下拵え 現状/逆転の策/ユグドラシルズアイテム
カワサキさんを学校に残してホシノちゃんとアルバイトに来たけど、カワサキさんの言っていた連邦生徒会がアビドスを潰そうとしているという可能性の話がどうしても頭を過ぎる。カワサキさんはあくまで第3者、そしてこのキヴォトスの内情を知らないと前置きした上での仮説と言っていたけど……。
(でもなにか納得してる私がいる)
DU地区で行なわれる各学園の生徒会長の会議でも私はいつも無視されるし、予算の話が出てもアビドスには一切触れられない。たまに話があれば私達の他校への転校の話だったりと私が望んでいるアビドス復興の話には一切触れられないし、私がその事を話しても議会を通せの一点張りで私達の話を聞く気がないのは薄々感じていたが、それが当事者が1人もいない過去の因縁が原因の可能性とは夢にも思っていなかった。
(勝ちすぎた……か)
鉄拳政治のシェマタ。伝説になっているほどの生徒会長だが、カワサキさん曰く勝ちすぎたらしい。追詰めすぎると追詰めた相手は何をしでかすか分からない。だからある程度でとめないといけないらしい。だけどシェマタさんは自分の正義感に従い追詰めすぎてしまった……。それが遺恨となりアビドスへの支援が一切行われない理由の1つだとカワサキさんは言っていたけど、そこまでやられた連邦生徒会が悪いんじゃ……とそこまで考えた所で勢いよく頭を振ってその考えを頭の中から追い出す。
「ああ、もう。止め止め! 身体動かそう」
考えれば考えるほどに腑に落ちる点があり、気分が落ち込んでくるので体を動かして忘れようと思い荷持つ運びに集中すれば、あっというまにお昼の時間になる。
「ホシノちゃん。お昼にしよ」
「……ですね」
ホシノちゃんは普段の二割り増しで眉が寄っていて、私と同じ様に連邦生徒会への疑いがあるのは一目で分った。いや、元々疑いはあったのだ。それがカワサキさんの指摘で疑いから確信に変わってしまったのだ。
「今日はとりあえずアルバイトの帰りに土地の権利についての書類を発行して帰ろうか」
「はい。後は時間を見てもう1度砂漠に行って鉄道の利用権の書類を見つけないと」
「うん……」
砂漠鉄道の利用権――アビドス復興の一助になるはずの書類を納めた鞄は私が遭難した近くにまだ落ちているはず。それも見つける必要がある。1発逆転とまではいかないが、復興の為にはあの利用権の書類が必要だ。
「はい。これホシノちゃんの分」
「ありがとうございます。ユメ先輩」
「お礼は私じゃ無くてカワサキさんに言ってあげてよ」
アルバイトがあるというとカワサキさんはすぐにお弁当を作ってくれたし、気をつけてと見送ってもくれた。普段は見送る側なので見送られるというのは中々斬新な気持ちになった。
「あ、お弁当サンドイッチだね」
お弁当の中身はシンプルなハムとチーズのサンドイッチに、ツナマヨ、野菜サンドがそれぞれ2個ずつ収められていた。
「手抜きって言ってましたけど、あの人の手抜きの判断基準ってなんなんでしょうね?」
「わかんない……」
私とホシノちゃんの料理よりも高い水準のサンドイッチを手抜きと言って出されるのは正直ちょっと複雑だ。バスケットに収められているサンドイッチはこのままお店で出しても通用するレベルだと思う。
「ふわふわッ!? え、なんで」
「本当ですね。なんでこんなにふわふわなんですか?」
1口齧って驚かされる。お弁当なのにふわふわでまるで出来立てのようなサンドイッチだ。しかも丁寧に耳を切り落とし、耳は油で揚げて粉砂糖を振って軽いデザートにまでしてくれている。
「ツナマヨなんて久しぶりですよ」
「本当だねー」
スーパーやコンビニが閉店してしまい。食べるものを確保するのも苦労することが多い、その中でも缶詰系は最初の方に食べつくしてしまったので本当に久しぶりだ。
