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作:窓風
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EPISODE10 黒の剣士と疾風


 

 

2024年 2月24日 6:30

第35層 ミーシェ

 

ピピピッと俺にしか聞こえない起床アラームで目を覚ます。チラッと窓を見ると太陽が昇り始めなのか、外はまだ少し暗かった。ベッドから降りて剣と深緑のコートを装備、素振りと準備運動という名の狩りをするために迷いの森へと行く。

 

素振りはソロになりたての頃からの日課だが、そこに準備運動を混ぜたのは1年ほど前からだ。習得しているソードスキルを1つずつ発動させて少しでも身体に馴染ませることを目的にしている。特に恨みはないが、なぜかよく遭遇する猿型モンスターを1体、また1体と屠りながら昨日までの出来事を思い返す。

 

 

緊急の人探しで前線を離れていた俺とキリトは昨日の朝、探し人が35層にいることを掴み、キリトはフィールドで、俺は街で情報を集めていた。そしてその日の夕方、キリトは今やビーストテイマーとしてアイドル的存在になっているシリカを連れて戻ってきた。

 

『シリカ!久しぶりだな。……ピナは?』

『ソーマさん!……ピナはその、あたしのせいで……』

『そっか……じゃあすぐに47層に行くんだな?』

『あぁ。明日からな。』

『ならば俺も同行しよう。俺もピナがいないと寂しいからな。』

『ソーマさん……!』

 

使い魔のピナがシリカを庇い死んでしまうというアクシデントがあったが、キリトが『使い魔蘇生アイテム』の話をしたことでシリカも持ち直し、すぐ取りに行くことになった。

 

 

片手剣最上位スキル『ノヴァ・アセンション』を放ち、時計を見るとちょうど7時になる頃だった。帰って朝食を食べようと迷いの森を駆け抜け、宿泊している宿:風見鶏亭に戻ると、シリカはぱっちり起きていたがキリトはまだ眠いのか欠伸をしながら目を擦っていた。

 

「ぉぉ、ソーマか。」

「ソーマさん、おはようございます。」

「2人ともおはよう。さ、飯食って準備だ。」

 

食堂の席へと2人を誘導して朝食を食べ、各々支度をして転移門へと向かう。シリカは昨日の黄色ベースの装備から赤ベースの装備へと一新しており、得物の短剣も新しいものになっていた。おそらくキリトが譲ったのだろう。

 

「あ、あたし47層の街の名前、知らないや…」

「大丈夫。俺らが指定するから。」

 

そう言うとシリカに手を差し出す。キリトもそれにならい、シリカはもじもじしつつも右手で俺と、左手でキリトと手を繋ぐ。手を繋いだのを確認するとキリトと声を合わせる。

 

「「転移!フローリア!」」

 

青い光に包まれ、それが消えたときには甘い花の香りが俺の鼻をくすぐった。

 

「うわぁ……!」

「ここは、フラワーガーデンと呼ばれていて、フロア一面が花畑なんだ。」

「いつ来ても綺麗だなここは。」

 

47層に転移してまず初めに目に入ってくるのは、一面に広がる花畑だった。今日の良い天気も相まってとても眺めが良い。シリカもこれには目を輝かせていて、年相応の女の子らしくはしゃいでいた。かくいう攻略組も最前線当時は全員が(当時余裕がなかったキリトでも)感動していた。

 

その景色から巷ではデートスポットの1つとしてカップルに人気らしい。現にカップルと思われる男女ペアがそこら中をイチャイチャしながら歩いていた。 こっちは3人で行動しているから、カップルより兄妹のほうが近いだろう。

 

転移門広場から5分程歩くと目的地の『思い出の丘』に着いた。小川が思い出の丘とフローリアまでの道を分断していて、そこに石造りの橋が架かっている。

 

「さて、ここから冒険開始なワケだけど……」

 

立ち止まってキリトがコートのポケットを探り、取り出した転移結晶をシリカに差し出す。

 

