リオン・マグナスのことしか考えられないテイルズオブデスティニー
『テイルズ オブ デスティニー』をクリアしたのですが……もう、リオン・マグナスのことしか考えられねえ!!
ストーリーとか、バトルとか、いいところは結構あった。もちろんリオン以外のキャラもよかった。でも、リオンのことしか考えられねえ!!
いやホント、こんなシンプルな感想ないですよ。
俺はリオンのことで頭がいっぱいなんだ。
ということで、リオンの感想を書いていこうと思います。この思い、書くことでしか発散できない。テイルズオブデスティニーの感想っていうか、リオンの感想です。よろしくお願いします。
リオン編
とりあえず「リオン編」ということで、リオンとの壮絶な思い出を、ストーリーを振り返る形で書いていこうと思います。
こいつ、思い返すと初対面の印象最悪ですよね。
だって、最初のセリフが「チッ。役立たずどもが……」「おい、まわりで寝ているばか者ども、とっとと起きろ。」ですからね。やだ、好きかも……冷たくて口が悪い男、大好き! 「うるさい女だ」って言われたい!!
しかも、顔面も好みだし。
お恥ずかしながら、そこまでいのまたむつみ先生の絵を意識したことなかったけど、リオンは本当に素晴らしいデザインだと思う。そもそも、私は根本的にリオンの顔面が好きです。中性的な美少年だからです。なんだ? ゴリゴリに面食いで悪いかよ? 意見か? 俺はリオンの顔が好きなんだよ。
「マリアンにまたしばらく会えなくなると思ってね。
挨拶するのを忘れていた」
「それだけのために?」
「寂しくなるんでね」
「仕方のない子ね。そんなではヒューゴ様にしかられるわよ」
「あんなヤツの事なんか、口にしないでくれ!」
「エミリオ…そんな事を言うものじゃありませんよ」
ちょっと待ってください。
なんですかこれ。なんなんですかこれ。
これで愛する女性がいるってことですか。
このあたりから、もう震えてきた。
リオンに、自分の好きな要素が詰め込まれすぎている。好きな具材しか入ってない弁当くらい嬉しい。こんな軽率に……こんなにわかりやすく……気難しそうで、繊細で、ちょっと女々しくて危うい感じの男の子がいつも好きになってしまう! イヤだ!! こんなわかりやすくハマりたくない!!
もっと言えば、いかにもプライドの高そうな美少年が、自分のことを「坊ちゃん」呼ばわりしてくる剣を持ってるのも萌え萌えすぎる。正直、ソーディアンの設定のおいしいところの8割くらいはここなんじゃないかと思ってしまう。シャルティエ含め、リオンの煮詰まり具合がすごい。
……と言いつつ、リオンの「危うさ」って、単純に尖りっぷりがすごいのもありますよね。こいつ、シンプルにエグめな角度の発言が多い。
それこそ、「うるさい女だ」「デリカシーのない女だ」あたりの「○○な女だ」シリーズも、リオンが2025年にTwitterやってたら絶対大変なことになってると思う。とりあえずリオンにネットを触らせない方がいい。
どっかのパーティー会話で言ってた、「女でわがままなのは、救いようがないな」とかも、もう明らかにラインを超えてる。リオンがギリギリコースアウトな発言をするたびに「(リオンくん、それは令和にはアウトだよっ……!)」と涙を流す役をやりたい。
でも、「うるさい女だ」「役に立たない女だ」「デリカシーのない女だ」と散々なじられながらも、そこそこ親交を深めて、ある日サラッと「面白い女だ」と言われたい。アカン、こっちの妄想まで平成のノリになってくる。
「リオンくんそれはライン超えてるよ」と「私はリオン=マグナスになら女でわがままとは救いようがないなと言われたって構わない」という気持ちの両立 pic.twitter.com/A1MntRZ2cT
— ジスロマック (@yomooog) August 18, 2025
「ああ、そうだよ……僕のことは放っといてくれ!」
「放っておけるわけないだろ!俺たちは仲間じゃないか」
「仲間なんて言葉を使うな!僕には仲間なんかいない!」
