26日投開票の川崎市長選に立候補し、選挙ヘイトが批判を浴びたレイシストの宮部龍彦氏は3万8175票で6候補中3位だった。得票率9・29%にとどまり、供託金240万円を没収された。
4選した福田紀彦氏は25万3355票。宮部氏を含む4候補が得票率10%の4万1077票を超えられなかった。
26日夜、開票結果の判明前に配信したユーチューブの動画で、宮部氏は「福田さんの当選は分かっていた。2位に行きたい」との願望を語ったが、2位とも約1万9千票の差がついた。「(在日コリアンが多い)川崎区で数字が取れれば、施策に影響を与えられる」ともくろんだが、同区での得票が特別に多いということはなかった。
動画では、同じ意見を持つ人たちの間で情報が反響し合い、自分たちこそ正しく多数派だと思い込む「エコーチェンバー現象」に自ら言及。「最終日の演説には党派色の強い人が集まっていた。熱心な人に囲まれているが、一般の人には支持が広がらなかったと思った」と話した。別の配信では「参政党や日本保守党の人がいた。(レイシスト集団の)日本第一党にも会った」と明かしていた。
宮部氏は市内約250カ所で選挙演説。差別をなくす市の施策を不当なものであるかのようにねじ曲げ、差別にさらされている在日コリアンや性的マイノリティー、女性、被差別部落出身者への攻撃を繰り返した。
デマを指摘する神奈川新聞社の報道や市民による抗議を受け、「私が呼び込んだように言われ、不本意。抗議に来てほしくなかった」「同情票も入っただろうが、うさんくさい候補者と見られた」「供託金が没収されたら正直痛い。ネットでは圧勝だが、そんなに甘くはない」と漏らした。
今後については2027年4月の鳥取県知事選に立候補したい考えを明かした。「普通に考えたら勝てないが、やりたいことがある。鳥取県中のポスター掲示板に『同和行政廃止』と載せる」と言い放ち、再び選挙がヘイトスピーチに悪用される恐れがある。(石橋 学)
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