クレーマーに「申し訳ありません」は絶対NG…怒鳴る客を一発で黙らせた"元ブックオフ店員の切り返し"
■「大きな声で暴言を繰り返す」とクレーマーは落ち着く 相手が「殺す」などの暴言を吐いた場合こそ、冷静に対処する必要があります。 ただ、とはいっても、突然大きな声を出されたら驚いてしまいますし、恐怖で声が出なくなってしまうこともあるかもしれません。こういうこときは複雑な対応はせずに、シンプルな対応をするのが効果的です。具体的には「落ち着いた、大きな声」で相手の暴言を返すのです。 「いま、私に『殺す』という風におっしゃったんですか? もう一度、おっしゃっていただけますか」 強い言葉をあえて大きな声で繰り返すことで、相手に言動を自覚させ、周囲の従業員にも状況を明確に知らせることができます。クレーマーも自分が暴言を吐いていることを客観的に理解することで不利な状況にいることを理解し、急になにも言えなくなる場合があります。 この「大きな声で暴言を繰り返す」行為には、重要な効果があります。 暴言を吐いた相手に「心理的ショック」を与えること。怒りの勢いで口にした自分の言葉を、第三者である従業員の口を通して聞かされることで、自分の言動の重さを再認識させ、自制心を呼び戻させる効果があります。 従業員自身が「大きな声」を出すことは、自身の心を落ち着かせ、動揺を抑える効果も期待できます。この戦術は、相手の理不尽な要求に対して冷静な態度を崩さず、むしろ相手の暴走を組織防御に利用するための、プロの切り返しなのです。 ---------- 津田 卓也(つだ・たくや) クレーム研修担当講師 キューブルーツ(Cube Roots)代表。1965年生まれ。京都府出身。1995年ブックオフコーポレーション株式会社に入社し、2000年にはブックオフコーポレーションの年間MVP獲得。2005年にセミナー&研修会社キューブルーツを設立。メディアでも活躍し、フジテレビ『バイキングMORE』、テレビ東京『解禁!暴露ナイト』、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」、NHK「あさイチ」等に出演。執筆活動にも力を入れており、雑誌では『日経ビジネスアソシエ』等にも寄稿。著書に『どんなクレームも絶対解決できる!』、『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』(ともにあさ出版)、『なぜか印象がよくなるすごい断り方』(サンマーク出版)などがある。 ----------
クレーム研修担当講師 津田 卓也