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第2話

『ワンダーランズ×ショウタイム』 オープニング
296
2025/09/16 17:02 更新
——ずっと、『誰か』を笑顔にしたかった。

その想いだけは、今も胸の奥に焼き付いている。
でも、『誰か』が誰だったのか、はっきりと思い出すことはできなかった。

いつの日か、その子は病気になって外に出られなくなってしまった。
部屋の窓から、外の光だけをじっと見ていた気がする。

誰かが笑顔を失っていく姿を見て、幼いオレは何度も心をざわつかせた。

どうしたら、あの子を明るい顔にすることができるんだろう。
どうしたら、またあの笑顔に会えるんだろう。
小さい頃のオレは、ただそればかりを考えていた。

でも、小さかったオレには、どうしたらいいかわからなかったんだ。
そんな時、あの子の父さんと母さんが、
あの子と一緒にショーに行かないかと誘ってくれて……

オレはその誰か——いや、『あいつ』と一緒にショーを見に行って……
その日は、忘れられない日になった。
柔らかな照明が劇場の中を包み込み、
観客席は期待に胸を膨らませる人々のざわめき、そして笑顔で満ちていた。
わあ……!すごいすごい!
隣で声を弾ませながらショーを見ているあいつは目を輝かせ、
今にも飛び跳ねそうなほど身を乗り出している。

頬は興奮でほんのり赤く染まり、無邪気な笑顔が灯りに照らされてきらめいた。

その指先が勢いよく前方を指すたび、あいつの瞳の中に映る光が揺れて踊っていた
シンタくん、あの人達、みんなキラキラで……
とーっても縺ォ縺薙↓縺薙o繧薙□縺サ縺?□縺ュ縺」?!
…途中、あの時のあいつが何を言っていたか思い出せないけれど、
声の震えと興奮が、胸の奥まで伝わってきていたのは覚えている。
幼いシンタ
そうだな……!すごい!本当にすごいな!
オレも、言葉が出るくらいに圧倒されていた。

それにあいつが笑ってる……!こんなに笑ってるの、いつぶりだろう?
いや、あいつだけじゃない。

他の人達もみんな、主役の人が歌って踊るたびに、
段々と笑顔になって言って……眩しいくらいだった。
胸の奥がじんわり熱くなる。

光と笑顔の渦に包まれると、どうしてだか心まで軽くなる気がした。
あ……。だから主役の人を『ヒーロー』って呼ぶのかな……?
……ショーはこんなに楽しいのに、見れなくなっちゃうのさびしいな…
またおじいちゃんと……それにシンタくんとも、
ワンダーステージでショーが見れたらいいのに…
あいつが小さく呟く。

あの時のオレでも声の端に、寂しさが混じっているのを感じる。

それにオレの胸も、ぎゅっと締め付けられていた。
でも……あたし、病気でお外に出られないから……もうむりだよね……
手がわずかに震えていた。

言葉にできない悲しさが、こちらにも伝わってくる。
幼いシンタ
⬛︎⬛︎……
思わず声をかけた。

どうしていいかわからず、ただ隣で見守ることしかできない自分に、少しもどかしさを感じる。
幼いシンタ
……そうだ!それなら——
⬛︎⬛︎の目が、わずかに光を取り戻したように見えた。

その瞬間、胸の中で何かがふわりと動いた気がした。

オレにも、あいつにも、希望がほんの少しだけ差し込んできたような気がした。
ー数年後ー
ーシンタの部屋ー
シンタ
来たぞ……!ついにこの日がやって来た!
シンタは拳をぎゅっと握りしめ、胸の奥の高揚を抑えきれずに声を張る。

外の空は澄み渡る青空で、柔らかな日差しがカーテン越しに部屋の中を温かく照らしていた。
シンタ
空も晴れているし、これはきっとオレのヒーローとしての門出を、天が祝福しているに違いない!
腕を大きく広げ、天に向かって宣言する。

部屋の壁に向かって、自分自身を鼓舞する声が反響して、胸の奥でワクワクとした熱がますます膨らむ。
シンタ
ハッハッハ!さすがオレ!これなら今日のオーディションも、その場で合格が出るだろうな!
鏡の中の自分を見つめ、笑みを浮かべる。

