである。アイの件があったのに性懲りもなく同じ道を行こうとするルビーの現在の様子を一目見ようと思い立っただけだった。

 

 その先であのような奇跡に見えるなど、その時の壱護には全く知る由もなかったのだ。

 

「本当に、シオンさんには頭が上がらないわね」

 

 ミヤコはしみじみと呟いた。

 

「ルビー達を鍛えてくれた件といい、壱護を事務所に戻るよう諭してくれた件といい、あの子にはお世話になってばかりだわ。彼はいつも固辞するけど、今度何かお礼しないと……」

「そうだねーシオンさんのマッサージのお陰でミヤコさんすっかり見た目女子大生だもんねー。私達は地獄の訓練こなさないとしてもらえなかったのに、ミヤコさんはタダで何度もやってもらったもんねー。何なら今も私達がしてもらう時にちゃっかり一緒にやってもらってるもんねー」

「いやー、ホントにお世話になりっぱなしだわー! もうシオンさんに足向けて寝られないわねホントねー!」

 

 ドロドロと怨念を漏らし始めたルビーから必死に目を逸らそうとするミヤコ。

 壱護としてはミヤコの肌年齢がJDになろうがJKになろうがどちらでも構わないのだが、それと比例するように上昇していく身体能力に戦々恐々とするばかりだった。ただでさえアイの一件でミヤコにはもう一生頭が上がらないのに、腕力においても勝ち目がないのではもはや男として色々と終わりである。

 

「あ、そろそろ開幕みたいね」

「お兄ちゃんとシオンさん、どんな演技するんだろ! 楽しみ〜!」

 

 開演を告げるアナウンスが流れ、観客席側の照明が落ち辺りが薄暗くなる。同時にザワザワと騒がしかった観客が息を潜め、会場に静寂が満ちていく。

 

(さて、どんな舞台になるのかね)

 

 アクアのことも勿論気になるが、今日の壱護が注目しているのはやはりシオンとアイの二人組だった。

 芸能人としてのシオンはアイと二人で一人の超能力者だ。この舞台においてもその異能を存分に活用するつもりだと本人の口から聞いている。

 

 きっと誰も見たことのない舞台になることだろう。年甲斐もなく胸を高鳴らせ、壱護は開いていくスクリーンの向こう側に目を凝らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メイクさんに「毛穴が……この人毛穴がありません……」と絶句されつつ化粧を施してもらい、舞台用の衣装に袖を通す。相変わらず男性が着用することなど微塵も想定されていないようなデザインの衣装に若干辟易としつつも、全て自業自得であると自身を納得させ本番に向けて準備を整えていく。

 無心だ、無心になるのだ……いややっぱこの服スリットエグいて。何の意味があってこんなにバックリ横が開いてるわけ?

 

『さっすが鮫先生、(ヘキ)ってものを“理解(ワカ)”ッてる衣装だね! いや〜眼福眼福』

 

 アイはアイでよく分からないことを呟きながらガン見してくるし……というか何でアイはアビ子先生のことを鮫先生と呼ぶのだろうか。

 

「シオン君、準備終わった?」

 

 鞘姫(さやひめ)の衣装に着替えたあかねさんが姿を現す。

 薄く紅を引き、重厚な和装に身を包んだその姿は普段とはまるで別人だった。真っ白い長髪のウィッグを被り、両側頭部からは鬼族の混血であることを示す細く小さな角の飾りが取り付けられている。

 元々可愛いというよりは綺麗系の顔立ちの女の子だったが、化粧によって更にその美人ぶりに拍車がかかっている。服装も相俟り、まさに渋谷クラスタのボスに相応しい貫禄であると言えるだろう。……良いなぁ。鍔姫は鞘姫の姉なんだから似たような衣装にしてくれたら良かったのに。

 

 一方、あかねさんは僕の衣装を見て頬を微かに赤く染め、きゅっと(まなじり)を吊り上げた。

 

「……やっぱりその衣装色々と大胆すぎじゃない? 肩は丸出しだし太腿丸見えだし……あと、む、胸の穴! 何のために開いてるのか分からないその胸のとこの穴は一体何なの!?」

 

 それは全面的に僕が聞きたい。通気性の確保にしてはあまりにも不必要に露出が多い。まあフィクションのキャラクターの衣装に合理性ばかり求めるのも野暮というものかもしれないが。

 

『は? この穴が良いんだろうが』

 

 アイさん?

