「日本の不動産はバーゲンセール」中国人に次々と買われるリゾートや温泉地帯…登記簿300件を追跡して見えた、表に出ない“静かな買収劇”の実態
少なくとも中国資本による主な買収は、全国39自治体の67施設に及ぶことが分かった。箱根や伊豆など人気観光地の施設がずらりと並んだ。それだけではなく、新潟県阿賀町(あがまち)や石川県白山(はくさん)市、鳥取県三朝町(みささちょう)などの、知る人ぞ知る地方の観光地も目立った。 ただ、この結果をもってしても、中国資本による買収案件は、一部ではないかとみられる。「実質的な所有者が伏せられ、登記情報と実質的な所有者が一致しないケースも少なくない」(東京都の信用調査会社)からだ。実際、取材の過程では伊豆市内の旅館などでこうしたケースを確認した。
「伊豆―新建温泉酒店一户建上市开发商直营助力移民日本(伊豆・新築温泉ホテル 一戸建て 上場企業のデベロッパー直営 日本への移住者支援) 553万元(約1億2000万円)」 「轻井泽―东京后花园独栋现房一户建别墅助力移民日本(軽井沢・東京裏庭一戸建て住宅 日本への移住者支援ヴィラタイプ) 305万元(約6200万円)」 「东京―富士山脚下―富士缘5期酒店―带租约合同(東京―富士山麓―富士園5期ホテル―賃貸契約あり)238万元(約4800万円)」
中国の大手不動産サイトでは今なお、こうした日本の地方リゾートや老舗旅館などの物件情報がずらりと並び、活発な売買をうかがわせる。中でも中国資本の投資が旺盛なのがスキーリゾートで、人気が高いのが北海道だ。取材班は早速、現地に飛んだ。
日本経済新聞取材班 :日本経済新聞社データ・調査報道センターの記者で構成する取材班
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