三節棍を使った話をもう少し。
両サイドの人に、三本の並びが一直線になるように持ってもらいます。
真ん中の棍棒を旋回時のように真横に押します。
旋回外側の人は真横の力を受けます。内側の人は引っ張られるだけです。
次にローダウンした時のように、両サイドの棍棒の内側を低くしてバンザイ状態の角度にしてもらいます。
同じように真ん中の棍棒を真横に押すと、今度は旋回外側の棍棒は真ん中の棍棒と角度が付いているので、
関節のところで折れ曲がり、内側は引っ張られて角度が広がります。
さらにリフトアップした状態を試します。
左右の棍棒は内側が持ち上がって、下反角状態です。
真ん中の棒を横に押すと旋回外側は上方向に折れ曲がろうとします。内側は引っ張られて角度が広がります。
この3パターンから、横力を受けた時にロワーアームの「角度」が車体の傾きと関連していることが分かります。
聞き馴染んだ言葉に、アンチダイブ角、アンチスコート角があります。
これは車体が前後方向の力を受ける場面で、車両姿勢が大袈裟に動かないように、
揺動軸の取り付け角とかトレーリングアーム角を設定する時の角度のことです。
ここに出てくるキーワードが「アーム角」と「揺動軸」でサスペンション設計者にとっては周知のこと。
ところが車体が傾く方向のアンチロール角、プロロール角は言葉も具体的な内容も聞いたことがありません。
教科書にも載っていません。
なぜこの話を持ち出すのかと言えば、アームに必要な「角度」を持たせることで、横方向の力を受けた時の
ロール剛性を変えることができるからです。
しかし、今でもピッチング姿勢は「角度」を用いて語っているのに、ロール姿勢を考える時はロールセンター理論
と⋯同じ一台のクルマなのに力の方向によって異なる考え方を用いるというチグハグなことをやっています。
言われてみれば確かに!になると思うのですが、今でも何かと言えば真っ先にロールセンター理論が持ち出され、
他に取って代わる解き方もない事から、疑うこともよそ見もしなかったというのがチグハグの理由かと。
実車に触れば理論との相関が取れないことは、いくら何でも分かりそうな気がするのですが。
さて、ロワーアーム角が地面に対して水平状態を境に、発生する分力の方向が反転します。
具体的には、車体を持ち上げるか押し下げるかの180度方向違いで、ロール運動に大きく影響します。
このロワーアーム角の働きは実走行で確認できるのはもちろん、どの車両に於いても再現性があり、
操縦性、安定性の要となります。
それとアーム角揺動軸理論を用いれば分力が反転する事象が得られるのに、ロールセンター理論では得られない、
というのが致命的な違いです。
これまで前後方向では当たり前だったアーム角と揺動軸の考え方を、横方向に展開したのがアーム角揺動軸理論。
これまで誰も唱えてこなかったので、新説と言ってもいいかなと。
アーム角揺動軸理論をもって当ブログもぼちぼち⋯⋯
両サイドの人に、三本の並びが一直線になるように持ってもらいます。
真ん中の棍棒を旋回時のように真横に押します。
旋回外側の人は真横の力を受けます。内側の人は引っ張られるだけです。
次にローダウンした時のように、両サイドの棍棒の内側を低くしてバンザイ状態の角度にしてもらいます。
同じように真ん中の棍棒を真横に押すと、今度は旋回外側の棍棒は真ん中の棍棒と角度が付いているので、
関節のところで折れ曲がり、内側は引っ張られて角度が広がります。
さらにリフトアップした状態を試します。
左右の棍棒は内側が持ち上がって、下反角状態です。
真ん中の棒を横に押すと旋回外側は上方向に折れ曲がろうとします。内側は引っ張られて角度が広がります。
この3パターンから、横力を受けた時にロワーアームの「角度」が車体の傾きと関連していることが分かります。
聞き馴染んだ言葉に、アンチダイブ角、アンチスコート角があります。
これは車体が前後方向の力を受ける場面で、車両姿勢が大袈裟に動かないように、
揺動軸の取り付け角とかトレーリングアーム角を設定する時の角度のことです。
ここに出てくるキーワードが「アーム角」と「揺動軸」でサスペンション設計者にとっては周知のこと。
ところが車体が傾く方向のアンチロール角、プロロール角は言葉も具体的な内容も聞いたことがありません。
教科書にも載っていません。
なぜこの話を持ち出すのかと言えば、アームに必要な「角度」を持たせることで、横方向の力を受けた時の
ロール剛性を変えることができるからです。
しかし、今でもピッチング姿勢は「角度」を用いて語っているのに、ロール姿勢を考える時はロールセンター理論
と⋯同じ一台のクルマなのに力の方向によって異なる考え方を用いるというチグハグなことをやっています。
言われてみれば確かに!になると思うのですが、今でも何かと言えば真っ先にロールセンター理論が持ち出され、
他に取って代わる解き方もない事から、疑うこともよそ見もしなかったというのがチグハグの理由かと。
実車に触れば理論との相関が取れないことは、いくら何でも分かりそうな気がするのですが。
さて、ロワーアーム角が地面に対して水平状態を境に、発生する分力の方向が反転します。
具体的には、車体を持ち上げるか押し下げるかの180度方向違いで、ロール運動に大きく影響します。
このロワーアーム角の働きは実走行で確認できるのはもちろん、どの車両に於いても再現性があり、
操縦性、安定性の要となります。
それとアーム角揺動軸理論を用いれば分力が反転する事象が得られるのに、ロールセンター理論では得られない、
というのが致命的な違いです。
これまで前後方向では当たり前だったアーム角と揺動軸の考え方を、横方向に展開したのがアーム角揺動軸理論。
これまで誰も唱えてこなかったので、新説と言ってもいいかなと。
アーム角揺動軸理論をもって当ブログもぼちぼち⋯⋯
Motor Fan illustrated サスペンション特集の記事も読みました。あちらもわかりゃすくて素晴らしい記事ですが、あちらではできないだろう漏れ出る内緒話のようなこちらの記事が楽しかったです。
ありがとうございました。
感謝!
サスペンションは経験なり知識のタンクが、同じ水位の人同士でない話が通じ無いと言うのが長年の経験から感じたことです。
話明かせる人に出会っていないのが心残り⋯⋯と言えば心残り。