 

「あっ、ごめんね、こんなこと言いに来たんじゃないんだ……えっと、どうかな? もうすぐ本番だけど、上手くいきそう? 緊張とかしてない?」

「うーん、緊張してないと言ったら嘘になるかな。カメラ撮影と違ってやり直しのきかない一発勝負だからね……」

 

 だが、不思議と過度な緊張は感じていなかった。脚本のない恋愛リアリティショーと違って事前に練習を積み重ねることができたからだろうか。それとも「今ガチ」を経験したことで多少は僕も成長したからだろうか。

 

 いや、理由は分かり切っている。桐生シオンという一人の人間の素顔を曝け出す必要のあった「今ガチ」と異なり、この舞台に上がるのはあくまで新人俳優「シオン」。アイと二人で一人の芸能人である。

 そう、今回の仕事では僕はアイと二人で力を合わせてこの舞台に臨むのだ。番組の性質上アイの助力を受けられなかった「今ガチ」とはその点が異なる。物語のラスボスとして全員と敵対する役柄の僕だが、決して一人ではない。この世で最も信頼する相棒がすぐ傍で助力してくれるのだから。

 

 それに、僕は心に傷を負いながらも必死にこの舞台に立とうとしている少年を知っている。彼の粉骨砕身の努力を目にして簡単に弱音など吐けるはずがない。

 

「ところであかねさん、アクア君がどこにいるか知らない? さっきから姿が見えないけど」

「さっき個室に入ってくの見えたから、多分そこで一人でいるんじゃないかな。本番前は一人になりたいって役者さん結構多いし」

 

 そうか……本番前に一言挨拶しておきたかったけど、集中してるなら邪魔するのは悪いかな。

 

『アクアならケータイで私の写真見ながら「アイ……アイ……」って小声で私の名前を呟いてたよ』

 

 いや言い方。それだとまるでアクアがアイのストーカーみたいじゃないか。

 というかもしかしなくても壁を透過して個室覗いたのか。確かにさっき個室の前を通りがかったけど、息子のプライバシーは尊重してあげなよ。

 

 だが、アクアの意図は理解できる。刀鬼として鍔姫を刺す際にあの時の感情を強く出力するためにイメージトレーニングを行っているのだろう。

 即ち、アイを失った時の絶望と悲しみの感情を。

 

 やはり彼の決心は固いらしい。僕としてはそんな気持ちになってまで演技をしてほしくないのだが……どうやらアイは静観する構えらしい。それなら僕が口出しするのはお門違いというものだ。

 

「もうすぐ開演の時間だね。行こう」

「……そうだね。頑張ろう」

 

 あかねさんと肩を並べて会場に足を向ける。

 所詮は事情を知っているだけの部外者である僕に、アクアのやることに何かを言う権利などありはしない。僕にできるのは、彼の決意に恥じない演技をすることだけだ。

 

 行こう。開幕だ。

 今の僕にできる()()をぶつけよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──「東京ブレイド」の物語は、主人公のブレイドが一振りの太刀を手に入れるところから始まる。

 

 日本最大級の霊地である東京に集った二十一本の伝説の刀……「盟刀」は持ち主に様々な力を与える。

 そして全ての盟刀が最強と認めた者には、国家を手にするほどの力──“国盗り”の力が齎されるという。

 

「──俺が最強になって、この国の王になる!」

 

 ブレイドの宣言によって「東京ブレイド」の物語は幕を開ける。

 日の本最強の称号を求めて旅をするブレイド。その旅路の中で彼は様々な盟刀使いと鎬を削り、決闘に勝利し、配下を増やし勢力を強めていく。

 

「アンタが王様になった際にゃ私を大臣にしてくれりゃいい! したらこの『つるぎ』が王道を切り開いてやるさ!」

 

「なぁ、俺も仲間にしてくれよ! 俺は『キザミ』! お前が王になったら、俺のポジションは将軍な!」

 

