Finderの進行状況ウインドウを閉じたらどうなるのか
Finderでファイルをコピーしているときの進行状況ウインドウでは、閉じるが有効になっています。これを押したらどうなるのかを考えてみると、次の2通りを予想できます。
1. コピー処理を中止する、もしくはその確認ダイアログが現れる
2. ウインドウがただ閉じる(コピー処理は継続される)
昨今のモバイルやWebのUIに慣れていると、[1]の結果を予想する人が多いのではないかと思いますが、実際には[2]として振舞います。では、閉じたウインドウはもう2度と現れないのかというと、そうではなく、メニューバーから再表示することができるようになっています。
「ウインドウ」メニューの中で「進行状況ウインドウを表示」が有効になっているので、これを実行すると、進行状況ウインドウが再び現れます。邪魔なら好きに最小化できる、必要なら再表示できる、というだけのことだったんですね。
Finderのこの仕組みについては、
マルチウインドウのインターフェイスであること
タスクはウインドウに依存せず、インターフェイスなしでもタスクはバックグラウンドで処理されること
ウインドウの「閉じる」ボタンは、タスクの中止やキャンセルとは限らないこと
これらの性質についての知識を持っておくと、十分に理解が及ぶようになります。
ただし、ウインドウを閉じてしまうとタスクの進行状況が一切見えなくなるのはユーザビリティ上の懸念もあるため、進行中のタスクがまだ存在することを常に小さく示す仕組みはあっても良いだろうと考えます。具体的には、iPhoneのDynamic Islandような仕組み、またはiPadOS 26のバックグラウンドタスクのような表示がメニューバー付近に一時常駐するような具合だと、この辺りの違和感や不安ももう少し和らげやすくなるのではないかと思います。
ところで、タスクを一つのウインドウに強く縛り付けて、その閉じるボタンをタスクの中止アクションと位置付けるような設計は、マルチタスクなインターフェイスとは逆の発想であり、モバイルやWebなどの“デスクトップよりも後発のインターフェイス”で人気のデザインです。あらためて「閉じる」ボタンの意味する機能を考えてみることで、ユーザーとインターフェイスとタスクとの関係をデザインの中でうまく整理しやすくなるかもしれません。デスクトップではインターフェイスとタスクとを比較的“切り分けて”考えることをしますが、モバイルなどでは両者が密結合になっていることが多く、それぞれの性質や慣習に合ったデザインが求められます。どちらが良い悪いということではなく、性質や考え方の姿勢に違いがあるということです。
デスクトップにおいては、「アプリケーションの目立ったインターフェイスがなくても、依然としてアプリケーションはまだそこに存在している」そういった状態のこともデザインとしてしっかりと考えなければならないため、視点を忘れないようにしたいものです。



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