「フィールドでは何が起こるかわからない。危険な目にあって俺かソーマが脱出しろと言ったら、この結晶でどの街でもいいから飛ぶんだ。」

「で、でも…」

「約束してくれ。」

「…分かりました。」

 

そのときのキリトの目は真剣で、もう同じ過ちを繰り返さない、と言ってるように見えた。シリカもそれを感じ取ったのか転移結晶を受け取る。

 

「んじゃ、行くか!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「シリカ!こいつすごい弱い!」

 

出発早々、シリカが『ガリッシュ・ガーベラ』なる植物モンスターの触手に捕まった。触手に足をとられて逆さまに吊られているシリカは左手でスカートの裾を持ち、右手でぶんぶん短剣を振り回している。

 

「キリトさん!ソーマさん!助けて‼︎見ないで助けてぇ‼︎」

「それは…無理かな…」

「そらっ」

 

もたもたしているキリトを尻目に『ホリゾンタル』でモンスターの茎を両断。解放されたシリカはふわりと危なげなく着地。

 

「大丈夫か?」

「ありがとうございます!……その、み、見ました……?」

「大丈夫、見てない。」

「み、見てない……」

「お前さぁ……」

 

なんてこともありながら雑談を交えてフィールドを進む。その時にキリトから俺とシリカが知り合った経緯を聞かれたので半年以上前にピナのテイムに立ち会ったことを話した。そしてシリカがキリトに「妹に似てる」と言われた理由を聞くもリアルのことを聞くのはタブーだと思い出したシリカは「やっぱりいいです」と言うが、キリトは少し考えた後に語りはじめた。

 

実の妹ではなく、従兄妹だということ。生まれたときから一緒に育ったせいか、自分から距離を作ってしまったこと。2年で剣道を断念したキリトを妹が庇って全国大会まで行くレベルにまでなったこと。自分の所為で本当にやりたいことができなくて恨んでいるかもしれないこと。シリカを助けたくなったのは、自分の勝手な自己満足で妹への罪滅ぼしをしている気になっているかもしれないこと。

 

「……妹さん、キリトさんのこと恨んでなんかいなかったと思います。何でも好きじゃないのに頑張れることなんかありませんよ。きっと、本当に剣道が好きなんですよ。」

「そうだな。何より全国大会まで行ってるのがその証拠だ。剣道の全国プレイヤーの兄なんて誇らしいじゃないか。」

 

シリカと俺が励ますように言うと、キリトは微笑んだ。

 

「君には慰められてばっかりだな……。そうかな、そうだといいな…。」

「妹、ねぇ……。」

 

俺が呟いた刹那。

 

 

『ーお兄さん。』

『ー兄ちゃん。』

 

2つの、幼い少女の声が頭の中に響いた。俺に直接、話しかけるように……。

 

 

途端、頭に猛烈な痛みが走った。記憶が戻りそうなときに起こる頭痛だったが、これほどの痛みは今までなかった。

 

しばらくすると落ち着いて、頭痛も引いてきた。閉じていた目を開くと、キリトとシリカが心配そうな顔をして俺を見下ろしていた。どうやら突然叫びながら痛みに耐えるかのように地面を転がっていたという。

 

「……悪りぃ、ここからは2人で行ってくれ。」

「ソーマ。」

「大丈夫だ。あとでな。」

 

フード付きロングコートを羽織り来た道を戻る。今日は一旦宿で休んでいいだろう。

 

と、帰りたいところだがまだ用事は終わっていない。『隠蔽』スキルを発動させて『思い出の丘』を出ると、正面に12本の木が生えている並木道を抜けてすぐの茂みに隠れる。

 

剣をしまって代わりに刀身に薄緑の粘液を塗った短剣を装備し、2人が戻ってくるのを待つこと15分。どうやら無事使い魔蘇生アイテム『プネウマの花』をゲットできたらしい。

 