 二刀使いの女剣士「つるぎ」。

 隻眼の鬼武者「キザミ」。

 

 新宿に名立たる強敵を打ち破りこれを従えたブレイドは「新宿クラスタ」の盟主としての地位を磐石のものとする。

 

 だが、盟刀使い同士で徒党を組み、勢力の拡大を目論むのは何も新宿クラスタだけではない。

 渋谷区を拠点に勢力を築く盟刀使いの集団「渋谷クラスタ」。貴種の末裔たる混血の姫君「鞘姫(さやひめ)」を旗頭に渋谷の地を支配する彼らとの戦いが、本来この舞台で語られるはずだった「渋谷抗争編」の物語である。

 

 しかしこの舞台は「渋谷抗争編」ではない。

 それは本誌では語られなかった物語。あり得たかもしれないもしも(イフ)の世界線。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 本来であれば渋谷抗争編のクライマックスに描かれた両クラスタの全面戦争が、この舞台においては第一幕にて早々に勃発する。

 

 新興勢力ながら、少数精鋭を以て成るブレイド率いる「新宿クラスタ」。

 貴種の末裔たる鞘姫とその血族を旗頭に、忠烈の志を以て立つ「渋谷クラスタ」。

 

 両雄の決戦は渋谷の居城ではなく、新宿区と渋谷区の境に位置する郊外の原野にて行われた。

 

 風は鳴り、土は響く。天は澄み切って高く、地は踏み蹴られて(どよ)めく。緩やかな丘陵地帯がスクリーンに映し出され、観客にこれより戦場となる地の有様を明瞭に伝えた。

 ステージアラウンドが誇る最新の音響設備と映像技術は、見る者に従来の演劇とは段違いの没入感を提供する。装置によって吹き込む風と立体的な音響がリアリティを与え、鮮明な映像による視覚情報が観客の想像力を掻き立てる。

 

「開戦だ! 俺達の力を渋谷の連中に見せてやろうぜ!」

「新宿の連中を……全員皆殺しにしてやりなさい!」

 

 両首領の勇ましい号令が会戦の始まりを告げる。

 鬨の声と共に各陣営の兵士達が吶喊する。数の上では渋谷の方が優勢だが、新宿の気迫も負けてはいない。一気呵成に攻め立てる新宿の炎の如き攻勢を、渋谷は研ぎ澄まされた戦意の刃で迎え撃った。

 

 両軍の激突は無数の剣戟を奏で、舞台上を赤色に染め上げた。魂に火を点け、炎を呼吸するが如き熱量が戦場を席巻する。

 流石は劇団ララライの役者だと、観客の誰もが息を呑んだ。ただの一兵卒の中にさえ下手な役者は一人もいない。本当にすぐそこで命のやり取りをしているかのような迫力。絶えず響き渡る陣太鼓の音色が観客の心すら戦場の熱で炙るかのようだった。

 

 第一幕からしてこの迫力、この熱量。否が応でも観客の期待は高まっていく。

 何故なら彼らは知っている。この会戦は序章に過ぎず、かの魔人の厄災、その現出を彩る舞台でしかないのだと。

 

 戦場の空は澄み渡っている。スクリーンに映し出された空は青色に乾き雨風の訪れる気配も見られない。地上にはまるで雲の峰が降りてきたように霧が煙り、天上の風景で以て戦士達を寿いでいるかのようだ。そして相見える両軍の陣営には戦旗が靡き、武人の尊厳が正に集結したことを示している。

 

 しかし、尋常の世界は唐突に終わりを告げた。

 空は陰り、突如として出現した集団が(はらわた)を食い破るようにして戦場に雪崩込んだ。それは異形の集団だった。異様に捻くれた角を生やした鬼族の一団が漆黒の戦旗と共に戦場に乱入し、血煙を噴霧するが如き苛烈さで暴れ出したのである。

 

「何事だ!?」

「何だ、あいつら……」

 

 困惑するブレイド達。それも無理はない。乱入してきた異形の鬼族達は明らかに尋常な様子ではなかったからだ。

 誰もが目を血走らせ、口の端から泡を吹きながら必死の形相で剣を振るっている。意気軒昂などという次元の生易しい精神状態でないことは容易に知れた。まるで落ち武者が如き見窄らしい戦装束に身を包み、我が身を顧みぬ特攻を掛ける様は、まさに死兵と称する他にない。

