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VM JAPAN(感想)_つくりこまれた世界観と初級~上級者まで楽しめる難易度

「VM JAPAN」は日本ファルコムより2002年に発売されたSLG(シミュレションゲーム)。発売当初の対応機種はWindows95/98を含むようなゲームで、通常版の発売3ヶ月後にパワーアップキット(富嶽幻遊記)が発売され、後にPS2対応版も発売されている。
和の世界観がよくつくり込まれ、適度な難易度のSLGのため、たまに思い出したように未だにプレイしたくなるゲームのひとつ。
以下、ネタバレも含む感想などを。

和風にすることで、設定がより身近に

VM JAPANのゲームシステムは、1997年に日本ファルコムから発売された『ヴァンテージ・マスター』のゲームシステムを踏襲したSLGで、時代設定や人物を和風にリメイクことで、モチーフにした人物や妖怪に対する知識があるから、召喚する幻魔や人物に親近感を感じられるようになった。
1枚マップ上を1対1で戦い、勝利条件はどちら一方が降伏または幻魔使いの体力が無くなるまでとなり、個性豊かな幻魔たちを召喚して戦うターン制SLGとなっている。
モンスターを召喚するSLGというと、大まかなところは「マスター・オブ・モンスターズ」に似ているが、ターンの切替は各チームごとではなく各ユニットごとで、本作の方がユーモアの要素が多めになっている。

本作の魅力は、戦国末期~江戸初期の日本を模倣した舞台設定で、ポピュラーな妖怪や神など、人ならざる存在をモチーフにした幻魔たちを戦わせられるところにある。

トキノオツGET

例えば、亀に乗った乙姫様”トキノオツ”と、遮光器土偶を模した”イシゴヘンゲ”を戦わせたり、臼に入って移動する月の兎”ダイダホウシ”は、餅を投げつけて攻撃してくる。文字面はシュールだがマップ上の幻魔はデフォルメされているためむしろ楽しげ。

また、マップ上の幻魔たちが音声付きでアクションするのも芸が細かく、かぐや姫をモチーフにした”ヤトノカクヤ”が攻撃を受けると「月に帰ります」と拗ねてみたり、足を生やした鯛の”ジャコウダイ”は関西弁でハリセン持ちだ。
そういった幻魔たちのアクションはスタッフ紹介のエンディングが見ものとなっている。墨絵で描かれた幻魔の横にデフォルメされた幻魔たちによる細やかな演出が秀逸で、これが見たくて何度もクリアしたくなってしまう。
また、マニュアルや「ヴィジュアルブック」に掲載されたイラストの完成度が高く、幻魔同士の入り乱れたバトルの世界観のイメージが膨らむ。

マニュアル_01

バリエーション豊かな戦略性について

「地 / 水 / 火 / 天」4つの属性に8種類づつ合計32種類の幻魔が存在し、消費/維持する魔力コストが高いほど強力な幻魔を召喚出来るのだが、石化や術封じなどの状態異常を回復するには、低コストの幻魔のみが持つ能力だったり、移動タイプも歩、泳、飛と3種類あり、マップによって得手不得手が異なるため、魔力が潤沢な終盤であっても低コストの幻魔を召喚する場面が出てくる。

ゴウテンショウ

召喚する幻魔が強力であるほど消費する魔力も多くなるため、マップ内に配置された魔晶石を多く確保することが重要になってきて、勝利するにはとにかく相手の幻魔の数を減らすのがセオリーだが、”ゴウテンショウ”のように攻撃力と移動のある幻魔でいきなり幻魔使いを攻撃する手段が有効なことも稀にある。

相性や能力差など、条件が揃わないとたいていの幻魔は一撃で倒しきれず、とどめを刺すために深入りすると逆襲されることもあるため、二手三手先を読んで幻魔を召喚する戦術的に考える必要もある。
たとえば、遠隔攻撃で敵幻魔を毒状態にできる"ランテイウオ"は敵に回すと厄介な幻魔だが水の中しか移動出来ない。なので相手の幻魔使いが”ランテイウオ”召喚したら、マップ全体の水位を下げる”ヒデリ”で行動不能に出来る。
逆に水の中を移動出来ない歩行タイプの幻魔が複数存在する状況では”アマゴイ”で水位を上げたりと、マップ全体へ干渉できる術がうまく決まった時の気持ちよさといったらない。

アマゴイ

ダメージの変動要素も複雑で、属性による相性以外にも間接攻撃では高低差によって飛距離が変わり、相手の後ろに回り込むことでもダメージが異なる。また、昼または夜に強くなる幻魔もおり、輪入道をモチーフにした”アスラオモテ”が夜に強かったり、幻魔ごとの元ネタに合わせて考えられている。

他にも地形効果や、幻魔の経験値(満足度)によって強さが上がったりと、覚えることはたくさんあるのだが、各要素は画面内に表示されるため、SLGの経験があれば、シナリオモードをプレイしながら覚えられるように考えられていると思う。

徐々に召喚できる幻魔の増えるシナリオモード

オープニング

シナリオモードは幕府による統治が始まった和国が舞台となり、「星落とし」とよばれる隕石を落下させる術で国を滅ぼす計画がされ、幕府の権威を揺るがす事態が起きている。
その真相に迫るために幻魔使いは関東地方から大和を経由し、最終的には西の最果て、神無島を目指すことになる。

シナリオ_キャラ選択画面

各属性の幻魔を一つづつしか召喚できない状態から、徐々に召喚できる幻魔が増えていき、幻魔使い自身も成長して新たな術を覚えていくのが楽しめる。残念なのは、せっかく8人の幻魔使いがいるのにストーリーの似通っているところくらいか。
使用できる幻魔の種類は、敵味方ほぼ同じ条件となり、地形的な有利不利があるなかで、信長をモデルにした”ガモン”や、間違った日本語を話すメリー・ルーとそれを追って和国へやって来たロレンソなど、幻魔使いの個性もたっている。

和歌

四国、九州などの地域内の戦場を全てクリアするとストーリーが進展し、和歌が表示されるのだが、悲しい曲調も相俟って地域クリアの余韻に浸れる。こういうゲームへ没入させるために雰囲気を盛り上げる演出が行き渡っており、ゲームとして成熟しており完成度が高い。

シナリオモード以外にも、エキスパートモード、リバーシや射的などのミニゲームも用意されており、フリーバトルやトーナメントでは過去の日本ファルコムファンでお馴染みの、イース・シリーズからダルク=ファクトやリリアまで幻魔使いとして選択できるのも嬉しいところ。

ダルク=ファクト

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本作はWindows10でも起動することが可能で、いまだに立ち上げてプレイすることもあるのだが古いゲームの割に、ストレスを感じプレイに集中できるのはさすが業界では老舗の日本ファルコム。
マップ上のキャラ絵が小さいことは気になるが、現在と比較して解像度の小さいモニター全盛の時代に発表された作品だから仕方ない。

画像7

当時、CD2枚組サントラ付属のWindows版を購入したのだが、日本ファルコムの過去作と比較しても好きな音楽が多い。戦闘シーンのBGMは何種類かあるのだが「遠の火群」を流しながら、幻魔たちを召喚すると世界観にグッと入り込むことが出来る。

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