「全然パンに油がしみこんでないね」
「多分挟む前に取り除いているんでしょうね。どこが手抜きなんでしょうね?」
「……だねー今度はハムサンド食べよーっと」
しゃきしゃきとしたレタスと薄いけどしっかり塩気と食べ応えのあるハムと具材を包み込む薄切りチーズのまろやかさ。そしてふわふわのパンの食感はどう考えても手抜きとは思えないレベルだった。
「でも夜はちゃんと作るって言ってたから楽しみだね」
「手抜きでこれ、真面目に作られた料理がどんなのか楽しみですけど怖いですね」
また女子としてのプライドが圧し折られそうだが、美味しい物を食べたいという気持ちはやっぱりあってどんな料理を作ってくれるのかなーと昼ご飯を食べている時に考える事じゃないけど、ぼんやりとそんな事を思いながら美味しいサンドイッチに舌鼓を打ち、お昼からの作業への活力を蓄え、一生懸命アルバイトをし、DU地区に赴き土地について調べたのだが……。
「ひぃん……嘘でしょ」
「これはそんな……あの人の言う通りだったなんて……」
自分達の自治区だと思っていた区画の殆どがカイザーグループの物となっており、残っている区画は校舎の回りだけだった。
「戻りましょうユメ先輩。ここで呆然としていても何も変わりません」
「う、うん。とにかくこの事を伝えないと」
カワサキさんの言っていた最悪が現実になってしまったと書類を鞄に仕舞い学校に帰った私達を待っていたのは……。
「上手く行ったな。これなら……1発逆転あるか?」
「「なにをしたんですッ!?」」
校庭のど真ん中に何時の間にか作られた25mプールとその前で腕を組んで何かをぶつぶつと呟いているカワサキさんなのだった……。
キヴォトスの地図を見ながら俺は自分の失敗を悔いていた。ユメを砂嵐から救う際に置き去りにした鞄――その鞄にアビドスを復興するのに必要になるであろう札があったとは見抜けなかった。
「砂漠横断鉄道の利用権か……惜しいことをした」
ハイランダー高校が運用している鉄道を利用できれば他の地区への移動も楽になる。無論他の地区との打ち合わせも必要だが使いようによっては多数の客をアビドスに招くことが出来る。
「……カイザーに乗り込むか? ユメ達と無関係を装えば行けるか?」
キヴォトスでも指折りの大企業カイザーグループ。その中の一社であるカイザーローンから9億もの借金をしているとユメから聞いている。確かに悪徳金融なのは間違いないが、これはありえない事だ。なんせ債権を回収出来る訳がないのだから、いくら悪徳金融だとしてもこれはありえない事だ。
「9億なんて返せるわけがない。となるとカイザーの目的は返済じゃない」
学生が9億なんて返せるわけがない。となるとこの法外な利息や借金は別の目的である可能性が高くなってくる。
「そうなると連邦生徒会が噛んでいるとなると……」
連邦生徒会とカイザーが癒着していてアビドスを潰そうとしている可能性が信憑性を帯びてくるが……それと同時に別の可能性が出てくる。
「利息として回収した金を何処かに回してるか?」
ユメの話では現金でしか受け付けないと聞いているが、そのために態々輸送車で来るか? それなら素直に振り込ませたほうがいいはずだ。
だがそれをしないと考えるとユメ達から巻き上げた利息は移動の痕跡を残さずにどこかに使われている可能性もある。自分の懐にそのまましまってるとか、赤字になってるグループ会社の資金の補填などに使われているかもしれない。次にカイザーの目的が金ではなく、土地と仮定することも出来る。無理な利息を請求し、自分達から出て行かせようとしているから回収出来ない額を請求してる……つまりそこまでする価値がこのアビドスの土地にあるのか?
