部外者は青春の世界で図書館の夢を見るか? 作:何様だって!?部外者様だよ!!
あれから、コアページを一時的に回収して2日が経った。今日は決戦の日。俺の緊張も最高潮だ。2年前、この世界に来る前の俺からしたら、とてつもない力を手に入れて企業相手にバチクソ喧嘩を売りに行くなんてとても考えられなかったからだ。
ピロン
おっ、アルからモモトーク来たわ
『そろそろ始まるのよね?』
そうだぞ、バチクソ戦争仕掛けるんだぞ。今更日和ったって遅いぞ。
『ええ、よろしく』
愛車であるバイク【バベル】のエンジンを吹かしながら、便利屋68の事務所へと向かう。え?ゴールドラッシュ使ってワープはしないのかって?ちゃんと理由がある。万が一ボコボコにやられて逃げられそうにない時のための撤退用EGOとして残しておきたい、もし負けて全員捕縛なんてされたら目も当てられないからな。
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バイクを吹かしながら移動すること2時間。便利屋の事務所へと着いた。駐輪場どこだ?
あとコユキはまだ来てないっぽい。事務所で待つか。あとマジで駐輪場どこだ?
ピンポーン
便利屋68の事務所のインターホンを鳴らす。
ガチャ
「おーっす」
「アウトサイダー、今日はよろしくね」
「まかせろ、あとこの辺駐輪場ってある?」
「あっちの交差点左に曲がったところにあるけど...」
「せーんきゅ、駐輪してくる」
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「よーし、揃ったな。とりあえず改めて点呼いくぞー」
「陸八魔アル、いるな?」
「ええ」
「鬼方カヨコ、いるな?」
「いる」
「浅黄ムツキ、いるな?」
「いるよー」
「井草ハルカ、いるな?」
「は、はいっ!」
「黒崎コユキ、いるな?」
「いますよー!」
「...自分の分の点呼ってどうやって取ればいいんだ?」
「「「「「えぇ...」」」」」
「ま、いいか!それじゃあ諸君、各々移動手段は用意してあるな?カイザーPMCまで全速前進だ!」
「「「「「え?」」」」」
「え?」
「いや、普通にPMCまで突撃するんだろ?」
「私達、てっきりあの魔法陣で行くのかと思ってたんだけど...」
「私もそれで行くと思ってミレニアムから電車で来たんですけど!?」
「マジかよ...しょうがねえなぁ...」
仕方が無いのでゴールドラッシュを使用してカイザーPMCの前まで行く。
「あーあとコユキ、お前顔バレするとめんどいだろうからこれ持ってきた、つけろ。」
そういって灰色の仮面を取り出す。
「にははっ!お揃いですね!」
「おう、無くすなよ?」
「さて...」
指パッチンと共に全員にコアページを装着する。え?なんで指パッチンするのかって?かっこいいからに決まってるだろ!
「行くぞっ!!」
一斉に駆け出す。事態に気がついた警備兵がトランシーバーで状況を報告しようとするが
「こちらエントラ
「させないよっ!!」
最強を帰属したムツキがすごい勢いで警備兵を切り伏せる。もしかして今使ったのって凶暴化?てかムツキ凶暴化させて大丈夫か?まあいいか()
「負けてられないなぁ!!」
そう言いながらエントランスの自動ドアをブチ破って内部に侵入する。え?自動ドアなんだからブチ破らなくて良かっただろって?ブチ破ったほうがかっこいいだろ!!
『防衛シークエンス発動、防火シャッターを下ろします』
防火シャッターが降りてきちゃったわ、しかも外からすごい足音聞こえるし。
「外からすごい数来てるぞ!なる早で上まで上がれ!」
「わかったわ!ハルカ、シャッターをぶち抜きなさい!」
「えっ、ええっ!?」
「大丈夫だハルカ!お前は今バチクソ強い!行けるはずだ!」
「わ、分かりました!!」
マキシムのコアを纏ったハルカが防火シャッターへとタックルをぶちかます、流石の質量攻撃で防火シャッターに大穴が開いた。
「とりあえず非常階段上がって12階を目指すぞ!!」
「「「「「了解!」」」」」
非常階段を全員で駆け上がる。ちゃんと全員ついてきてるな。
「ところでお前ら、充電の量には気を配れよ、例えば陸八魔に配ったコアページは充電が11を超えると永続でバフ配ったりとか、充電が20に達すると使えるページとかもあるからな」
「そうなのね...気をつけなきゃ」
そうこうしてるうちに12階へ辿り着いた。あとはサーバールーム的なのを探すだけだ。
「手分けして行くぞ!サーバールーム的なのを見つけたら報告よろしく!」
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普通に見つかったわ。ここからはコユキの独壇場よ!