 

 それを見た観客の期待は最高潮に達した。この情景こそはまさに、公式サイトで目の当たりにした例のPVと同じシーンである。

 ならばすぐにでも登場することだろう。怪演の主、復讐に囚われた血濡れの鬼が──

 

 

 刹那、()()()()()()()

 

 

 それが舞台装置によって起こされた風でないことを、不思議なことに誰もが過たず理解した。まるで魔法のように殺戮の風が吹いて──舞台の上にいた兵士達が、一斉に四方八方へと吹き飛ばされた。

 それは冗談のような光景だった。まるで発破でも起きたかのような衝撃が舞台の中心で発生し、大の大人が地面と水平に吹き飛び、轟音を立てて転がったのだ。

 

 そしてそこに、新宿も渋谷も、ましてや乱入者たる鬼族の別もない。殺戮の風は全てを等しく攫っていった。

 

「──死を呼吸せよ、哀れ敗れて虜囚の辱めを受ける者達よ」

 

 それは、大山の静けさを思わせる声だった。

 それは、溶岩の灼熱を孕んだ声だった。

 

 黒々とした憎悪があった。煮え滾るような憤怒があった。だが侵し難い神聖さを秘めた峻厳の響きがその声音にはあった。

 

「国の東西も人間の老若男女も一切を区別せず、誰一人として逃さず、何人も許さず、武の火炎で戦場を焼き尽くし、将兵の血肉で以て山を築き上げよ」

 

 断じて、観客は舞台上から目を離してなどいなかった。あの美しき復讐者が現れる瞬間を心待ちにして、目を凝らしその時を待ち受けていたのだ。

 

 そのはずだったのに──誰一人として、()()が現れた瞬間を目にすることができなかった。

 

 美しい……まるで絵物語に出てくる妖精のような少女だった。

 

 漆黒の髪に舞台照明から差す光がキラキラと宿っていて、濃色の外套を背景にして輝ける川のように長く流れている。凛々しさの中にあどけなさを残した美貌の肌は新雪のように白く透明であり、それが何よりも瞳の色の紅を際立たせて神秘的な雰囲気を醸している。

 

 誰もが見惚れた。声の一つすら上げられなかった。それ程までに少女の美貌は極まっていて……誰もが一瞬、彼女と暴力とを結び付けることができなかった。

 

「出来ぬならば、死ぬがいい」

 

 立ち上がって抜刀。

 

 踏み込んで一太刀。

 

 そして、剣風が吹き荒れた。

 

『────!?』

 

 鍔鳴りはなかった。太刀筋は目にも留まらなかった。観客の認識の全てを置き去りに、都合四十三の斬撃が須臾(しゅゆ)の刹那に放たれた。

 それはさながら銀の檻だった。その剣閃は目に見えず、故に光の反射だけが遅れて認識される。四十三の銀光は檻のようにして少女の周囲に滞空し、一拍の間を置いて拡散。斬撃の嵐となって会場全域に吹き荒れた。

 

 二度に渡って吹いた殺戮の風が観客に現実を認識させる。濃密な死を乗せた颶風、かくも重厚な戦気を宿した風が、よもやただの送風機によって起こされた風であるはずがない。あの少女だ。あの少女の振るった剣が、死の風となって吹き荒んだのだ!

 

「戦場よ、我が生まれ故郷よ。私は帰ってきたぞ。憎悪の刃を携えて。懐かしの戦場、鉄風雷火の武人の原に。今こそ私は旗を掲げ、ここに覇を唱えよう。血よりも赤く、炎よりも煌びやかに。立ち塞がる全てを焼き尽くし、悉くを黒く殺し尽くそう。この地を、私の望む地獄に変えるために」

 

 声音に魔力が乗っているようだった。血の色の深淵から恐るべき何かが漏れ出ていた。

 囁くような声であるはずのものが、どうしてか耳元に聞こえるかのようだった。その声は距離の隔たりを無視し、超自然的な力でも籠もっているかの如く空間に木霊する。それは威風か、気迫か、あるいは魔力か。総身から放たれる不可視の波動が鉄火の調べを掻き消し、少女の放つ甚大なる霊威が舞台の上を満たしていく。

