エニアグラム:なぜタイプ9w1は自分をタイプ4だと思いやすいのか?(逆はない)
エニアグラムを学んでいると、「タイプ9の人が自分をタイプ4だと間違える」という経験がいくつもあります。
特に、ウイング1(9w1)を持つタイプ9にこの傾向が強いようです。
しかし、「タイプ4の人が自分をタイプ9だと間違える」ことはほとんどありません。
このnoteでは、この興味深い現象について、その理由と見分け方をわかりやすく解説します。
今回も、manus.imに手伝ってもらいました。
1. タイプ9とタイプ4、似ているようで違う心の中
タイプ9(平和をもたらす人)とタイプ4(個性的な人)は、どちらも内向的で、自分の内面にいる時間が多いタイプです。そのため、外から見ると似ているように感じられることがあります。
タイプ9:平和をもたらす人
タイプ9の人は、心の中が穏やかでいることと、周りの人たちと仲良くすることを一番大切にします。
争いごとを避け、人の意見や気持ちに合わせやすい傾向があります。自分の意見をあまり言わず、周りに溶け込むことで安心感を得ます。その結果、自分の本当の気持ちやしたいことを見失い、「自分ってどんな人だろう?」とわからなくなってしまうことがあります。
また、「恥」という気持ちに気づきにくい、あるいは意識的に避ける傾向があります。ストレスを感じると、不安になることがあります。
タイプ4:個性的な人
タイプ4の人は、自分だけの個性や深い感情をとても大切にします。自分は「普通の人とは違う」と感じていて、いつも「自分らしさ」や「本当の自分」を探しています。
自分の感情にきわめて正直で、心の中の動きを深く感じ、それを表現することに価値を見出します。そのため、相手の意見に簡単に合わせることはありません。タイプ4の人は、自分の不完全さや欠点に対して強い「恥」の感覚を抱き、どこか「ピリピリしている」ような心の中の緊張感を抱えています。
「天然」や「楽天的」といえるタイプ4は、まず、いません。
2. なぜタイプ9w1は自分をタイプ4だと思いやすいのか?
特にウイング1(9w1)を持つタイプ9が、自分をタイプ4だと間違えやすいのには、いくつかの理由があります。
2.1. 「自分探し」の目的と「タイプ4への憧れ」
タイプ9の人は、自分の気持ちを抑えがちで、自分が何をしたいのか、どんな人間なのかがわからなくなることがあります。
この「自分を忘れてしまう」状態から抜け出すために「自分探し」をすることがあります。この「自分探し」の姿が、自分だけの個性を追求するタイプ4の姿と重なって見えます。
さらに、9w1の人は、自分の心の中の理想の世界に深く入り込み、自分を批判する気持ちも持っています。自分の感情や個性をはっきりと表現できるタイプ4に漠然とした憧れを抱き、「自分もそうなりたい」という願いが、自分をタイプ4だと認識する強い理由となることがあります。
2.2. 感情の表現と「合わせる」行動
タイプ9w1は、心の中に強い理想や信念を持っていても、それを直接言うことで周りとの調和が乱れることを恐れ、相手の意見や雰囲気に「合わせる」ことが多いです。自分の本当の意見を言わない、あるいは曖昧にする行動が見られます。
一方、タイプ4は自分の感情にきわめて正直なので、相手の話に簡単に「合わせない」傾向があります。自分の心の中から湧き上がる感情や考えを素直に表現しようとします。
2.3. 心の中の悩みと芸術的な側面
9w1の人は、ウイング1の影響で自分や他の人の不完全さに対して心の中で批判したり、怒りを感じたりすることがあります。これらの感情を表に出すことを避けるため、心の中で自分を責めたり、悩みを抱え込んだりします。この「心の中の痛み」が、タイプ4が抱える「自分には何か足りない」という気持ちや、不完全さへの苦しみと似ているように見えます。
また、9w1の人は心の中の理想の世界を表現するために、芸術や何かを作り出す活動にひかれることがあります。これもタイプ4の芸術家のような気質と重なって見えやすい点です。
3. なぜタイプ4は自分をタイプ9だと間違えないのか?