「この際だから言ってやる。
人は、信じていたっていつかは裏切られるんだ!」
「僕は誰も信じはしない……
だから、おまえらも、僕の事は放っておいてくれ!」
ただ、この冷たい性格と、それなりに仲間には愛着が湧いちゃってそうな人間臭さのアンバランスさが、リオン・マグナスというキャラの核なのかなと思います。同時に、このゲームに出てくるキャラで、リオンほど矛盾を抱えてるやつはいないんじゃないかなとも思ったりしてます。
仲間なんかいないと言いながら、結構スタンたちのことを評価してるっぽい。冷たくて誰も信じていないようで、マリアンを愛する気持ちはある。人間不信と愛情、冷たさと優しさ……相反するものばかりで塗り固められて、言動に一貫性がない。これほど「人間」してるやつっていないと思います。
やっぱり、自分は「人間っぽいやつ」が好きです。
矛盾を抱えてて当然だし、愛情と不信感の狭間で揺れていてほしい。あまりにも人間臭さがにじみ出ているから、リオンが好きなのだと思います。
でも、第一部終了にあわせて、リオンが離脱してしまう。
これ、かなり寂しかったです。いろんな意味でリオンが引っ張ってたゲームだから、リオンが離脱するとテンションが落ちてしまう。しかも、戦力的にも結構ダウン。いつまで経ってもリオンが帰ってこないせいで、なんかパッとしないウッドロウを引き連れたまま戦わなきゃいけない。
リオン、はよ帰ってこい!!
しばらくしたら、敵になって出てきた。
リオン、嘘だよな?
ここらへんのスピード感がすごすぎて、衝撃の事実みたいに明かされた「ルーティはリオンの姉なんだよ!!」みたいな話がサラッと流れていったのが面白い。正直、それどころではない。
マリアンを人質に取られながらも、ヒールに徹して退場していくリオン。この物悲しさとエッチさ。ハッキリ言う、リオンにすごい性欲を感じる。
そして結局のところ、ここもリオンの抱えた「矛盾」が炸裂したシーンだと思う。リオンが、仲間に何も思っていなかったはずはない。裏切ってしまう後ろめたさは確実にあったはず。でも、マリアンを守るために敵対して、散っていく。最後まで矛盾したまま、己を貫いていった。
実は最近テイルズを何作か遊んでいるのですが、いまのところ各作品の好きなキャラが3/4の確率で死んでるんですよね。なんで? テイルズの好きなキャラ死にがち【※】。リオンも、どストレートに死ぬ推しキャラでした。
正直なところ、テイルズオブデスティニーというゲーム自体、最初はあまりパッとしないなと思っていたのですが……このリオン死亡イベントを含め、第二部に突入したあたりから一気にエンジンがかかって面白くなったと思います。一番好きなキャラは死んだけどね。
やっぱり、リオンが物語を引っ張っている感じがする。リオンで軌道に乗せて、リオンがエンジンを点火している。テイルズオブデスティニー自体をリオンが牽引している。まあ、死んだけど……死んだんだけど……。
※「テイルズの好きなキャラ死にがち」の補足
イオン様→死亡
ゼロス→死亡
リオン→死亡
結構時間が飛んで、ゲーム終盤。
マリアンがリオンへの思いを涙ながらに明かすシーン。
ここ、個人的にはリオン・マグナスというキャラの大サビなんじゃないかと思ってます。そもそも、どういう経緯でリオンがマリアンにあそこまで入れ込んでいるのかが、よくわからなかった。それがついに明かされた。
根本的には、「母親に似ているから」が理由だった。母親を早くに失っていたから、父親に複雑な思いを抱えていたから、その思いがマリアンに……16歳でそんな状況に陥っていたら、そりゃたしかに歪む。
ただ、母と重ねながらも、きっとリオンは「マリアン」を本当に愛していた。そうでなければ、愛した女のために命なんか賭さない。リオンにとって、マリアンは間違いなくその価値のある女性だったのだ。
でも、マリアンは内心「この子は母親の影を追っているにすぎないんだ」と、半ば憐みの目を向けていた。このすれ違いが、かなりグロい。命をかけるほどの愛だった。でも、相手からは憐れみを向けられていた。