「やっちまいなコユキ!!」
「行きますよ〜?」
コユキが端末を接続して何やらいじり始めた。正直このまま見ていても良いんだが、下から足音が迫ってきてるから防衛戦が始まるだろうな。
「お前ら、今回の正念場はここだ、防衛戦でコユキが悪逆非道の限りを尽くすまで耐えるぞ!」
そして開かれる非常階段の扉とエレベーター。向こうには大量のPMC兵がいる。あれと今から戦うとかマジ?
「っしゃあ!気合い入れて行くぜ!!」
とりあえず挨拶と言わんばかりにEGOページ【四本目のマッチの火】を使い薙ぎ払う。そして隙ができたところに凶暴化最腕ムツキが突撃して暴れ散らす、カヨコが厄介そうな兵に先んじて精神の鞭を放ち動けなくする。アルは細かい指揮をこなしつつ寄ってきた敵を切り伏せる。そしてハルカが飛んできた攻撃を防ぎつつ巨体とハンマーを生かして敵を悉く叩き潰す。正直R社のコアペ渡したのはやり過ぎだったかもしれない...
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俺はカイザーPMCの社員、少し前まではアビドスで発掘作業をしてたのだが一昨日の夜に休日出勤させられた挙句同僚たちが皆無法者のトラック大道芸でボコボコにされてしまい、辞表を出しに行ったのだが、「お前の代わりはいくらでも居る!」って言われて辞表を破かれてしまった。代わりがいくらでも居るならいいだろ別に...しかも今日はどうやら全身を機械で包んだ生徒と思わしき存在達がウチの会社にカチコミをかけて来たらしいのでそれの対処に駆り出されることとなった。
「はぁ〜...なんでこんな事に」
「まぁそんなこと言うなよ、割と給料貰っては居るんだからその分の仕事はしようぜ?」
給料を貰おうが休みが無いので使う機会がないのである。
「そろそろ接敵するぞ、雑談はここでやめにしよう。」
てか多分かなりの数兵隊投入されたよな?まだ制圧できないのか...?一体何を相手にしてるっていうんだ...
非常階段を登り切り、敵の存在を目にする。それは地獄絵図だった。巨体で味方を叩き潰す生徒、凄まじい速さで我々を翻弄しつつ確実に制圧できる一撃を叩き込む生徒、隙を見せたら光る太い紐のような物をこちらに飛ばしてくる生徒、そして、少し後ろの方から全体の指揮を取りつつ我々を処理する生徒、最後の生徒には見覚えがあった。あいつだ、3日前トラックで大道芸をしてきたあいつだ。変幻自在に姿を変えつつ、強大な一撃を叩き込んできている。
勝てるわけが無い。それが、私のCPUが出した結論だった。私はその場にへたり込んでしまった。そんな事をしたら確実にあの生徒から光る紐が飛んでくるというのに。だが、いくら経っても攻撃一つ飛んでこない。というか戦闘の音が止まった。
「へ...?」
恐る恐る顔を上げる。
「おいコイツどうするよ?」
「私は見逃していいと思うわ、敵意は無さそうだし。」
「ムツキちゃんもさんせー!」
「私は反対、増援を呼ぶかもしれない」
「わ...私はアル様に従います...」
「じゃあ3対1で見逃すって事で。お前、さっさと家帰りな」
見逃す?何を言っているんだこいつらは?私は敵なんだぞ?
「...何故見逃してくれる?」
「貴方は仕事なのでしょう?それで戦場に駆り立てられて、その結果心が折れてこうなっているのに、攻撃を加えるのはあんまりじゃない...」
本当にこいつらはさっきまで我々を蹂躙してた人物と同じなのか?あまりにも優しすぎる。
「お前、今のうちに辞表出しときな。これからPMCは面倒くさいことになるぞ」
「破かれた...」
「なんだって?」
「辞表...破かれた...」
この機械の体じゃ涙なんて出ないはずなのに、現実を認識した途端悲しくて仕方ない。
「アウトサイダー、コアページを解除して頂戴」
「...いいのか?」
「いいわ」
指パッチンと同時に、アルのコアペを解除する。何をする気だ?
