非常識人 第四十八話 あいらんど。
小学5年生から中学3年生の間。
俺は某県の最北端の離島に住んでいた。
原因はシンプル。親父の心配だ。
当時俺が居たクラスは他の先生方から「ブラッククラス」と称されるほど荒れていた。
・ガスガンでゴールデンアイの真似事をして失明する者。
・近所の商工会の窓ガラスをストラックアウトと称し全て破る者。
・焚き火代わりに近所の寺の森を全焼させる者。
ドが付く田舎だからやることは可愛いものだが可愛げのない事をするものばかりだった。
そんな俺も地蔵の首を折る、賽銭を全て奪う、当時いじめていた奴らを全員しばきあげる、同級生の弱みを握り恐喝をかける等、大分やさぐれていた。
問題児だった俺は、「このままじゃグレる」と心配され、強制的に離島に転校される運びとなった。
小学校は全校生徒13人。
同級生は俺1人。
先生とマンツーマンの授業。
離島だから穏やかにのんびりとした暮らしだと外の人は思うだろうが真逆だ。
交番もなければコンビニも無い。
大人が絶対的なルール。
アルファベットすらまともに書けなかった俺は、「お前これまで何してきた?」から始まり、竹刀でバンバン殴られつつ勉強に励んだ。
そのような環境なら嫌でも賢くなる。
今では感謝しているが当時の俺からすれば地獄の日々だ。
仮病を使って学校を休む。
すると先生が迎えに来る。
「サボるな!嘘つくな!」
しばかれて学校まで引きづられる。
完敗だ。大人の目は誤魔化せない。
「泳げ!」
高さ約5メートルの堤防から突き落とされる。
おかげで今でも素潜りで2m〜3mは楽に潜水可能。
モリを使ってタコを取る方法
身が多いウニを選別する方法
釣りたての魚の締め方
毒クラゲの退治の仕方
普通の環境ではおおよそ学ぶことができない事を沢山学んだ。
規格外の大きさの虫への対処法も慣れた。
家の車を運転し車の練習もした。
学校に届く無料教材は全て制覇した。
理由はシンプル。
勉強が出来ないとしばかれるからだ。
お陰様で高校は県で1番の公立高校に入学した。
大人になった今。
もう一度島に住みたいと感じる。
子どもには地獄。
大人には天国。
離島はそんな環境だと感じる。


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