マリアンの気持ちもわかる。
まさか、16歳からそれほどの思いを向けられるとは思わない。自分も「こんな年下の子が、本気で愛してるわけないじゃん?」とは思う。でも、リオンはそれほどの男だった。リオンの愛は、ずっと一途だった。自分の必殺技に「魔人闇(マリアン)」って名付けちゃうくらい、本気だった。
とはいえ、リオンはきっと深層心理で……マリアンと母を重ねていたに違いない。「母は母、マリアンはマリアン」と区別しているのかもしれないけど、心の奥底では母への甘えや寂しさがあったはず。
その情けなさと、それでも命がけでマリアンを守る男としてのプライドのぐちゃぐちゃ加減が、リオン・マグナスという人間を物語っていると思う。キャラクターデザインの「中性的な印象」が、これでもかと活きているというか……情けないプライドと、一途な繊細さのどちらも持っている。
自分は、「キャラの人間的に見ちゃいけない部分」を見てしまうと興奮するという、なんか厄介な性癖がある。「あっ、いまリアルにイヤなとこ出たな……」と思うと、妙に興奮してしまう。リオンが無意識にマリアンと母を重ねていそうなところなんか、すごいドンピシャで興奮する。
そこを含め、リオンは、とにかく多面的なキャラだと思う。
数々の矛盾を抱えていて、プライドもあるし、情けなくて嫌なところもあるし、カッコいいところもある。男性的なところもあるし、女性的なところもある。見る角度によって、印象が変わる。ここまで繊細で、かつ芯の通ったキャラクター像を描いてくる気迫に圧倒される。
リオンは、実在する。
ひとりの人間を突き詰めて、密度と濃度を高めていった結果、「ああ、人間だ」と思わせるだけの力を纏った。それがリオンの魅力だと思います。
……って、嫌あああああああああっっっっっ!!!!!
マリアンとのくだりで「ああ、アイツは人間になったんだ」と感慨に浸っていたら、リオン本人はゾンビになって出てきた。なんというブラックジョークだ。ゴメン、ここだけはホンマに激エロとしか言いようがない。
ネプリーグのファイブボンバーで「テイルズのエロいシーンは?」と出題された場合、名倉が原田泰造とホリケンに「ホンマごめん、ゾンビリオン」と謝罪しながら回答するくらいの激エロシーンだと思う。
これで「ボクヲ……ハヤク……」とか言いながら、愛する者の名を冠した「魔人闇(マリアン)」を撃ってくるんだから、もうテイルズオブデスティニーの大トロを食ってる気持ちになってくる。うめえ、うめえ……こんなんでしか興奮できない最低な人間になっちゃう……エロすぎます……。
まあ、正直リオンが途中で退場しちゃうのは結構もったいないな……と思っていたのですが、結局最後の最後までリオンが全部持っていった感じがします。こんなリーサルがあるかよ。最後のは反則ゴールでしょう。
そして冒頭に戻るのですが、結果として、私は現在リオン・マグナスのことしか考えられなくなっているわけです。もう、リオンのことで頭がいっぱいです。私は「テイルズオブデスティニーどうでした?」と聞かれたら、脊髄反射で「リオン!(鳴き声)」と返す家畜になってしまいました。
テイルズオブデスティニーって、総体としては「エグ味」のゲームだと思うんです。全体的な読み味は割とアッサリしているはずなのに、リオンを筆頭に要所要所で毒を差し込んでくるというか、エグい角度で斬りこんでくる。その結果、なんか切れ味がすごくて、受けたダメージが消えない。
そのエグ味の根源であり、作品の切れ味を担っているのが、リオン・マグナス。そんな風に思いました。「妖刀」みたいなキャラだと思います。
キャラクター編
もちろん、リオン以外のキャラもいい味出してるとは思う。
というか、なんかキャラが全体的にデスティニーの独特なエグ味を醸し出している気がする。そんなわけで「キャラクター編」も書いてみました。リオンのことしか考えられないとは言ったけど、ちゃんとみんな好きだよ!!