...あいつ歩み寄ってないか?
そのオートマタに、陸八魔アルは歩み寄る。名前も知らない彼ではあるが、そんな彼に対してもしてあげられることくらいはある。陸八魔アルは彼を抱きしめた。
「...私は貴方のことを何も知らないわ、それでも、こうやって慰めること位は出来る。」
暖かい...長らく忘れていた人の温もり...こんな体じゃ涙なんか出ないはずなのに、私は泣いているのだろうか、涙が止まらない
「ありがとう...ありがとう...」
「貴方の未来はこれから貴方が決め
「にははー!終わりましたよー!!」
「お前空気読めやガチでぇ!!」
「うわーん!!なんでぇー!!!」
うわー、締まらね〜。まぁこれがアルちゃんクオリティって奴か。後ろ姿しか見えないけどアル絶対あの顔してるだろうなこれ。
「まぁ、その、なんだ。辞められないならバックれるのも手だぞ。」
「ああ、ありがとう、お陰様でとても元気が出た。これから新しく職を探すことにするよ。」
「ええ、頑張って頂戴」
「くふふ〜、おじさん頑張ってね〜?」
「全く社長は...」
「が、頑張ってください...?」
「よっしゃやること終わったし帰るぞー」
ゴールドラッシュを使い、黄金の魔法陣を開く。そして一人ずつ魔法陣へと入っていく。最後に残ったのは俺とおっさんだけだった。
「...行かないのか?」
「いんや、行くさ。ま、頑張れよって言いたかっただけよ」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
黄金の魔法陣に飛び込む。見慣れた便利屋68の事務所に出る。
「いやー、大変だったなぁ」
「そうね...」
「んじゃ成果確認と行きますかぁ、コユキ、何やってきた?」
「えーと、まず顧客情報とかを片っ端から抜いてきましたね!それから銀行口座とかも押さえてあります!あとトークンも取得したのでいつでも再アクセスが可能ですよー!」
「ナイスだ、んじゃあこいつらの扱いについてだが...どうする?」
「どうするもこうするも、銀行口座取得したんですからお金取っちゃいましょうよ!!」
「じゃあ各々自分の口座に移し替えよう、山分けな」
「「「「...」」」」←口座凍結済み
「...」←同じく口座凍結済み
「...嘘だろ?」←ブラックマーケットに口座あり
そういやそうじゃねぇか便利屋は便利屋で口座凍結してるしコユキはコユキで凍結させられてるじゃねぇか!!
「俺しか口座ないのか?」
「らしいですね...なので傭兵王さんの口座に57億全部移し替えちゃいます!」
「わかった、少しずつ引き出してくるから全員で山分けといこう」
「...良くないわ」
「「「「「?」」」」」
「私たちは今回、アウトサイダーのコアページとコユキさんのハッキング能力にタダ乗りしただけよ。受け取るわけにはいかないわ。それに私たちはアウトローを目指してるのであってお金が欲しいわけではないのよ」
「そうすると俺は57億も手に入れたのに味方には配らないカスってことになってメンツが潰れちまうから受け取って欲しいんだが」
「...わかったわ、少しだけ受け取らせてもらう事にするわ」
「俺だいぶケチな奴ってことになっちまうが...まぁそこら辺が落とし所かな」
「じゃあ私が沢山貰いますね!!」
「いいが...お前ミレニアム生だろ?隠し場所とかはあるのか?」
「あっ」
「無いのかよ、じゃあ欲しくなったら引き出すからその都度連絡しろ。今回は一旦隠せる量だけ引き出すからな」
「わかりました!!」
そうして、便利屋68には450万とちょっとを、コユキには約23.5億を別口座で保存することにして、必要な時出すと言うことにした。こうして、ネフティス社に仕掛けられた勝者のない戦争の裏で行われた第二の戦争を、人はこう名付けた。『裏口戦争』と。便利屋68と傭兵王と仮面を付けた少女は、『企業戦争の勝者たち』と呼ばれるようになるが、それはまた後の話である。
ノリと勢いで書いてこんな展開になっちゃった...ワァ...(ちいかわ)
本日のページ
四本目のマッチの火 合算-広域 光5
112〜40 的中 火傷5付与