早くセイジにドンパチさせたいなぁと思いつつも、展開的にもう少し先になるという悲しみに暮れる今日このごろです。
しっかり順序通りにやらんと、今のこれがとんでもない程の駄作へと生まれ変わりかねない故になぁ……。
可能な限り、筆を早めたいところ。
それはそうとして、本編をどうぞ
俺の職業……というべきものかは分からないが、生業としているのはいわゆるなんでも屋……もしくは便利屋と呼ばれている稼業である。
「掃除屋」と名乗っていたのは、主にスコーチやフェラルグール……ブラッドイーグルやモスマン教団といった脅威を文字通り「掃除」していたことから、いつの間にかそう呼ばれていた物をそのまま利用している。
一応戦闘以外の依頼もありはした。
だが……俺のあちらでの経歴や需要の観点を見ると、そのほとんどは傭兵のようなものであった。
とはいえ、こうして教師というらしくない役職を演じる事ができる程度には便利に使われることがある。
そして俺がこの世界に来て最初に調べた組織……
それは、同業者の運営する企業などであった。
アパラチアにも俺以外の便利屋は存在し、時折仕事の件で絡むこともあれば対立することもあった。
当たり前だが、こういった稼業は基本複数人で構成されたチームで行う。
俺は例外的ではあるが、こういった組織は多人数かつそのチームワークの練度が高い。
故に、対立してしまえば一対多という非常に面倒な状況で戦わざるをえない。
それを俺は身にしみて理解している故に、そういった組織がないかと様々なサイトを介して調べ尽くした。
その時、特にリストの中でも注目した組織。
それが、「便利屋68」
構成員はたったの四人だが、治安の悪さと引き換えに精強な治安部隊を有する「ゲヘナ学園」にて指名手配されながらも未だ捕まらず……
各地で依頼という形で様々な問題を引き起こしている、精鋭の集まる準不良集団の一派である。
準、とつくのはまぁ………あれだ。
引き起こしている問題が大したことがないものばかりである故に、ヘルメット団だとかとは違って明確に「不良」と断定し辛いのだ。
まぁ、いつか本当に洒落にならない問題を起こしかねないという懸念もあるため、それなりの要警戒集団としてヴァルキューレ等でも知られている。
一応、企業として活動しているらしいが……
正直、ペーパーカンパニーとか言われてもおかしくないような状態故に、その実態はかなり不透明な存在でもある。
さて、ここまでは便利屋達がどういう存在かという話だったが……
問題は、何故……何が理由でここアビドスに居るのかということだ。
……十中八九、目的はアビドス高校だとは思われる。
ただ、彼女たちはどういった依頼内容で……誰に依頼されてここに来たのか。
あまりにも少ない情報のピース故に、俺は少々頭を抱えた。
そうしているうちに、便利屋68はテーブル席……対策委員会のすぐ隣の席に着いていた。
「ご注文はいかがなさいますか!」
「じゃあ、一番安いメニューを一つ頼める?あとお箸は四膳で!」
……ん?
「えっと……一番安いのは柴関ラーメンですね!……って、箸を四膳で…?まさか、一杯を4人で……!?」
「いやぁ、ちょっとお金がなくてね〜。」
「ご、ごごごごめんなさい!貧乏ですみません!」
……なるほどな。
丁度いい。
「大将、ちょっといいか?」
「ん?どうしたんだ、先生?」
黒見が何故か便利屋達を励ましている中、俺は柴大将に声をかけた。
「……あそこの生徒たちにラーメン四杯。俺からの奢りで頼めるか?」
「あー……そりゃ構わんが、いいのか?」
「問題ない。……それに、どうせ俺がしなくてもアンタなら『うっかり』手を滑らせるだろう?」
「おっと、なんのことだい?」
しらばっくれる大将の様子に少し笑みを浮かべつつ、俺は便利屋たちの方へと意識を向けた。
「……なんか変な勘違いされてない?」
「まぁ、いつもこんなに貧乏な生活送ってるわけじゃないけどね。今回のも、アルちゃんの金遣いが荒かったのが原因だし。」
「ムツキ室長、『アルちゃん』じゃなくて『社長』でしょ?肩書はちゃんとつけてよ。」
「えー、だってまだ仕事まで時間あるじゃん。」
……なんともゆるい雑談だが、関係性と大雑把な財務状況には見当がついた。
なんとなくだが、恐らくは社長と自称している赤髪の少女「陸八魔アル」と室長と呼ばれていた少女「浅黄ムツキ」はかなり親しい間柄だ。
他二人はどうかは知らんが、会社という建前で実態は部活動に近しいのかもしれない。
それと、陸八魔アルの金遣いが荒いという情報は初耳だ。
この感じだといつものことらしいが、それを理解しながらもついていかせる辺り、相当に部下から慕われているようだ。
「……今回の依頼の為に傭兵を結構雇ったけど、大丈夫なの?ほとんど全財産使っちゃったし。」
「ふふふ、大丈夫よ。依頼を達成したらお釣りが来るぐらいは稼げるし、これぐらい想定の範囲内よ。」
そんな事をのたまうが、恐らくは内心焦りがあるのだろう。
声に微弱ではあるが震えが感じられる上、チラリと確認したところ平静を装っているが、目の奥があたふたと揺れ動いているのが微かに見える。
まぁ、あの歳であそこまで腹芸ができるのは中々大したものではあるのだが。
そうしているうちに、大将がラーメンを完成させて黒見がそれを配膳するために運び出した。
数は4つ。
こちらからの注文通りだ。
「おまたせしました、紫関ラーメンです!」
「えっ、あああの……?」
「……私たちは一杯しか頼んでないはずだけど?」
「これはあちらのせ……んん、あちらのお客様からです。」
そう黒見が教えたと同時に、俺の方へと向いてきた4つの視線。
片手だけを軽くあげ、彼女たちに「気にするな」というジェスチャーをとる。
……さて、ここからが肝心だ。
いかがでしたか?
実際、彼女たちってヘルメット団だとかと比べると「不良」という感じがしないのですよねぇ……。
やってることはまぁあれなんですが。
それでは、また次の話をお楽しみに。