スタン
こいつ、リオンと同じくらい色々言いたいことがある。
正直、リオンに負けず劣らず尖ったキャラだと思う。
なんか……スタンって見た目から受ける印象と、実際のキャラクター像が結構乖離してて面白いと思うんです。このいかにも主人公然としたビジュで、CV関智一で、実際に出てくるのはなんとも煮え切らない人間臭さ。
熱血主人公なようで、ちょっとスカしてて、単純にボーっとしてるところがあって、朝に弱くて、田舎生まれなことに若干のコンプレックスがあり、しかしカッコいいところはカッコいい。なんか、こいつがテイルズオブデスティニーにおいて最も複雑なキャラクターな気がしてならない。
リオンとは全く別の角度から、スタンの「人間臭さ」にじわじわとハマっていった感覚がある。ストレートにキャラ萌えをやっているのはリオンだけど、じわじわボディブローのように人間味が染み渡ってくるのがスタン。そういう印象がある。本当に言語化しづらい魅力のキャラだと思う。
ある意味「主人公っぽくない」というか……「主体性のなさ」みたいなのが面白いんですよね。この見た目とCV関智一で、妙にやる気なさげで、単純に抜けてて、キレると口が悪くて、意外と状況に流されがちで……普通に考えたらありえないキャラ造形だと思う。類型をあんまり見たことがない。
そもそも、村を飛び出した理由が「田舎を出て兵士になりたいから」という素朴さなのも、かなりスタンしてると思う。そう、素朴なヤツなのだ。一念発起して上京したら、しゃべる剣を手に入れて、なし崩し的に主人公に選ばれてしまった。この「素朴さ」がスタンのコアなのかもしれない。
正直、未だに「スタンはどういうキャラなのか」と問われると、「どういう……どういうヤツなんだろう……」と悩んでしまう。私の語彙で表現しようとすると、「素朴な人」「なんとも煮え切らない男」みたいになってしまう。が、それがリオンと対照的な魅力になっている。すごいキャラ配置だ。
「俺が旅に出ようと思ったのはお金が欲しかったからじゃないんです。」
「もっと強くなりたかったし、いろんなものを見たかった。」
「それに、お金じゃ絶対に買えないものも、
この旅でたくさん見つけました」
「だから、これ以上、俺はなんにもいりません」
だけど、そんなスタンも、旅の中で成長していく。
この第一部の終わり際のセリフなんか、ものすごくグッときた。なにか深い理由があって旅に出たわけじゃないスタンだからこそ、この言葉が出てくる。何も持たない人間だったから、世界に出て、多くの物を見つけられた。
そして仲間たちからも、徐々に「英雄 スタン・エルロン」として認められていく。スタン自体はなかなかクセの強いキャラクターだけど、彼の物語は「スタンの成長譚であり英雄譚」として、ものすごくストレートに描かれている。テイルズオブデスティニーは、この真っ直ぐさが心に刺さる。
特に、第一部から第二部に移行するタイミングで、ストーリー中の「リオンの退場」とスイッチするかのように「スタンの成長」が描かれ始めることで、より物語に引き込まれた。ここに「技」を感じます。
「俺は世界を救うとか、そんな目的のために戦ってるわけじゃないんだ。」