ヒーローになれる気がして、体の隅々まで力が満ちていくような気がした。
シンタの母
シンター!アンタ何騒いでんのよ、騒ぐのもほどほどにしなさい!
母さんの声が廊下越しに響く。慌てて声を落とし、背筋を伸ばす。
シンタ
む、母さんか。別に騒いでないぞ、発声練習も兼ねて壁に向かって喋ってただけだ
必死に取り繕うものの、胸の高鳴りは止まらない。
シンタの母
それって、ただの大きな独り言でしょ……
母さんが苦笑混じりに呟いた。
シンタの母
あ、それより今日アルバイトの面接よね!頑張って来なさい、シンタ!
シンタ
面接じゃない!オーディションって言ってくれ!そっちの方がカッコいいし!
シンタは手を広げて訴える。

心の中では、今日が自分の夢に一歩近づく特別な日だという確信が燃え盛っていた。
シンタの母
シンタって、昔から変なところにこだわるわよねぇ…
母さんの声には、呆れと優しさが混ざっていた。
シンタの母
…でも、ちょっと嬉しいわ。自分の息子が夢に近づいてるって感じがして。昔から、ヒーローになるって言ってたもんね
シンタの母
アンタがヒーローを目指し始めた理由って確か…
シンタ
オレがヒーローを目指した理由か、それはもちろん……あー……えーっと…………なんだったっけ?
母さんの声を遮って、手のひらをもぞもぞさせながら考え込む。

目の前の大切な理由が、どうしても思い出せない。

胸の奥に、もやもやとした不思議な感覚が広がる。
シンタの母
はぁっ!?アンタ、そんな大事なことを忘れちゃったの!?
母さんの声に、自分のど忘れの重大さを改めて突きつけられる。
シンタ
ど、ど忘れしただけだ!えーっと、えーっと……あっ、もちろんアレだ!
呆れている母さんの前でオレはバッと胸を張る。
シンタ
このオレが、天から与えられた才能を持っているからだ!与えられた才能を無駄にするわけにはいかないからな!
シンタの母
……もうすっかり忘れちゃってるじゃない…
母さんの呆れた声に、今度は逆に心の奥で安心するような感覚が芽生える。
シンタの母
でもそう言われると、その理由もある気がして来たわね。シンタらしいし!
シンタ
そ、そうだろう!当然、今日のオーディションも颯爽と合格っしてやる!
拳を握り直す。
胸の奥で、夢に向かう熱がうねるように湧き上がってくる。
シンタ
そしてオレは——絶対にヒーローになって見せる!
その言葉を大きな声で叫んだ瞬間、スマホが白くピカッと光った。

部屋の中に、一瞬鋭い光が差し込む。
シンタ
あれ?
目を細め、スマホの画面を見る。
シンタ
今、スマホが何か光ったような……?
胸の奥に、なぜか小さな違和感が残る。

ワクワクと同時に、どこか得体の知れない予感が背筋を走る。
シンタの母
え?そう?そんな事より、早く準備しないと!じゃあシンタ、頑張ってね!
シンタ
あ、ああ……
母さんの声に返事をしながら、スマホを手に取り画面を確認する。
シンタ
うーん…別にメールも来てないし……変だな?
それにオレがヒーローを目指し始めたのは、なんでだったんだっけ……何か、大切なことを忘れているような……

胸の奥で、ぼんやりとした不安が広がる。

今日という日への高揚と混ざり合って、妙に胸がざわつく。
ふと目の前に表示された曲のタイトルが目に入る。
シンタ
ん?なんだ、この曲は……?『Untitled』?
スマホに触れた瞬間——ピカッ!
シンタ
うわっ!?まぶしっ……!?
光が視界を覆い尽くす。

部屋全体が眩しい白い光に包まれ、現実と幻想の境界がふわりと揺れる。

——シャラララララララン!