しかし橋を越える前にキリトはそのまま進まず、シリカを手で制して止まった。それもそのはず、『索敵』スキルをカンストした俺とキリトの視界には12本ある木の陰にグリーンカーソルが2つ、オレンジカーソルが9つ見える。

 

「そこに隠れてるの、出てきたらどうだ。」

 

キリトがそう言うとグリーンの1人が動いた。ここから先は、少し任せよう。

 

 

「あたしの隠蔽を見破るなんて、中々高い索敵スキルだねぇ、剣士さん。」

 

出てきたグリーンは、昨日までシリカとパーティを組んでいたらしいロザリアという赤髪の女性だった。

 

「その様子だと、首尾よく『プネウマの花』をゲットできたみたいね。おめでとう。じゃ、早速その花を渡してちょうだい。」

「ちょっと……!」

 

反論しようとしたシリカの言葉を遮り、キリトが進み出て口を開いた。

 

「そうは行かないな、ロザリアさん。いや、犯罪者ギルド『タイタンズハンド』のリーダー、と言ったほうがいいかな」

 

タイタンズハンド。今回の俺たちの依頼のターゲットだ。しかし犯罪者ギルドなのにリーダーがグリーンプレイヤーなのはどういうことなのかというと、実は簡単な手口である。グリーンが街中などで獲物を見繕い、圏内に入れないオレンジが始末するだけだ。実際、昨日の晩に『思い出の丘』の場所の確認をしていた話を盗聴していたであろうグリーンは他の木の陰に隠れている。

 

「そ、そんな……。それじゃ、この2週間一緒のパーティにいたのは。」

「そうよォ、あのパーティが冒険でたっぷりお金が貯まっておいしくなるのを待ってたの。」

 

舌でちろりと唇を舐めて続ける。

 

「一番楽しみな獲物だったあんたが抜けちゃうからどうしようかと思ってたら、レアアイテムを取りに行くって言うじゃない。でも、そこまで解っててその子に付き合うなんて、馬鹿?それともホントにたらしこまれちゃったの?」

「いいや、どっちでもないよ。」

 

侮辱する言葉に冷静に対応するキリト。

 

「俺たちもあんたを探してたのさ、ロザリアさん。」

「……どういうことかしら?」

「あんた、10日前に38層で『シルバーフラグス』っていうギルドを襲ったな。リーダー以外のメンバー全員が殺された。」

「あぁ、あの貧乏な連中ね。」

「リーダーだった男はな、2日間朝から晩まで最前線の転移門広場で必死に仇討ちをしてくれる奴を探してたよ。でもその男は、依頼を引き受けた俺たちに向かって、黒鉄宮の牢獄に入れてくれと、そう言ったよ。……あんたに奴の気持ちが解るか?」

 

これが俺たちへの依頼。2日間の休暇の後に攻略をしに最前線に戻ると、『シルバーフラグス』のリーダーがプレイヤーに声をかけていた。あまりにも必死に、涙を流して声をかけていたため只事でないと思い話を聞くと、キリトが言った通りの話をされた。

 

 

『黒鉄宮に?殺さないで捕まえるっことか?』

『本当は殺したいほど憎いさ。みんなと同じ目に遭ってほしい。……でもそれじゃ、あいつらと何も変わらない。だから……』

『…………わかった。』

 

 

依頼を受けたときのリーダーとの話を思い出す。あの人は、俺なんかとは違った。

 

しかし、一度狂った歯車はもう元には戻らない。歪んだ形のまま回り続けるしかないのだ。だからおそらく、少なくとも目の前のオレンジギルドには理解できない。

 

「解んないわよ。マジんなっちゃって馬鹿みたい。ここで人を殺したって、ホントにその人が死ぬ証拠ないし。それよりさぁ、この状況を2人でなんとか出来るとでも思ってるの?」

 