「そこまでしてこの土地が欲しいのか? ユメの話では資産的なもんは殆どないらしいが」
連邦生徒会が関係ないと仮定した場合。カイザーグループは借金や住んでる人間に圧力を掛けてまでこの土地が欲しいってことになってくる訳だ。鉄拳政治のシェマタとやらの因縁があったとしても、転校や移転させてまでアビドスを潰したいとは思えない。何か別の目的があるような気がしてならない。
「活かさず殺さず……か、報復か、それとも誰かのためか……」
救うつもりもないが殺すつもりもない、何らかの目的があるように思えるがその目的が見えてこない。
「……駄目だな、情報が足りない」
あくまで俺が言っているのは可能性で証拠も確証もないが、限りなく黒に近いグレーと見て間違いない。しかしこの砂漠にそれだけの価値が……。
「いや待てよ、アビドス……エジプト神話の太陽の船……確かラーの船? ブループラネットさんがそんな事を言っていたような……?」
考古学者でもあるギルメンのブループラネットさんの講義でそんな話を聞いたような……いやそれを言えば。
「ホルスの目……? となるとアビドスは……オシリスの復活の……」
ユグドラシルのエジプト神話をモチーフにしたイベントに興奮したプループラネットさんからの話で色々と聞いたが、断片的にしか思い出せん。だが確かホシノの頭の上のヘイローはホルスの目に良く似ていた気がする。となるとホシノ達はエジプト神話と何か関係があるのか?
「駄目だな推測だけじゃ動けん……とりあえずカイザーの目的は後回しにして……土地を買えるか試してみるか」
アイテムボックスからイベントの収拾アイテムだった金塊を取り出してみる。
「……本物だな。本当ならこれで何とかしたいが……駄目だろうな」
俺とユメ達に繋がりがあるのがばれると間違いなく交渉は破断する。あくまで外から来た第3者としてカイザーと交渉してカイザーの出方を……と考えていると金塊から1枚の紙が落ちてきてそれを拾い上げる。
「これは……クランの結成書。待てよ、待て待て……いけるかもしれんぞ」
アビドス高校をクランのホームに設定してユメをクラン長にすれば……クランやホームに設置するタイプのアイテムを使えるかもしれん。拠点が無ければ使えないアイテムだが逆を言えば拠点さえあれば使えるアイテムが山のようにある。
「あるぞ、1発逆転。その為には解決する問題が出てくるが……いけるかもしれん」
まずは実験をする必要があるが、これが上手く行けば1発逆転の目が出てくる。反則も良い所のチートだが、アビドスを復興できる可能性が出てきた。
「感謝するぜクソ運営」
ガチャの外れアイテムで山ほど有った設置系アイテム。殆ど使う事がなかったが、ここに来て有効活用できる可能性が出来た。
「となればまずは実験だな」
校舎から出てまずは試しにとアイテムボックスを開き、設置系アイテムを選ぼうとすると目の前に画面が浮かんできた。
『コンビニを設置しますか はい/いいえ 1000点消費』
「どうなってんだが、まぁ便利だから使うけどな」
はいをタップすると校庭にコンビニが現れる。中に入ってみると商品もきっちり陳列され、クーラーも効いている。
「どれ……ちっ、駄目か」
食品の1つを手に持ってみるが賞味期限が10年近く切れている。そこまで上手い話はないかと苦笑しつつも、ユグドラシルの金貨の消費で施設を設置出来るのはメリットしかない。
「となるとこっちの方が喜ばれるか?」
もうすぐユメ達が帰ってくる時間だ。今までアルバイトをしていたのだから少し気分転換になればと思い、校庭にプールを設置してみる。
「上手く行ったな。これなら……1発逆転あるか?」
水がちゃんと入っている25mプール。このレベルでも1500ポイントで設置出来るなら本当に1発逆転の目が出てきた。
「「なにをしたんですッ!?」」
これからの事を考えている俺の後ろからユメとホシノの絶叫が聞こえて振り返る。
「おお。おかえり、なんかできるかなって思ったら出来た」