 

 寒い。極寒だ。観客は皆、己の肌が鳥肌に塗れていることを自覚した。気温のせいではない。それは妖気に当てられたとしか言いようのない症状だった。魂が凍えていた。それと同時に熱がある。聞く者の心を恐怖に焼く、それは氷の炎とでも呼ぶべきだろうか。

 

 少女は微笑む。その美貌に妖気を宿して。赫々たる憤怒と黒々とした憎悪を隠しもしないで。異形の角を天に聳えさせ、血濡れの鬼は戦禍の野に孤影を佇ませる。

 

 そして舞台は暗転し夜が訪れる。

 

 月が、戦場を見下ろしていた。

 




【鮫島アビ子】
 権利者の立場を利用して役者の男の子にちょっとエッチな女装させたヒト。さすが鮫先生! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!(風評被害)

【吉祥寺頼子】
 完全にシオンのことを女の子だと思い込んでいた。あれは罠でしょ。意図せず女装を強制する羽目になってしまった教え子には若干同情気味。
 でも美少年のちょっとエッチな女装は見てみたい。吉祥寺は内心wktkしながら会場の入り口をくぐるのだった。

【斎藤壱護】
 つい最近まで顔面の骨を粉砕骨折して入院していたため、苺プロに復帰したのは本当にここ数日の話だったりする。現実ならこの程度の入院期間では済まないどころか普通に死にかねない大怪我だったが、ギャグ補正で首の骨が折れるぐらいなら数ヶ月の入院で済む。
 退院したことで晴れて苺プロのアルバイトになった。事務所の雑務全般のみならず、新生B小町のプロデュース、復讐街道を突き進むまたしても何も知らないアクアのフォロー、恋愛クソ雑魚幽霊からの恋愛相談などなど、多様な仕事が彼を待ち受けている。

【斎藤ミヤコ】
 それはある日のことだった。
 もうすぐ日付けも変わろうかという深夜。ふと小腹の空いたミヤコは無性に甘味が食べたくなった。
 こんな時間に甘いものを食べるなど普通なら言語道断である。しかしミヤコはそんじょそこらの三十路女とは事情が違った。

 食べても太らないのである。あり余る生命力は常人を遥かに超えた新陳代謝を実現。今のミヤコは四十代でありながらしっかり昼食をとった上で放課後に定食屋でカツ丼食って〆にラーメンを啜り帰宅して夕飯を食べてデザートもガッツリ頂いたところで翌日に運動すれば平然と変わらぬ体重を維持する十代スポーツ女子並の代謝能力を有しているのだ。
 故にちょっとコンビニスイーツを一つ食べるぐらい構うまいと、そう自分を納得させたミヤコは子供達を起こさないよう静かに身支度を整えると、いそいそと深夜のコンビニに繰り出した。

 話は変わるが、日本のコンビニスイーツは世界的に見てもクオリティが高い。ちょっとした洋菓子店と比較してもそう見劣りしないレベルのスイーツが所狭しと並び、種々様々なバリエーションで世のスイーツ女子を魅了して止まない。

 あるのがいけない。
 あるのがいけない。

 誰に向けたものとも知れぬ言い訳を口の中で転がしつつ、ミヤコはついつい衝動の赴くままにポイポイとカゴの中にスイーツを放り込んでいく。王道のプリンやシュークリームを始め、ロールケーキやバスクチーズケーキ、変わり種としてはカヌレなど、目についたスイーツに躊躇うことなく手を伸ばす。

 だって太らないんだもの。
 ちょっと多めに買っておけばルビーも喜ぶだろうし。

 買いたいものを買いたいだけ買えるのは大人であり家長たる者の特権である。本日何度目とも知れぬ言い訳で己を納得させたミヤコは、すっかり重くなった買い物袋を手に意気揚々と店を出た。
 さあ、後は帰るだけだ。深夜スイーツという禁忌の背徳感に浸りつつ、ミヤコは足取り軽く帰路に着く。