ロザリアが指を鳴らすと他の木陰から実行犯であるオレンジが9人、情報収集役のグリーンが1人出てきた。全員が全員、ピアスやチェーンなどのチャラチャラした装備をしている。その見た目は現実で見れば良くて不良、悪くて反社だろう。

 

「キ、キリトさん……人数が多すぎます、脱出しないと…!」

 

怯えるシリカにキリトは落ち着かせるように「大丈夫」と言った後、背中の片手剣を抜いて歩き出した。

 

「キリトさん!」

 

いくらなんでも1vs9は無茶だと思ったのだろう。シリカは引き止めるようにキリトを呼ぶと、それにオレンジの1人が反応した。

 

「全身黒ずくめ……盾なしの片手剣……『黒の剣士』!?ロザリアさん、こいつ、ビーターの……攻略組だ!」

 

 

(そろそろか。)

 

だいぶ頭痛が引いたので俺もゆっくりと立ち上がり、腰からさっきの短剣を抜き、いつでも行けるように構える。俺の『隠蔽』は900超えのため、半端なプレイヤーなら多少動いても気づかれない。実際、ロザリアたちは背後に迫る俺に全く気づいてない。

 

「攻略組がこんなとこにいるワケないじゃない!さっさと殺して、身ぐるみ剥いじゃいな!」

「はい残念賞。」

 

そう呟くと群衆の間を駆け抜け、キリトの前に出る。その途中でオレンジ2人の肌丸出しの腕を斬りつけると、その2人は何が起きたかわからないといった顔のまま倒れた。奴らのHPバーには『麻痺』のバッドステータスが表示されているだろう。

 

「レベル5の麻痺毒だ。10分は動けないぞ。」

 

あまりの出来事にロザリアや他の盗賊たちも固まった。

 

「誰だいあんた!どこから出てきた!!」

「有名になるつもりはないんだけど、俺もまだまだだな。『疾風』のソーマ。こいつと同じ攻略組だ。」

「疾風!?」

「ま、まさか、黒の剣士が言ってた俺たちってのは……」

「そうだ。依頼を受けたのは俺たちだ。」

 

気圧されたか、盗賊たちは一歩後ずさるが、まだ襲おうという気はあるようだ。ここはあえて挑発しよう。

 

「お、やるか?いいぞ。剣を抜かなくても勝てるからな。殺して(やって)みろよ。」

「ソーマ。」

「俺にもちょっとくらいカッコつけさせてくれよ。」

 

ついにキレた盗賊たち7人が奇声やら罵声やら上げながら俺に次々と各々のソードスキルをぶつける。俺はというと棒立ちになってずっと攻撃を受け続けている。シリカがキリトに助けを求めているけど、俺の意図を汲んだキリトは腕を組んで待っている。

 

やがて盗賊たちは息を切らしてソードスキルの連発を止め、ロザリアもなかなか倒れない俺にイラついたようだった。

 

「あんたら何やってんだ!さっさと殺しな!」

「不思議だろ?なんでこんだけ斬られて俺は倒れないのか。答えはとても簡単。『戦闘時回復(バトルヒーリング)』によるHPの自動回復(リジェネ)が10秒で530。対してお前ら7人の総ダメージは400弱。倒れてる2人の分を足しても精々500くらいか。最前線の攻略組舐めんなよ。」

「そ、そんなのアリかよ……。」

「アリなんだよ。たかが数字が増えるだけで無茶な差がつく。それがレベル制MMOの理不尽さなんだ!」

 

間に割って入ったキリトはそう言うとコートから濃紺に光る『回廊結晶』を取り出した。

 

「これは俺たちの依頼人が全財産を叩いて買った回廊結晶だ。出口が黒鉄宮に設定してある。これで全員牢屋に飛んでもらう!」

 

ロザリアは舌打ちすると槍を構える。

 

「グリーンのあたしを傷つけたらあんたらがオレンジに」

 

言い終わる前に俺は高速で突進、ロザリアの首元ギリギリに剣を突き出した。ロザリアは小さな悲鳴を漏らし、俺を驚愕と畏怖の目で見た。

 