「うまく言えないけどさ、
俺はただ大切な人を守りたいから戦ってるだけなんだ。」
「ほら、俺、田舎者だからさ、
世界、なんて言われたってピンとこないんだよな。」
ただ、ストーリー全体がスタンの英雄譚として描かれていると同時に、スタンというキャラクターの根底はそこまで大きく変わっているわけではないところも、妙に深みを生み出していると思う。
たとえば、ルーティに心情を吐露する終盤のシーン。
ひょんなことからディムロスを手にして、いつの間にか世界をかけた戦いに巻き込まれていた。でも、スタンは別に世界を救うために戦っているわけじゃない。もっと、小規模な戦いだった。大切な人を守りたい。最初から、そこは全く変わっていない。スタンすぎる。
やっぱり、すごい造形の主人公だと思うんです。
世界の命運がかかった状況になって、正直に「世界がどうとかはピンと来てないが、俺はただ大切な人を守りたくて戦ってるだけなんだ」と言い出してしまう主人公って……スタンじゃないと出てこないセリフですよね。
身近な感性を持った人が、身近なまま世界を救おうとしている。キャラクターとしてはリオンやルーティの方が目立っている感じはするけど、スタンの身近な人間像が、このゲームに最も深みを生み出している気がします。
「私は嘘をついていた。おまえは選ばれた存在などではないのだ。」
「元々、人間にはお互いに意思疎通を行う力があった。」
「だが、長い時間の中で、
天地戦争が始まった頃には、人間はそれを忘れていた。」
「おまえは私と出会う前から、その資質を目覚めさせていた。
それは非常に稀有な事ではあったが、特別な事ではない。」
「その資質は誰の中にも眠っているものなのだからな」
「なんだ、そういうことか……
気にするなよ、俺は別に気にしてないからな」
「……イレーヌが言っていたな。すべての人間がみな、お前のようだったら、世界は変わっていける、とな。」
そして、最後の最後に、ディムロスから「別にスタンは選ばれた存在ではなかった」ことが明かされる。選ばれたわけじゃなかった。特別でもなかった。でも、誰しも持っている資質を目覚めさせていた。スタンの素朴で真っ直ぐな善性があれば、きっと世界は変わっていけるはずだ。
この、ラストに「何も持たない人間だったからこそ、世界を救えた」と、スタンの素朴な善性が肯定されるのが、美しい構成だなと思います。特別ではないけど、最初から誰しも持ちうる善性を秘めた人間だった。それがスタンという人間の肯定であり、英雄譚の最後の1ページ。
才能があるわけじゃない。生まれも特別じゃない。何も持っていない。でも、真面目に一歩ずつ努力して、変わっていく。自分と向き合って、成長していく。その道筋が最後に肯定される。この一連の流れが好き。
リオンはもちろんだけど、「スタンの英雄譚」としても、私はテイルズオブデスティニーが好きです。
ルーティ
かっこいい。
スタンに「いろんな意味で主人公っぽくない」とは言いましたけど、逆に自分はルーティの方が主人公っぽいポジションだよなと思っています。しかも、常にかっこいい。ヒロインというより、「ヒーロー」なのでは?