タイプ4の人が自分をタイプ9だと間違えることがほとんどないのは、両者の「一番大切な気持ち」と「一番恐れていること」が根本的に違うからです。
3.1. 根本的な動機と恐れの違い
タイプ4の一番恐れていること
「自分らしい個性がないこと」や「普通の人と同じであること」です。彼らは「自分は特別な存在だ」という気持ちが強く、平凡であることを最も恐れます。
タイプ9の一番恐れていること
「一人ぼっちになること」や「大切な人とのつながりがなくなること」です。彼らは人から離れることや孤立することを恐れます。
タイプ4は、自分だけの個性をはっきりさせ、感情を表現することに生きる意味を見出します。
そのため、自分をあいまいにして感情を抑え込むタイプ9の態度は、彼らが一番恐れる「平凡であること」や「自分らしさを失うこと」に直接つながります。
だから、タイプ4の人がタイプ9の心の状態を自分だと認識することは、ないでしょう。
3.2. 自己表現のあり方
タイプ4は、自分の気持ちや個性を積極的に表現することで自分を確立しようとします。
自分の意見をはっきり示すことは、「自分らしさ」を見せるための大切な方法です。自分の気持ちや個性を抑え込んで周りに溶け込むタイプ9のようになりたいと願うことは、タイプ4の根本的な動機に反するため、そう考えることはほとんどありません。
4. タイプ9w1とタイプ4を見分ける実践的なポイント
両者を見分けるための実践的なポイントを3つご紹介します。
感情の表現の仕方と「合わせる」行動
相手の話にどれだけ素直に同調するか、自分の意見をどれだけはっきりと主張するか、という点で大きな違いが出ます。タイプ9w1は調和を優先して「合わせてくる」のに対し、タイプ4は個性を優先して「合わせない」傾向があります。
「自分探し」の目的
タイプ9w1の「自分探し」は「穏やかな自分」を取り戻すため、タイプ4の「自分探し」は「特別な自分」を確立するためです。
タイプ9w1は、自分が見つからなくても「まあ、いっか」と受け入れる傾向がありますが、タイプ4は自分が見つからないことに深く苦悩します。
ストレスや不満の表現
タイプ9w1はストレスや不満を内側に溜め込み、間接的に示すか、漠然とした不安として現れるのに対し、タイプ4は感情豊かに直接的に表現します。
まとめ
タイプ9の人が自分をタイプ4だと間違えやすいのは、内向的で「自分探し」をするという共通点に加え、9w1の持つ理想主義や心の中の悩みが、タイプ4の個性追求や感情の深さと似ているように見えるからです。
また、タイプ9が自分のことを忘れがちで、タイプ4の持つ「特別さ」に憧れる心理も影響します。
一方、タイプ4の人が自分をタイプ9だと間違えないのは、両者の「一番大切な気持ち」と「一番恐れていること」が根本的に異なるためです。
タイプ4にとって、自分をあいまいにして感情を抑え込むことは、彼らが最も恐れる「平凡であること」に直結するからです。
この違いを理解することで、エニアグラムの自己診断や他者理解がより深まるでしょう。
タイプ4のトークで確認してください
タイプ4の章には、本当のタイプ4のファシリテーターだけで話し合ったトークを収録しました。
これに同意したり、深い部分で共感したあなたは、きっとタイプ4でしょう・・・・。
じっくり、話し合いたいな。
さらにおすすめ図書
タイプ4ならこれ。わかるわかる、その絶望。
ほかのタイプが解説してくれているので楽しく?読めます。
中高生の推薦図書に入っていて読んだけど、あの頃の私の読解力ではわからなかった・・・
主人公ハンスも、ヘルマン・ヘッセもタイプ4w5の可能性が濃厚です。


ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」は、私が中学生のときに読んだことがある本のうちの一つなのですが、当時の私の記憶をたどると、主人公のハンスは、むしろタイプ6w5のように私には思われました。