「思ったら出来たじゃないんですよ。出来たじゃ!?」
ホシノが怒鳴りつけてくるので俺は両手をホシノに向けた。
「まぁ落ち着け。まずはアルバイトお疲れ様だ」
「あ。は、はい。じゃなくてですね」
「カワサキさん! このプールは入れますか!?」
「入れるぞ。気分転換にどうだ? その間俺は飯を作ってるから」
「やったー! 汗でべたべただしホシノちゃんプールはいろーッ!」
「え、あ。待ってくださいユメ先輩! この人にもっと話を聞かないとッ!?」
ユメに引き摺られていくホシノを見送り、俺は夕食を作るのと、男がここにいたんじゃユメとホシノが楽しめないだろうと思い家庭科室へと足を向けた。
校庭に出現したプール……何を言ってるのか分からないが冷たい水で満たされたプールでユメ先輩と泳ぎ、火照っていた身体と頭が冷え、とても良い気分転換が出来た。
「ふわー……泳いだねぇ。凄い気持ち良かった」
「はい、凄くすっきりしましたが……この水校舎から引いてないですよね?」
「それはないと良いな……」
水道代がとんでもない事になるんじゃ? という一抹の不安を抱きながら身体を拭き、予備の下着と制服に袖を通して家庭科室へ向かう。
「おう。プールはどうだった?」
「冷たくて気持ち良かったです!」
「そりゃ良かった。丁度飯も出来たぞ」
カワサキはそう言うと私とユメ先輩の前にお皿を並べてくれたのですが……。
「これはカルボナーラですかね?」
「本場風のな。生クリームを使う事が多いが、本場では卵とチーズ、それとグアンチャーレとペコリーノチーズを使う」
ユメ先輩が小声で分る? と尋ねてくるが意味不明である。ただキヴォトスでは余りに見ない本場イタリア風のカルボナーラということは分かった。
「まぁ温かいうちに食べな」
「それでまた気が重くなる話ですか?」
皮肉では無いが、どうしても良い話が待っているとは思えなかったので思わずそう尋ねる。
「いや、良い話だな。もしかすると1発逆転あるぞ、下準備も必要だがな」
「本当ですか!?」
「クリアしないといけない事が山ほどあるけどな。可能性は出てくると思う、まぁまずは飯を食え。話はそれからだ」
そう笑いながらカワサキは机の上のワイングラスに冷蔵庫から取り出した瓶を向ける。
「み、未成年ですよ!? 私達」
「みりゃ分るよ。これは葡萄ジュースだ。未成年に酒を飲ませる訳ないだろ?」
そう笑ってコルクを開けてグラスに葡萄ジュースを注ぎ、私とユメ先輩の前に差し出し、フライパンなどの後片付けを始める。
「い、いただきます」
「はいよ、召し上がれ」
振り返る事無く言うカワサキの作ってくれたカルボナーラにフォークを刺して巻き取り口へ運ぶ。
「お、美味しい……え、え、何これ」
「美味しいです……」
今まで食べたカルボナーラよりもずっと濃い、濃厚な味に驚かされる。まろやかで濃厚なクリームに、塩気と脂身の強い角切りの豚肉の味わい。たまに食べるカルボナーラとは雲泥の差があった。
「グアンチャーレはパンチェッタより脂身の層が厚くて脂身独特の甘さとコクが強い。それにペコリーノチーズは羊のミルクのチーズで甘さと濃い目の塩が特徴だ。ベーコンと生クリームで作るカルボナーラよりも美味いだろ?」
カワサキの言ってる事は本当に分からないが、とにかく拘った美味しいカルボナーラって事だけは分かった。
「凄く美味しいです! ね、ホシノちゃん」
「はい、流石プロって感じです」
外の世界の料理人だけあって学生とは作る料理のレベルが違うって事は良く分った。それにカワサキだったら普通にトリニテイやDU地区の高級レストランでも働けると素直に思ってしまった。
「煽ててもアイスクリームくらいしか出せんぞ」
「「出てるじゃないですか」」
思わずユメ先輩と声を揃えて言ってしまった。いつもなら大人なんかと、私達を苦しめる相手くらいにしか思わず嫌悪感しか抱かないのに、何故かカワサキには自然体でいられる……それくらいカワサキは私の知る大人とは違う大人でした。
「クランですか?」