なんか、ルーティ自体は、そこまで好きなタイプのキャラクター造形ではないんです。こういう「姉貴系」というか「サッパリ系」というか……あまりハマったことがない。でも、ルーティは好き。かっこいいから。
そもそも、いのまた先生のこのデザインが好きなのだと思います。
ルーティの「女の子だけど、カッコいい」「カッコいいけど、ちゃんと女の子」という性質を完璧に汲み取って、スタイリッシュさと美しさを同時に両立してる。すごい絶妙なラインのキャラデザだと思う。
多分これ、「藤島絵のクレスだから好きなんだ」と同じで、「いのまた絵のルーティだから好きなんだ」というめんどくさい好みが発生してます。
「今までリオンをありがとう……
姉としてお礼を言うわ」
「リオンは幸せだったわ。
いつでも大切に想ってくれる人がそばにいたんだからね。」
あと、「リオンの姉」としても……すごい責任感があって、かっこいい人なんだなと思いました。リオンが敵として出てきた時は、弟だとは思わずに敵として倒した。リオン退場後のパーティー会話でも、「あたしに弟なんかいない!」と言い切っていた。
でも、改めて真相を聞いて、「リオンの姉」として、マリアンにお礼を伝える。実際ルーティにどういう心境の変化があったのかはわからないけど……ルーティなりに考えて、自力で乗り越えて、「姉としてお礼を言うわ」という言葉が出たのかと思うと、イケメンすぎると思う。
失ってから気づいた、弟の存在。
後悔しながらも、その事実を受け入れていった。喪失とか、自己の受け入れ方も含めて、ルーティはカッコいい人なんだと思います。
ウッドロウ
不遇。
平均レベル20の時期に、「レベル8」というチェスターも椅子から転げ落ちるくらいのレベル差で復帰してきた時は、正直「舐めるなよ?」と思った。でも、ゲームを進めていくうちに段々「この人はゲームそのものに愛されていないんじゃないか?」と、その不遇さがかわいそうになってきた。
まあ、復帰時のレベル差は仕方がない。
しかし、いつまで経ってもイクティノスが戻ってないからこの人だけ魔法を使うことすらままならない期間が長いのは、いくらなんでもかわいそうじゃないか!? 俺のウッドロウさんしばらく弓装備でソリャソリャ言いながら相手殴ってたんですけど!? なぜいつも弓ばかりこんな目に!?
さらに、いざイクティノスが戻ってきても、またしても他のソーディアンとレベル差が開いているせいで、全然火力が足りていない。不遇の極みだと思う。ウッドロウさんに恨みでもあるんですか? おい、CV速水奨だぞ? なんで二度も「復帰が遅れてレベル差に苦しむ」問題が発生してるの?
だから、逆に「あまりにかわいそうだから、せめてウッドロウを使い続けよう……」みたいな謎の愛着が湧いて、最後までパーティーに入れてました。不遇すぎて、逆にどうにかしてやりたくなった。これが賢王……?
フィリア
ハイドパーティ。
本当に、テイルズオブデスティニー影のMVPと言っていい人。フィリアのハイドパーティがなければ、途中で発狂していたかもしれない。
このゲーム自体は普通に好きなんですが、一点だけ明確に文句があるとすれば、デフォのエンカ率が高すぎること。序盤とか、ホーリィボトルを使ってやっと通常のRPGのエンカ率になってた気がする。でも、そのホーリィボトルを売っている店の場所すら限られているという絶望感。
そんな中で、フィリアがホーリィボトルと同等の効果を持った「ハイドパーティ」を習得した時の歓喜はもう、すさまじかった。ありがとうハイドパーティ。ありがとうフィリア。これでホーリィボトルが切れて、腐ったリンゴをフードサックに歩く必要もない。
そのまま終盤まで、ハイドパーティが大活躍し続けた。
リオンが退場したことは悲しかったけど、フィリアが退場してハイドパーティが使えなくなったら本気で発狂していたと思う。あなたがテイルズオブデスティニー影のMVPです。フィリアなしには成立しないゲームだった。
ミクトラン
誰?
