そういえばどこかで言ったような気がしますが、私は基本的にこの作品の主人公であるセイジの正体こそ匂わせてはいますが、その核心に迫る部分はストーリーの都合で秘匿してるんですよね……。
まぁ、それだと何かしら不都合なことも起きそうなのでちょっとだけヒントを差し上げましょう。
強いて言えばそうですね……彼は、というより世界そのものの正解は掛け算であり、私が書いてるこの世界は足し算でできている……といったところでしょうか?
多分勘のいい人はあっさり読めるでしょう。(他力本願)
そんなこんなで本編をどうぞ
追伸:しばしの間、割と重要な局面に入る東方の作品の方に力を入れるために更新が停滞するかもです。ご容赦を。
「それでは、アビドス廃校対策委員会の定例会議を始めます。」
「今回も引き続き、先生のお二方にも参加していただきます。」
「うへへ〜。よろしくね〜、先生?」
「"うん、今日もよろしくね。"」
「………。」
奥空の進行の元、今日の会議が始まった。
他にもやるべき仕事はあるが……今回は俺から彼女たちに通達する必要性のある物もあるために、〇〇と一緒に出席することとなった。
「まずは、セイジ先生からのお話です。先生、よろしくお願いします。」
早速、俺の出番らしい。
先日の会議の時のようにボードの前へと出て、生徒たちに視線を送る。
「……早速、本題に入ろう。」
「まず、先日捕縛されたヘルメット団についてだ。」
俺はPip-Boyを操作。
いくつかのアタッシュケースを取り出して彼女たちの前へと積み上げた。
「今回の件について連中の一人辺りの賞金、並びに連邦生徒会とヴァルキューレからの報奨金、あとは鹵獲した兵器類の買取金額を含めた報酬だ。」
「うへ〜。結構あるんだねぇ。だいたいどれぐら〜い?」
「これが明細書だ。」
そう言いつつ、アタッシュケースと一緒に取り出した封筒を机に滑らせて小鳥遊へと渡す。
「ほほ〜、どれどれ〜……」
小鳥遊は封筒を机から取り上げ、その中身を取り出す。
そして目を通し……
「……は……?」
ただその一言。
それだけを口から漏らして固まった。
「せ、先輩?どうしたんで……え…!?」
動きを止めた小鳥遊へと奥空が声をかけ、同じくその動きを止めた。
その視線は小鳥遊の持つ明細書へと注がれていた。
「”ふ、二人とも一体どうし……”」
そんな二人に声をかけつつ、〇〇もまたその明細書へ目を向けた。
「”……ねぇ、セイジさん。この金額は……”」
「それで間違ってはいないぞ?しっかり明細に記しているだろうが。」
〇〇は俺にありえないものを見るような視線を向けるが、別におかしなものは一つもない。
多少俺の口利きもありはするが、それでも妥当な金額のはずである。
「一体どういうこ……」
黒見が怪訝そうにしつつ、小鳥遊が持つ明細書を手に取ると……
「な、なによこれぇぇぇぇッ!?」
突如、彼女は大声で叫びだした。
「ほ、報奨金含めた賞金だけで二百万……あのヘルメット団の武器の金額で合計八百万円!?」
「えっ……?ということは……」
「ん、一千万円も稼いじゃった。」
黒見が読み上げた内容に対し、愕然とする十六夜と砂狼。
ずいぶんと驚いているようだが、ここで中抜きやら値切りやらで差し引かれたのだとしても大して差はない。
一番高い兵器類に関しても、元々違法なものであることを加味すると正規品よりも安い。
相当に絞り出してこの程度なのだ。
砂狼の反応からして高すぎるように思われているが、色々と省いただけでこれがあの規模の賞金首に対する相場なのである。
「これに関しては公正な金額での報酬だ。これ以上も以下もない。」
「う、うへへぇ……。おじさん、これはちょっと意外だったかなぁ…?」