夕食を食べ終えた所でカワサキが切り出したのはクランを結成しようという物でした。
「そうクランだな。その拠点をここアビドス高校にして、クラン長をユメにする。それでクランアイテムが使える」
ゲームみたいな事を言い出したが、校庭で見たプールを思い出す。
「あのプールもクランアイテムとやらですか?」
「いや、あれは普通のアイテムだな。クランアイテムは施設系のアイテムになる……例えば超巨大プールや遊園地にショッピングモールとかな?」
その言葉に私もユメ先輩も顔を上げた。カワサキが何をやろうとしているのかを理解したからだ。
「他の自治区から人を集める遊ぶ場所を作るんですね!?」
「確かにそれなら1発逆転あるかもしれません」
かつては砂祭でアビドスは発展していた。だがそれを行なう大オアシスが枯れ、多発する砂嵐がアビドスを衰退させた。今ではゴーストタウンその物だが、そのクランアイテムを使えば元金無しで開発が出来る……と思ったのですが……。
「え、駄目なんですか?」
カワサキの表情は芳しくなく、私とユメ先輩が思っているようなことは出来ないのかと不安が過ぎる。
「現状は残念ながら無理だ。まず土地が足りないし、交通の便が最悪だ。そして何よりも維持費が必要になる」
カワサキがいうにはクランアイテムの設置にはコストが掛からないが、維持するにはコストが必要になるらしい。
「そのコストはどうやって稼げば?」
私がそう尋ねるとカワサキは虚空から巨大な鉄の箱を取り出した。
「エクスチェンジボックス。これに道具を入れれば設置形のアイテムの維持に必要な金貨が手に入る。多分キヴォトスの金を入れればそれがそのまま維持費に変換できる……筈」
「つまりそのエクスチェンジボックスで換金する訳ですが、どれくらいのレートかわからないと」
「そういうこと。俺もある程度手持ちはあるが長く続けることを考えれば絶対足りなくなる」
一過性ではなく、アビドスを観光名所とすることを考えればその維持コストの確保は必要不可欠になるだろう。
「それに土地だけじゃなくて人員も必要だ。俺とユメとホシノだけじゃな……どうやっても運営出来ない」
「あーそっか……だから可能性ってことですね」
ショッピングモールや遊園地、巨大プールを準備出来ても3人では到底運用等出来るわけがない。だが……前向きになれる明るい提案だった。
「カイザーに取られた土地を取り返して、協力者を確保して、維持費を……「オラア! 今日こそ校舎を貰うぜっ!」 ユメ先輩!」
「もう! 大事な話をしてるのに! カワサキさん顔を出さないでくださいねッ! 流れ弾が飛んでこないとは言えないので!」
外から聞こえて来る銃声と怒号に話を切り上げ、私達はこの校舎を奪おうとするヘルメット団を退ける為に飛び出したのだが……。
「身体が軽い?」
「なんかいつもより身体が動くよッ!」
「ぎゃあ!? なんでこんなに強いんだよ!? て、撤退、てったーいッ!!!」
何故か身体が軽い、そしてその上何時もよりも照準を合わせるのも早い上に銃の威力も上がっていて、あっという間にヘルメット団を退ける事が出来た。そういえば荷物運びのアルバイトも普段よりずっと楽だった気がする。
「ああ。そりゃあれだ、料理のせいだな。なんか身体能力が上がったりするぞ?」
「「そういうのは先に言ってください!」」
「はは、悪い悪い」
この時のやり取りで私の中でカワサキは悪い大人では無いが、天然気味で、私達を振り回す人というイメージで固まることになるのでした……。
メニュー2 おにぎり定食へ続く
クランアイテムで施設の建設と地下生活者がチートと喚くであろうプランでのアビドス復興計画の始動。ただし土地の問題、人員の問題と解決には程遠いですが、一応復興案の1つとしてカワサキさんが提示できるプランがこれですね。次回はおにぎり定食をしてみようと思いますのでどうなるのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。