非常識人 第十九話 借金くん前編
今は使えなくなった手。
4年ほど前までは出来た。
Aの保険証を小口個人融資の担保に預かる。
それを管轄の市役所の窓口にBが持参。
住民票の写しの発行を依頼。
300円で本人確認書類二点が揃う。
上記をCがA名義として悪用。
何でも出来た。
当然足もつきにくい。
今日は小口個人融資の仕事の返済期日。
闇カジにハマり300万ほどの借金を抱えた者に連絡をする。
「無利子無利息だけど期日は守ってね。三万用意できた?」
ビジネスネームでのやり取り。
業として行うと出資法や利息制限法に掛かる恐れがあるため、「友人として貸す代わりに三万円まで無利子無利息保証人無し/だが返済期限を過ぎた場合は担保の保証については約束できない」という契約書の内容。
身分証を他人に貸与すること自体が違法行為の為、先方に言い訳の余地は無い。
30分後、先方の親から嘆願するような声で電話が掛かってきた。


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