「ちょっと君! こんな時間に何してるの!」
「……え?」

 すると、一人の警官がそう言って声を掛けてきた。まさか自分が言われているとは思わず反応の遅れたミヤコは、半ば呆然としつつ間の抜けた声を上げた。

「ダメだよ、高校生がこんな時間に出歩いたら。どこの学校の子? 親御さんはいないの?」
「えっと、す……すみません、ちょっとコンビニに行っただけで……家もすぐそこなので……」

 街灯があるとはいえこんな時間だ。辺りは暗く、故にこの警官もそこまで詳細にミヤコの人相を確認できなかったのだろう。でなければ、大学生ならいざ知らず、流石に高校生と間違えられるなど……JKかぁ。

「………………」

 その日以降、ミヤコの夜間外出の機会がちょっと増えた。

【星野ルビー】
 養母が若く美しくなるのは子供としては素直に喜ばしいが、それはそれとして地獄のトレーニングを経験することなくマッサージを受けていることには納得がいっていない。でもなんか最近スイーツを買ってきてくれることが増えたので許した。そんな餌で私が釣れると思ったか? 甘いんd……クマー!

【桐生紫音】
 ついにちょっとエッチな女装姿を衆目に晒すことになった完璧で究極のゲッター。しかし大半の観客は眩しい太腿と謎の胸の穴に気を取られて実は腋も出ていることに気が付いていない。
 ちなみに服装のイメージは某透き通る世界の某高級中学校の某教官のものを想像してもらえれば概ねそれで合っている。つまり痴じょ……おっと誰か来たようだ。

【黒川あかね】
 推しの彼ピのどエロい格好が見れて眼福な一方、不特定多数の人間に彼ピの肌を見られることに抵抗を感じている。そこは男女の立場が逆じゃないかと思っても口に出してはいけないゾ。

 なお某スタンドは恥ずかしげもなく彼ピのあられもない姿を視姦している模様。そこまでにしておけよ三十二歳児。

【星野アクア】
 アイの写真を見ながら事件当時の光景を思い起こすことでドス黒い感情を喚起する精神統一を行っていたが、まさかその光景を実の母に見られていたとは夢にも思わなかったことだろう。部屋に入る時はノックしてくれや。

【星野アイ】
 おまえの苦労をずっと見てたぞ

 本当によく頑張ったね?

 遂に我慢が報われおまえは莫大な愛を得る

 この動画を飛ばしてしまえば

 これまでの苦労は全て水の泡だ

 少ない手掛かりを元に父親を探し回り

 収入のほぼ全てをDNA鑑定に使い

 復讐に囚われ将来に希望を持てず疲弊する日々

 そんな現実から抜け出す時が来た

 好きなことを好きなようにやって

 心に余裕のある生活を実現し

 ついでに死んだ母親も復活して

 楽しく役者をやれる人生にしたいだろう?

 世界中がおまえを否定しても

 私だけはおまえを認めてやる

 散々苦しんだのだもう楽になれ

 愛を望んでいるならやることがある

 新生B小町のファンクラブ会員に加入するのだ

 やり方は簡単だ誰にでもできる

 これがダメならもう人生を諦めろ

 公式サイトに行ってメールアドレスを入力

 自動で送られてくる入会申し込みメールを受信し

 添付されているURLをタップ

 お客様情報をフォームに入力し

 お支払い手続きから支払い方法を選択するのだ

 これで幸福の清算がはじまる

 私は決して無理強いはしない

 やるもやらぬもおまえ次第だ

 更に私のインスタとツイッター垢をフォローすれば

 訪れる愛と幸福が何倍にもなる

 だが私をフォローしていないと

 我慢の人生に逆戻りしてしまう

 必ずフォローをしておくのだ

 ファンクラブ会員に登録し

 ママのアカウントをフォローすれば

 愛の普及により神からご褒美を得る

 では締め括りに愛のファンサを贈る

 波動を二回タップで授かるのだ

 3

 2

 1

 ちょっと待って冷静に考えたらお兄ちゃんなのにまだ妹のファンクラブに加入してないっておかしくない? 何やってるのアクア!』

「うわぁ急に冷静になるな」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。