ILE,LIIと学問

ソシオニクスと認知スタイル

ソシオニクスには次の4つの認知スタイルがあるとされる
・因果論的決定論的認知(静的、肯定主義、プロセス)
 ーILE,LSI,SEE,EII
・ホログラフィックパノラマ的認知(静的、否定主義、結果)
 ーLII,SLE,ESI,IEE
・ヴォーティカルシナジェティクス的認知(動的、肯定主義、結果)
 ーESE,IEI,LIE,SLI
・弁証法的アルゴリズム的認知(動的、否定主義、プロセス)
 ーSEI,EIE,ILI,LSE

この記事の中で論じていきたいのは、ILEとLIIがそれぞれ当てはまる、因果論的決定論的認知とホログラフィックパノラマ的認知の2つである。
これらの認知スタイルに関する細かい説明は省かせてもらう。(次に貼るFrom Over The Seaさんの記事を参照していただきたい)

因果論的決定論的認知
・因果論的決定論的認知は非常に手続き的な思考プロセスを持ち、推論の細部に意識を向けやすい。
・「なぜなら」「したがって」「この結果」といった因果関係のある接続詞で文章を構成する(傾向にある)。
・形式論理、決定論的思考などと呼ばれる。(いずれもこの認知スタイルの硬直性を強調している)
・原因と結果の連鎖を構築し、物事を説明する。

ホログラフィックパノラマ的認知
・あらゆる視点、角度からオブジェクトを見ることで、全体像を把握する。そのため細部やニュアンスを削り落とし、主題を一般化する。
・「AもしくはBまたはC」「AかBかのどちらか」「一方ではA、他方ではB」といった相関接続詞を多用する(傾向にある)。
・因果論的決定論的認知とは異なり、視点を自由に動かす。
・視点を微調整しつつ、対象に近づいたり遠ざかったりしてフォーカス合わせをするように類似性を探す。そうすることで、対象に対する理解を深める。

あっさりとし過ぎているようにも感じるが、これがそれぞれの認知スタイルの簡単な説明だ。

今回主題となっている2タイプのうち、ILEが因果論的決定論的認知、LIIがホログラフィックパノラマ的認知に当てはまる。
そしてILEとLIIも先導機能、創造機能がNeとTiの組み合わせであるため、非常に科学的なタイプである(モデルGにおいては、両者とも重度に科学的なタイプであると説明されている)。
そのことと認知スタイルを合わせて考えると、ILEは学問分野において、すでに知られている論理体系や知識体系から新しい定理や発明を生み出すことに長け、LIIは論理体系や知識体系そのものを解明し構築することに長けているといえるだろう。


画像
ILEの思考
画像
LIIの思考

上記は私が個人的に板いているイメージ図である。
これらの連鎖がILEとLIIによる科学的・学術的な営みである。

科学的営みを一本の木に例えると、LIIが幹を作り、ILEが枝葉を付け足すといった感じだ。

ゆえにLIIの方が原理主義的な側面が強まり、ILEの方が自由主義的な側面が強まる。

LIIとILEの違い

学問探求におけるLIIとILEの違いを箇条書きでまとめてみる。
・LIIにとって学問とは解明と構築であり、ILEにとって学問とは発見と創造である。
・LIIの探求の基本形は「○○とは何か」。ILEの探求の基本形は「○○から何がわかるか」。
・LIIの方が哲学的、抽象的。ILEの方が実験的、観察的。

もちろんこれまで語ったことはそれぞれのタイプに対し一意的に定まるものではない。LIIも決定論的な思考をするし、ILEも視点を変えることで理解を深める。ILEでもLIIでも新定理を発見し得るし、ILEでも論理体系を構築し得る。
ただそれぞれが向かう方向に傾向があり、それが認知スタイルによって説明がつくというだけのことである。
同じタイプ内においてもサブタイプによって、認知スタイルの特徴が強く出たりする。
私はLIIハーモナイザーを自認しており、このサブタイプはホログラフィックパノラマが強く表れやすいタイプである可能性がある。(グレンコの説明では”強く表れている可能性がある”にとどまっている)
実際その自覚はある。
主に短所
例えば、細部を大胆過ぎるほどに捨象してしまうところである。
細部を無視した結果、前提と帰結は同じであってもそのプロセスが既存の論理体系では示せず、証明に難儀してしまうところだ。
決定論的思考を常に行っていれば、自身の帰結は常に手続き的な推論プロセスによって導き出されたものであるから、証明はただ推論プロセスを示せばよいだけである。

隙自語

高校時代の記憶が蘇ってきた。
数学のテストで、問題文を読みながらその状況を思い浮かべていたら、答えが浮かんだ。
これは単純に問題文の状況を思い浮かべ問題文の進行に伴って脳内画像を進めたら答えに辿り着いたというだけであって、女神さまが教えてくれたみたいなラマヌジャン的なあれではない。
そしてバカな自分は答えのみを答案に書いてしまった。
もちろん×だ。
先生からは「どういう風に答えを出したかを書けばいいだけやん」と言われたが、私にしてみれば問題文の状況を思い浮かべて答えを出したからそれらの脳内イメージを絵に書き出していると余白が足りないしなによりめんどくさい。

もちろん悪い記憶だけではない
手続き的な思考によって導き出される模範解答的な答えではなく、問題をあらゆる角度から見て考えた自分の回答を「独創的だ」と言ってもらえたことである。
独創的だと言ってもらうためにその回答をしたわけではないが、そう言ってもらえるのは嬉しかった。

また、空いた時間に大学数学の内容を少し教えてもらった時に、先生が説明した概念について自分なりの理解を発表すると、「すごいね。この説明でそこまでわかるのは数学的なセンスあるよ」と褒められた。

これらの事例は私がホログラフィックパノラマ認知者であることに起因するであろう。また因果論的決定論的認知が弱いことにも。

世の中にはいろんな人たちがいて、それぞれの人たちの才能や能力がうまく発揮される世の中になってほしいと思いました。(小並感)

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