MacではReturnキーとEnterキーを区別しましょう
テキストの改行や何かのコマンドを実行するためのキーとしてEnterとReturnがありますが、日本ではそれを「Enterキー」と呼ぶことが慣例化しています。広く普及しているWindows PCがそのキーにEnterを採用しているためか、主にReturnを採用しているMacを使っているユーザーでさえもそれを「Enterキー」と呼ぶ人が多くいらっしゃいます。
現代においてReturnキーとEnterキーの機能的差異はほとんど見られないため、仮にMac環境でそれを「Enterキー」と呼んだとしても、現実的には何かの支障が生じることはほとんどありません。しかし、これら2つのキーを厳密に区別するソフトウェアや機能が存在する場合があることや、MacではReturnキーとEnterキーの両方を別々に備えている場合があること、そもそも刻印されているキーの名称を間違った呼び方をすることはよろしくない姿勢であることから、「Enterキー」と「Returnキー」を適切に区別するべきであると考えます。
MacにはReturnキーとEnterキーの2種類がある
Macの右手小指辺りにあるキーはもちろん「Returnキー」ですが、古いMacBookなどには小さく「Enter」の刻印が併記されているものもあります。これは数字キーの「1」に「!」が併記されている(US配列)のと同様に、修飾キーによってキーコードが「Enter」に変化することを表しています。具体的には、Fn(または地球儀)キーとReturnの同時押しによってReturnキーのキーコードが「Enter」に変わります。
また、フルキーボードのテンキー部分にもEnterキーが備わっています。
出典:https://superuser.com/questions/522743/what-is-the-keyboard-symbol-on-a-mac
要するに、MacにはReturnキーしか存在しないのではなく、Fn + ReturnでいつでもEnterを使える仕組みが備わっていること、フルキーボードなら独立したEnterキーを使える、というのが正しい認識です。MacBookのReturn/Enterの併記も、Windowsユーザー向けの配慮というよりかは、それが修飾キーによって機能をシフトできることを表したものなのだと考えられます。
現代における主な機能的区別
ReturnとEnterの役割は歴史的には異なるものでしたが、現代ではほぼ同等と見做されます。どちらもテキストの改行を行えるし、コマンドを実行したりする際の決定キーの役割を持ちます。
しかし、これらを区別して異なる振る舞い方をするアプリも存在するので、そのデザインパターンを把握しておくと、ソフトウェアのユーザビリティや魅力度合いを高められます。
例えばmacOSのMusic.app(旧iTunes)では、テーブル表示の際にReturnとEnterの入力を明確に区別し、異なる挙動を示します。
Return:
選択した楽曲(行)を再生する。
Enter(Fn/地球儀 + Return):
選択した楽曲(行)のテキスト編集を開始する。
そのほか、Returnで決定や実行、確定を割り当てているテキストに改行を入力させるためにEnterを採用するとか、通常のテキスト改行と改ページを区別するとか、2つ以上の操作アクションを盛り込みたいような場面で活用を検討できます。
参考:enterとreturn [Mac OSの使い方] – All About
https://allabout.co.jp/gm/gc/80761/
macOSにおけるReturnとEnterのキーコードとシンボル
macOSではReturnとEnterを区別しているため、そのキーコードは異なり、それぞれに別のシンボルが使われます。キーボードによってはこれらの刻印がされていることもあります。
Return:
Key code 76
⏎ (U+23CE)
※フォントによる見た目上の理由から代わりに ↩︎ (U+21A9)や、テキストエディタによっては ¬ (U+00AC) が使われることもある。
Enter:
Key code 36
⌅ (U+2305) または ⌤ (U+2324)
※ISO, JIS, US配列間や、出荷された時代によってEnterのシンボルが異なる模様。macOS 15 SequoiaではEnterに ⌅ (U+2305) が採用されている。
出典:https://www.reddit.com/r/MechanicalKeyboards/comments/qqsqpf/look_at_what_ive_found_in_my_basement/
出典:https://user.wordpress.com/2012/11/01/mac-os-x-uses-enter-key-to-rename/
ソフトリターン:メッセージアプリ等での「実行」と「改行」の区別
メッセージアプリなどチャット欄で「ReturnやEnterですぐに送信を実行する」挙動では、ReturnまたはEnterが「送信実行」に取られてしまっているため、本来のテキスト改行の入力にはOption + Returnを採用するのがmacOSの基本パターンです。これを「ソフトリターン」とも呼びます。
しかしこのパターンは実際には1つに統一されているとは言い切れず、WindowsやWebでのパターンと異なっていたり、プラットフォーム問わずアプリによって実装がまちまちであったり、そもそも1stパーティですらも1つに集約しきれていなかったりなど、これに関しては混乱が見られるのが現状です。
またMacにおいては、Enterキーの入力をソフトリターンとして認識する実装パターンもあります。
WindowsやWebでのソフトリターン:
・Shift + Enter (Return)
・Alt + Enter …Excelのセル内改行など
macOSでのソフトリターン(標準とされるもの):
・Option + Return
macOSでのソフトリターン(代替):
・Shift + Return
・Fn/地球儀 + Control + Return …このパターンは良くないとの意見もある
macOSに代替パターンが存在する理由は、WindowsやWebで「Shift + Enter」が広く普及しているため、そのパターンも取り入れてどちらの操作方法でもソフトリターンを行いやすくするためではないかと考えられます。
macOS 15 Sequoia以降では、Control + Returnはコンテクストメニューに割り当てられる
macOSには長らくコンテクストメニューを呼び出すためのキーボードショートカットが備わっていませんでした。macOS 15 Sequoiaからは、これにControl + Returnが標準で割り当てられました。
一方、Windows PCで一般的なメニューキーはMacに備わっていないことが多く、これまでほとんど使われていませんでしたが、OSとしては対応していることや、おそらく2024年以降に設計されたApple製のフルキーボードには拡張キーとしてメニューキーが標準で備わっていますので、いずれにおいてもコンテクストメニューの操作を考慮したキーアサインが求められます。
まとめ
Macでは伝統的にWindows PCのEnterキーに相当するものはReturnキーであり、それを「Enterキー」と呼ぶことはほとんどの場面において間違いである
MacではReturnキーとEnterキーは明確に区別されており、基本的にはほぼ同等機能であるものの、ワープロなどには異なる振る舞い方をするソフトウェアも存在する
Returnキーのシンボルは⏎ (U+23CE)、Enterキーのシンボルは⌅ (U+2305) または ⌤ (U+2324)である
ほとんどのMacモデルでは、Fn/地球儀 + ReturnでEnterと認識される
フルキーボードのテンキーには独立したEnterキーが備わっている
Macのソフトリターンの標準はOption + Returnである
Shift + Enter (Return) によるソフトリターンは、WindowsやWebの方言である
Returnが実行であるときには、Enterにソフトリターンやテキストの編集開始を割り当てる場合もある
Control + Returnはコンテクストメニューを展開するためのキーボードショートカットである(ソフトリターンではない)



コメント
4Macを使っていて、適当にoption + return,sift + returnキーを使っています。
returnキーだけでは改行しない時もあるので・・・・・・・・・・・・・
実行キーデいいヤー
統一すべき
シフト+リターンはMacでも普通は強制改行に割り当ててありますね
「Macが」ではなくWindowsと「それ以外」だと思ってました。