澄み切った音色が弾けるように広がった瞬間、
部屋全体がまばゆい光に包まれた。

何もかもが光に飲み込まれ、シンタの姿は光に溶けていった。
ー???ー
煌びやかな照明に包まれたショーステージ。

天井には青と赤の幕が幾重にも垂れ下がり、
星形のライトがまるで夜空の星のように輝いている。

舞台中央には大きなモニターが設置され、鮮やかな模様を映し出していた。
シンタ
……ん?ここは……ショーステージ?
シンタはゆっくりと目を開け、目の前の光景に言葉を失った。

ついさっきまで自分は部屋にいたはずだ。

音楽を再生した——ただそれだけだったはずなのに、
気がつけばこんな場所に立っている。

あまりに唐突すぎる変化に、彼の思考は追いつかなかった。
シンタ
オレは部屋にいたはずなのに、曲を再生したら急に……
シンタ
ううーん?いや、これはきっと夢だな
現実味を欠いた鮮やかさと、不思議な既視感。

どこか懐かしい気持ちすら胸に広がって、シンタは戸惑いを隠せなかった。
それにしても、ずいぶん変わった大道具やら小道具があるな。
一体、どんなショーで使うんだ?
……それに、なんでかこのステージ、妙に懐かしい気持ちに……
——その時。
初音ミク
やっほ〜☆シンタくん!
弾けるような明るい声が、舞台袖から響いた。
シンタ
なっ!?誰だ!?
慌てて声のする方を振り向いたシンタの目に飛び込んできたのは、
鮮やかな衣装に身を包んだ少女だった。

猫耳のような飾り?をつけ、両腕を大きく振りながら彼に笑いかけている。
初音ミク
ミクだよ〜!
シンタ
ミクって……まさか、あの初音ミク!?確かに見た目は似てるけど……
シンタが呟くと、今度はもう一つの声が舞台に重なった。
KAITO
僕もいるよ、シンタくん。ようこそ!
そこに立っていたのは、気品ある王子様の様な衣装を纏った青年。

青い髪が照明に反射して、柔らかく輝いている。

あれはどう見ても……
シンタ
おわっ!?お前、カイトか……!?
ミクにカイトまで出てくるということは……これはやっぱり夢だな!そうに違いない!
必死にそう言い聞かせるが、自分がいつ眠ったのかすら覚えていない。

混乱する彼に、ミクが満面の笑みで告げた。
初音ミク
ここはセカイだよ、シンタくん!
シンタ
は?セカイ……?
KAITO
そうだよ。このセカイは、シンタくんの想いから生まれたセカイなんだ
シンタ
オレの想い……?生まれた……?な、なんだそれは?訳がわからん!
シンタ
それに二人は一体ここで何をしているんだ!?
問い詰めるシンタに、カイトが優しい眼差しを向けた。
KAITO
ミクと僕は、シンタくんに本当の想いを見つけてほしくてここにいるんだ。
シンタくんが本当の想いを見つけられたら、その想いから歌が生まれるからね
シンタ
ふむふむ……なるほどなるほど……。オレの想いから歌がね……
シンタ
全くわからん!!
初音ミク
え〜〜っ!?!?
驚くミクの声がステージに響く。
シンタ
それに、オレの本当の想いは昔から決まっている!
世界一のヒーローになることだ!
胸を張るシンタ。だが、カイトは少し困ったような顔をしている。
KAITO
う〜ん、それはそうなんだけど……
KAITO
シンタくんは、どうしてヒーローになろうと思ったか覚えているかい?
シンタ
どうしてって……それは、アレだ
シンタ
才能あるこのオレが世界一のヒーローになれば、
世界一のショーができるんだぞ
初音ミク
うんうん
シンタ
そうしたら、ショーを見に来たみんなが……
初音ミク
みんなが……?
シンタ
オレに注目すること間違いなし!!
ヒーローのオレを見て、泣いて喜ぶだろうな!
誇らしげに語るシンタに、ミクは困ったように眉を下げた。
初音ミク
うう〜ん……。やっぱり、忘れちゃってるみたいだね〜
KAITO
シンタくん……
シンタ
な、なんだ。どうしてオレをそんな哀れんだ目で見るんだ!?
KAITO
ごめんごめん。
たとえ時間がかかっても、シンタくんが本当の想いを見つけてくれたら嬉しいな
KAITO
でも……。
このセカイに来て、もし懐かしいって思ったなら……
その気持ちは、どうか忘れないでほしい
シンタ
懐かしいって……どうしてそれを……?
問いかけるシンタに、ミクは満面の笑みを浮かべて両手を振った。
初音ミク
今度はみんなでセカイに来てね、シンタくん。
一緒に歌って、楽しいショーにしようっ☆
初音ミク
みんなもきっと、シンタくんと同じ想いを持ってるから!
シンタ
おい、みんなって誰だ?さっきから疑問しかないんだが!
KAITO
きっとすぐ会えるよ。
シンタくんが本当の想いを見つけたいって思っていれば、ね
初音ミク
それじゃあ、シンタくん!また会おうね、バイバーイ☆
元気に弾ける声とともに、シンタの姿は光に溶けていく。
シンタ
え、え!?ま、また会うって、お、おい……!?
そして、数秒も経たないうちに自分の姿は光に包まれ消えていった。
ーシンタの部屋ー
——気づけば、シンタは自分の部屋に戻って来ていた。

