非常識人 第三十九話 シュッショ
仮釈放の前に釈前と呼ばれる寮に入る。
当日の朝食がC食であれば釈前。入寮日。
作業をしなくなる=飯の量が減る。
入寮日の合図。C食が来た。
気分は天国だ。
大分刑務所はあけぼの寮。
満期の者は除く。
その場合は独居房で過ごす事になる。
そこで一般社会の生活に慣れるために2週間規制の緩い生活を過ごす。
さながら集団の学生寮。
電子レンジも使える。
部屋の出入りが自由。
あったかい飯が食える。
親父の見回りはほぼ無い。
布団もふかふか。
夜9時を過ぎてもTVに布団を被せて大谷翔平の試合を見る。
花見に連れ出してくれるオヤジの優しさ。
楽しい。
正直な感想だ。
同じタイミングで出所した4人。
グループラインも存在する。
ほぼ機能はしていない。
皆でいつか飲みたいと思う。
大麻で捕まったヒッピーのおじさん。
名前は忘れた。
草むしりをしながらチェンマイでのエピソードや、牛糞と雨水からマジックマッシュルームが出来ること。大麻の栽培について語り合った。
オヤジに何度も怒られた。
余程のことではないと厳重注意で済む。
ボーイズバーのオーナーからはスカウトされた。断った。
いいやつだった。
ピンク。
いわゆる性犯罪者にもエロ本を貸した。
罪状の兼ね合いで彼らはエロ本を買えないのが理由。
どうせ読まない。喜ぶ。流石はピンクだ。
事件内容を聞かなければ真実は分からない。
色メガネで人を見ない。
大切な事だと思う。
外の世界。
車の揺れが怖い。
途中のサービスエリア。タバコを吸う。
景色を眺める。
感動した。
手にはコカコーラ。
喫煙所にて、「今日出てきたんですよ!嬉しいっすね!」とトラック運転手に話しかけた。
苦笑い。
それはそうだ。


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