「一応言っとくが、俺たちはソロだ。1日2日オレンジになるくらいどうってことないぞ。」

 

ついに観念したのか、ロザリアは両手をゆっくりと下ろし槍を手放した。アイコンタクトを取ってキリトは回廊結晶を空高く掲げた。

 

「コリドー・オープン!」

「チッ…」

「くそッ……」

 

観念して自らゲートを潜っていく10人。最後はロザリアだけなのだが、情けないことに命乞いを俺にしてきた。

 

「な、なぁアンタ!アタシと組まないか?!組んだらもっといい」

「論外。」

 

ロザリアの台詞が途中で切れたのは、俺がロザリアの頭をゲートに押し込んで転移したから。オレンジと組む?話にならない。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「ごめんな、囮にするようなことして。君に怖がられると思ったんだ。」

「そんなことないですよ。キリトさんたちはいい人だもん。」

 

タイタンズハンドを回廊結晶で黒鉄宮に送った後、そのまま宿に戻り俺の部屋で休んでいた。

 

「そういやソーマ、お前のあの時の頭痛って……」

「…ああ、多分記憶の一部だ。しかもあの痛みなら相当重要な記憶かもな。」

「え……?ソーマさん、何かあったんですか?」

「あー………まぁいいか。」

 

言うべきか迷ったが、シリカに俺の記憶のことを全部話した。シリカも最初は驚いていたが、真剣に聞いてくれた。

 

「そう、だったんですか……。」

「なに、記憶なんてそんなすぐに思い出さなくていいんだ。ゆっくりと時間をかけてな。焦る必要はない。あ、ちなみにこの話は内緒で。」

「わかりました。………もう、行っちゃうんですか?」

「ああ。結構前線から離れちゃったしな……」

 

シリカは残念そうにしながらぐーっと腕を伸ばした。

 

「こ、攻略組なんてすごいですよね。あたしなんて、何年経ってもなれないや……。」

「レベルなんて、ただの数字だよ。この世界での強さなんて、単なる幻想に過ぎない。そんなものより、もっと大事なものがある。次は現実世界で会おう。また今日みたいに友達になれるさ。」

 

キリトのその言葉にシリカはニコッと笑った。その顔は夕日に照らされ、とても眩しく見えた。

 

「んじゃ、ピナを呼び戻してあげようぜ。」

「はい!」

 

元気に答えるとシリカはメニューを操作し、淡くペールブルーに光る羽根『ピナの心』と真っ白な花弁をもつ『プネウマの花』を出し、花の雫をそっと羽根にぽとんと落とす。

 

途端に羽根は光りだし、徐々に小竜の姿を形作っていく。

 

「きゅるるっ‼︎」

 

1枚の羽根から懐かしの小竜が蘇り、部屋を元気に飛び回ると、主人のシリカの胸に飛び込んだ。シリカもそれを受け止め、涙ぐみながらごめんね、ごめんねと何度も呟いていた。

 

「俺のこと覚えてるか?」

「きゅるっ!」

「そうかそうか、お前はいい子だなぁ。」

 

フワフワと触り心地のよい頭を撫でて再会を喜ぶ。半年以上会ってない俺のことを覚えてるとは、かなり賢いな?

 

「ピナ、あたしたちを助けてくれたキリトさんだよ。」

「よろしくなピナ。」

「きゅるっ!」

「よし、祝いだ!俺とキリトが奢るから好きなもの食べていいぞ!」

「わぁ!ありがとうございます!」

「きゅるるっ!きゅるるっ!」

「おい?!勝手に決めるなよ!」

「今回くらいいいだろ?お兄ちゃん(・・・・・)?」

「お前なぁ……」

 

ご機嫌なシリカとピナに諦めた様子のキリトを連れて部屋を出る。3人以上での食事はかなり久々で、雑談をしながら暖かい時間を過ごした。

 

 

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