非常識人 第五十四話 断捨離四
全くの無計画。
大分で何か面白い事をする作戦会議の為、まずは飯に向かった。
佐賀県小城市から少し山を登った先に鯉の刺身と味噌汁が食べられる店がある。
襖一枚隔てた簡単な個室かつ和室。
ジョイントを吸うには心許ない。
店員さんが料理を全て運び込み終えたあと即座にペンを回す。
「大分で何しよっか」
「なんか日頃せんことしたいよね」
「温泉やない?」
「よーサウナ行くやん。なんかもうちょい面白そうなとこ探してみて」
全く生産性のない会話の末、別府温泉保養ランドに向かうことにした。
男女混浴。
泥風呂。
タトゥーOK。
面白そうだ。
高速に乗り2時間半ほどで到着。
意外や意外。
友達同士で来ている女子大生グループや外国人観光客で賑わっていた。
一応男女別の浴槽も存在するのだが、美容に良いとされる泥風呂の混浴コーナーにたどり着くためには通路を渡る必要がある。
車内でペンを吸いながら更には軽くスニッフしている状態の俺たちは悪ノリモードに入ってしまった。
「あーあちいあちい」
わざとタオルを外し通路に出る。
2人してクレヨンしんちゃんのような動きをする。
「やばーい!ママー!おにんにんがおにんにんになっちゃったよーう!」
わざとらしく大声で叫ぶ。
DQNの極み。
場所を間違えれば公然わいせつである。
性的な目的も少しはあるが、ふざけ倒したいのが本心だ。
通路を通る女の子たちから笑われる。
しっかりチラ見してるのがむっつりの証だ。
「おにーさん達楽しそうですね」
メガネをかけて坊ちゃん狩りの三十代中頃の人に話しかけられ仲良くなった。
彼は地元民。
混浴にくる女の子をじーっと覗き見る事を目的として来ている、通称「ワニ」と呼ばれる人種だ。
湯船から顔を出してずっと潜っている姿がワニに似ている、と言う点が語源らしい。
「女の子多いけど可愛い子少ないですね!」
「そうですか?30分前に2人きましたよ」
流石ワニ。周りをよく見ている。
散々にふざけ倒した俺たちは、もう少し遊びたくなり、大分の中心部の繁華街まで足を伸ばした。


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