「なんなら今後この手の依頼を凱旋することも可能だ。シャーレに流れてくる物の中にはこの手の荒事も多いからな。」
実際、俺や〇〇だけでは消化しきれないほどにその手の仕事は舞い込む。
優先度が高いものや緊急性が高いものから片付けているが、それにしても間に合っていない。
ヴァルキューレの生徒達にも手伝わせているが、ただでさえ人手不足が顕著な奴らの人手を使い続けるのも厳しい。
かと言って現在進行系でテスト運用中のアサルトロンや開発中の”アレ”は、数を揃えようにも生産する工場や人手が足りない。
ならばどうするか。
答えは簡単な話だが……
「あぁ、ちょうど良いことだ。次の通達事項について話そう。」
俺は再びPip-Boyを操作して紙束を取り出し、会議中は部屋の端に待機していたコルトに並べさせる。
「近々だが、シャーレ当番を事務作業担当と戦闘担当で分けて募集することとなる。」
「〇〇から朝に全員分の当番の願書が提出されていることは確認している。」
「これを元に抽選してシフトが組まれるが、この際提出された記録を元に戦闘部と事務部で分けて配置していくことになる。」
「例えば、そうだな……」
俺はあらかじめ用意させた資料に目を軽く通し、それを元に具体例を組み上げた。
「まずは戦闘部。これに該当する生徒は小鳥遊、砂狼、十六夜、黒見だ。」
「黒見は事務部も検討したが……記録を見たところ、どちらかといえばこちら側として判断した。」
「対して、事務部は奥空だな。後方支援としても優秀だが、それと同時に書類の作成や整理の能力が高いことは確認している。」
「それらを踏まえた場合、この配置となる。なにか質問はあるか?」
俺がそこまで言い切ると同時に、十六夜が手を挙げる。
「え〜っと……その戦闘部を率いるのって……」
「〇〇だな。というより、当番制度が適用されているのはソイツだけだ。」
俺のその発言に対し、〇〇が目を剥いてこちらを見てくる。
まぁ、まだ連邦生徒会内でも上の方で議論されている途中の案件だからな。
知らないのも無理はない。
「……これでも負担を軽減するための方針だ。事務専門と戦闘専門を分けることで処理能力を上げる以外、まともな業務負担の軽減策が連邦生徒会の方で出なかった。」
「"せ、セイジさんは担当しないの!?戦闘部とか、それこそセイジさんにピッタリだと思うんだけど……"」
「俺は最悪一人でも問題はない。数に関しても、アサルトロンが正式に採用されれば何とでもなる。」
それ以外にも理由はありはするが……な。
最後のそれだけを俺は心で呟く。
「それと、戦闘部に関しては危険手当として多少の給金が付く。」
「部活の一環ではあるものの、やってることは組織直轄の傭兵部隊の編成みたいなものだからな。」
「歩合制で金額は安定しないだろうが……シャーレにはひっきりなしに緊急の依頼が流れている。」
「少なくとも、今の不安定な情勢下ではそこそこの稼ぎが得られるだろう。」
ただでさえ借金の返済に苦しむアビドスにとっては、この話は渡りに船だろう。
こちらとしても育成の手間を省いて一定以上の練度の手駒を用意できる分、互いにwin-winである。
「俺からの話は以上だ。」
「あ、えーっと……あ、ありがとうございました。それでは、次の議題に……」
奥空の進行で再び会議が始まる。
俺は前の時のように、一歩下がった所で会議を見物するのであった。
いかがでしたか?
ちなみに、私視点でも一千万は高いです。
ですが、兵器類は数にもよりますけど……
綺麗な状態だと結構なお値段で取引できると思ったので。
後はまぁ端数を合わせるために適当に賞金をでっち上げました。
でもまぁ、危険を犯して制圧させてますし……
多少は、ね?
そんなわけで次の話をお楽しみに。