窓から差し込む朝の光が、赤いベッドカバーの上に柔らかく広がっている。

まだほんのりと眠気の残る頭で、シンタはぼんやりと天井を見つめていた。
シンタ
あ、あれ……?
ゆっくりと上体を起こすと、いつもの見慣れた部屋が目に映った。

本棚には雑然と並ぶ本、勉強するときにはほとんど使わない机、
床の上には開きっぱなしの本が無造作に転がっていた。

何も変わらない日常の光景なのに、胸の奥に妙な違和感が残っていた。
シンタ
オレは、寝てたのか?
夢と現実の境界がまだ曖昧で、思考がまとまらない。

さっきまで確かに自分は、あの眩しいステージに立っていた気がする。

煌めくライト、豪華な装飾、そして——あの元気な声と優しい声。
シンタ
なんだか変な夢を見ていたような……。
たしか、妙にテンションの高い初音ミクが……
呟いた瞬間、階下から甲高い声が響いた。
シンタの母
シンタ!バイトの面接行かないの?早くしないと遅刻するよ!
シンタ
わっ、わかってる!
慌てて返事をしながら、シンタはベッドから飛び起きた。

窓の外を覗けば、もう太陽は高く昇り始めていた。

時計を見なくても、約束の時間が迫っていることは容易にわかる。
シンタ
あと面接じゃない、オーディションだ!
声を張り上げながら、急いで階段を下る。

けれども頭の片隅では、まだあの夢の余韻が離れなかった。

あのステージで感じた懐かしさ…そして、ミクとカイトの言葉。
シンタの母
もう、どっちでもいいでしょ!ほらほら、いってらっしゃい!
背中を押すような声が、現実へとシンタを引き戻す。

とにかくあのことは置いておいて、今はとにかくオーディションに向かうことにした。
ーフェニックスワンダーランドー
青空の下、色とりどりの風船が舞い、きらめく噴水が涼しげな音を奏でる。

観覧車のゴンドラは、まるで空に浮かぶ宝石のように光を反射し、
メリーゴーランドの馬たちは今日も楽しげに回り続けていた。

カラフルな列車が頭上を走り抜け、軽快な音楽がどこからともなく響いてくる。

そんな夢のような舞台へと息を切らしながらも、
シンタはどこか余裕を感じさせる笑みを浮かべていた。
シンタ
……ふう、ギリギリになるかと思ったけどオレの俊足なら予定通りの時間に着きそうだな。さすがオレ!
胸を張り、声を弾ませる。

その声は広場に、その自信に満ちた響きがよく通った。
シンタ
ふふん、今日はオレがスターへの第一歩を踏み出す日。
まずは、オーディションで一番目立ってやるからな!
まぶしい太陽の光が、その瞳に力強さを宿す。

噴水の飛沫が風に乗って頬をかすめても、気持ちは揺るがない。
シンタ
よーし、待ってろよ!オレのショーステージ!!
声高らかに宣言すると、彼は勢いよく前へと歩き出す。
色とりどりの旗が風に踊り、遊園地全体が彼を歓迎するかのようにきらめいていた。


      『『『『ワンダーランズ×ショウタイム』』』』
Q.なんかオリジナル要素混じってない???

A.そうでもしないとストーリーが成り立たないんです()

はい…なんか…オリジナル要素がいつの間にか混じってました☆((

とりあえずオリジナル要素も時々はありますが…オリジナルの部分は考察するなり煮るなり焼くなりしてください!!

そして文章の書き方も視点ごとに変えようと思ったのですが…段々とニーゴの時と同じようになって行ったのは気にしないでください((

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