大阪・関西万博のシンボル、大屋根リングの閉幕後の活用を巡り、一部木材が能登半島地震で被災した石川県珠洲(すず)市の復興公営住宅の資材として使用されることが1日、同市への取材で分かった。リングは一部を会場跡地に残し、大阪市が公園などとして整備する方針が示されているが、具体的なリユース方法が判明するのは初めて。
リングは1周約2キロ、高さ最大約20メートルで、国産のスギやヒノキなど計約2万7千立方メートルの木材を使用。建築面積は6万1035平方メートルあり、3月には「世界最大の木造建築」としてギネス世界記録に認定された。
日本国際博覧会協会は持続可能な万博運営を掲げ、リングやパビリオンで使われた部材を積極的に再利用し、資源の有効利用を目指している。
珠洲市などによると、協会が7月末に木材の譲渡先を公募。市内で被災者のための仮設住宅の設計に携わった建築家の坂茂さんの勧めで、「復興事業での活用」を目的に8月中旬に応募した。11月にも協会と正式契約し、来年3~4月に木材を受け取る予定という。
住宅のはりや柱といった部材のほか、公的施設での活用も検討。市の担当者は「万博のレガシー(遺産)を継承し、復興のシンボルになれば」と話す。
能登半島地震は、万博会場の工事が進められていた2024年1月に発生。工事の重機や資材を被災地の復旧や復興にあてるべきだとの批判が起き、万博の延期や中止を求める声も上がった。
リングについては、北東約200メートルを会場跡地に保存し、大阪市が一帯を公園・緑地として整備する方針となっている。(石橋明日佳)
万博の大屋根リング 一部の現状保存へ大阪市が公園化して管理 市が提案