よくわからない人が途中で出てきて、そのままラスボスになった。なんか、昔すごいことをした人らしい。よく知らない人に蹂躙されてる。
しかも、ラスボス戦になると、なんか気持ち悪い形態になる。
これもまた脈絡がなくてよくわからない。
これが「千葉県」と呼ばれているらしいのは、流石に面白かった。こんなチーバくんは嫌だ。てか冷静に考えたら「NEOミクトラン」ってなんなんだよ。これのどのへんが「NEO」なんだ。ネオエクスデスだってもうちょっと「NEO感」あるだろ。
全体的にポっと出だし、最終形態は気持ち悪いし、ラストバトルも強いんだか弱いんだかイマイチよくわからないバランスで、とにかくラスボスとしての煮え切らなさがすごい。ダオスの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
しかも、辞世の句すら「みんな……道連れに……して……」と情けないことを言い出すのだから、流石に「リオンはこんなしょうもないやつに利用されていたのか?」という怒りがハッキリと湧いてくる。そういう意味では、いいラスボスなのかもしれない。しょっぱすぎて逆に憎い。
夢であるように編
ミクトランのせいで微妙な空気になったので、最後に「夢であるように編」を用意しました。みなさん、これでサッパリして帰ってください。
まあ、本当に「夢であるように、名曲すぎません?」って言いたいだけのコーナーなんですけど。名曲すぎる。いままでのオープニングで一番好き。
なんか「曲の強さ」と「映像の強さ」が高次元でバランスが取れてるんですよ。どっちも強すぎるんだけど、DEENもProduction I.Gも超パワーで出力してるから、なぜか力の均衡が取れてる奇跡のオープニングだと思います。
あと、大変お恥ずかしながら、私この曲を聞くまでDEENの存在を知らなかったんです。いやホラ、あたしってば現代っ子だから……ちょっと世代じゃなかったっていうか……だから、すごい素朴に「DEEN、なんていいバンドなんだ」と思いました。この人たち、いい曲歌ってますよね。
あとなぜかテイルズに関しては、「クリア後にオープニングを見返して余韻に浸る」ところまで含めてワンセットみたいになってきていて……クリア後にオープニングを見返してみたのですが、本当に強すぎると思う。明らかにOPで「このゲーム、名作すぎる……」バフがかかってるんですよ。
ちょっと、「夢であるように」は存在感が別格だと思います。
BUMPの「カルマ」同様、曲の力でゲーム側にまでバフがかかってる。
しいて言えば、デスティニーのOPで流れる「迷い~↑」が上がっていく方が好きすぎて、アルバムとかに収録されている「迷い~↓」で下がっていく方が寸止めされてるみたいでモヤモヤすることだけが気になるんですけど……まあ、どちらにせよ名曲なのは間違いない。とにかく強すぎる。
オープニング映像を見返してて思いましたけど、やっぱりこのリオンが雨に濡れているカットとか、もうホントたまんないですよね。なんか、リオンの末路まで知ってると、余計にOPの味わいが増してくる……ウッ(動悸)
せっかくみなさんを気持ちよく帰してあげようと思ったのに、私がリオンのことを思い出して動悸がしてきたので、ここで終わります。なんか最後に自分で自分の首を絞めました。テイルズオブデスティニーって、結局どうやってもリオン・マグナスから逃れられないゲームなんだと思います。



コメント
8この令和にオリDの新鮮な感想が読めるとは…
私もリオンに脳を焼かれた一人です。
「世界の危機と友情・仲間・姉」と「愛する人の為の時間稼ぎの捨て駒」を天秤にかけたうえで迷わず後者を選び最後まで貫く姿が最高すぎる…
この作品の好きな所として広大な街のマップがありました。
イベントで一切使われることのない民家や城の部屋、ホテルの部屋、特に道具が落ちてるわけでも無いけれども世界の広がりを感じさせてくれる街でした。
最近のゲームは街と言っても入れる家は最小限で「街」を感じる事が少なくなりました。
気が向いたら街を探検してこんなところまで作り込んでいると感じるのがおすすめです。
懐かしい!
動画サイトも無い時代にプレイしましたが、雨に濡れるリオンが見たくてOPを何度も再生しました!
ウッドロウは当時も空気王とか呼ばれてましたね(笑)
2も是非プレイして欲しいです。
2のことは何言ってもネタバレになるから言えませんが、ディムロスたちが神の眼に突き刺されたその後のイベント、彼と彼がほんの少しだけ報われたような気分になれます!見て欲しいです!
リオンはダメだろう。あのストーリーでCV緑川光とか。脳焼かれるって。人生狂っちゃうよ。
滅茶苦茶良いレビューだ…