アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて……今回の話では我らウェイストランド人(アパラチアのレジデントだけでなく連邦のパパママや101のアイツも含めるものとする)にとっての切り札たる「アレ」が本作オリジナルの「あるモノ」を引っさげて登場です。
まぁ、そのあるモノについての言及はかなり後の話なんですがね。
それでは本編をどうぞ。

追記:お気に入り登録者100人を突破しました。
本当にありがとうございます!

さらに追記:ウェイストランド人は上記三つだけじゃなくて運び屋もでした。面目ありませぬ


二十四話:誘拐①

「セリカちゃん、今日もありがとな!」

 

「大将、お疲れ様でした!」

 

 

 

柴関ラーメンの暖簾がしまわれ、セリカは帰路へとついていた。

 

「はぁ……やっと終わった。目まぐるしい一日だったわ。」

 

少ない街灯に照らされた暗い道を歩きながら彼女はそう零す。

 

頭に浮かぶのは、今日の昼にやってきた先輩たち……と先生。

 

「まさかみんなで来るなんて……騒がしいったらありゃしないわ。」

 

そんな中、やけに思い出すのはシャーレの先生の片割れ……セイジのことだった。

 

ラーメンを食べている時の彼は、表情こそ鉄の仮面かと思えるほどに変わらなかったが……

 

その目には喜びと同時に悲しみの色を含んでいたような気がした。

 

「……きっと気のせいね。」

 

しかし、彼女はそんな感想を一笑に付した。

 

あんな鉄面皮の冷酷なお役人気取りがそんな顔をするはずがない。

 

少なくとも、彼女の認識の中では彼のソレはあり得ない話であった。

 

ふとあたりを見渡せば、砂に塗れ寂れた空気のただよう住宅街の光景が目に入る。

 

「そういえば、この辺も結構人がいなくなったわね。前はここまで酷くなかったのに……。」

 

思い返せば、このあたりの治安も悪いと聞いている。

 

よそから流れてきた不良たちが一部の場所で我が物顔で暴れているらしいことは、セリカも先輩越しに聞き及んでいた。

 

「このままじゃダメ。私たちが頑張って……学校も立て直していかないと……。」

 

そんな中、また脳裏によぎるのはセイジの顔。

 

『いくら信用していないとは言え、そう攻撃的に接し続けてたら誰にも助けを求められなくなるぞ?』

 

朝の去り際に言われた言葉が頭に響くが、そんなことは彼女にとって知ったことではない。

 

今までにアビドスへと助けの手を差し伸べたものなどいない。

 

いてもまともに助ける気のない詐欺師やホラ吹きばかりだった。

 

絶対に……あいつらだって私たちを騙す気なのだ。

 

みんなが騙されても、私は騙されない…!!

 

そんな思いを抱きつつ、バイト代が入ったら早速借金の利息の返済に充てよう。

 

そう今後を思い浮かべていた……その時までは。

 

突然、周囲に沢山の人影が姿を現した。

 

「……!?」

 

その人影……暗くて分かりづらいがおそらくヘルメット団だと思われる彼女たちはセリカを囲むように展開していた。

 

「……何よ、あんたたち!」

 

「アビドス廃校対策委員会、黒見セリカだな?」

 

リーダー格と思われるヘルメット団のヘルメットについているエンブレム……

 

それは、つい先日自分たちが制圧した奴らと同じカタカタヘルメット団の構成員がつけているものと同じだった。

 

「……アンタたち、カタカタヘルメット団の残党ね。残念だけど、もうお仲間さんなら既に檻の中よ!」

 

報復。

 

彼女の頭にはそんな二文字が浮かび上がっており、すぐさま背負っていたおのれの愛銃を手にとって構えた。

 

だが……この数に加えて、遠くを見れば対空砲と思われる兵器まで見える。

 

―――絶体絶命。

 

そんな言葉が彼女の脳をよぎった。

 

「……捕らえろ!!」

 

―――ブシュゥゥゥッ!!

 

リーダー格の指示が飛ぶのと同時に、その後ろの対空砲のようなもの……Flak41改の砲口が火を吹く。

 

あんなものの直撃を貰えば……いくら頑丈なキヴォトス人とは言えただでは済まない。

 

(……ッ……イヤっ……なんでッ……!?)

 

セリカはただ恐怖していた。

 

自分はただ……真面目にお金を稼いで……アビドスを復興させたかっただけなのに……!!

 

そんな心からの叫びも虚しく、彼女へと砲弾が飛んでくる。

 

周りを囲まれている故に、逃げることも助けを求めることもできない。

 

(誰か……誰か助けて……ッ!!)

 

正面からは砲弾。

 

左右と後ろからはヘルメット団がバラバラとばらまく銃弾。

 

彼女は自分へと襲い来る数の暴力に対し、戦うことも抗う心も失っていた。

 

セリカはおのれの身に降りかかる衝撃に恐怖し、目を瞑り身を丸くしてしゃがんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ズゥゥンッ!!!!

 

―――ドドドドォォォンッ!!

 

――ガガガガキンガガガガッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……あれ……?)

 

音が止んでも、予想していた体の痛みが来ない。

 

衝撃は来たが、少し体に響く程度で直撃を受けた痛みも感じない。

 

恐る恐る、目を開ける。

 

砂煙が立ち込める中顔を上げる。

 

そこには………

 

 

 

 

 

 

 

「……騎士…?」

 

まるで西洋甲冑のようにも見えるシルエットが砂煙の中に見えた。

 

その前には何やら巨大な板のようなものも見える。

 

少しづつ煙が晴れ、その姿があらわになっていく。

 

――シルエットでは甲冑のようにも見えたが、ところどころ錆びたり腐食したりする工業機械らしいパーツで構成された巨躯。

 

――肩には何かに吊るすためなのか、輪っかのようなものがついた全体的に少し角張ったデザイン。

 

――その背面にはバルブのようなものが付いており、その中央には黒い何かが嵌っている。

 

――さらにその上部にはブースター?というのだろうか……何らかの推進器のようなものまで付いている

 

オートマタにしてはあまりにも古臭いデザイン。

 

だが、その背中はまるで歴戦の戦士であるかのように広大で……

 

どこか、その背中を見て安心できる自分がいた。

 

「あ……アンタ、一体……?」

 

声を震わせながら、セリカは目の前の機械の騎士へと声をかけた。

 

機械の騎士は目の前にある板のようなものを支えたまま、首を少し彼女へと向けるかのように動かし……

 

『……怪我はないようだな。』

 

スピーカー音が混ざりながらも、聞き覚えのある声で言葉を返してきた。

 

「はっ……え……アンタ、もしかして……」

 

『放心してる暇があったらさっさと立ち上がれ。その手元の銃は飾りか?』

 

その言葉で確信した。

 

目の前の機械の騎士。

 

その正体は……あのセイジという先生なのだと。




いかがでしたか?
原作ではセリカは攫われる姫様ポジでしたし、それ考えるとやはりこいつを出したかったのもあります。
まぁ……多分そこら辺の不良が使う銃の弾丸くらいならあのパワーアーマーなら弾いてくれるでしょう。(多分T-51のほうが強いだろうけど……)
それでは、また次の話をお楽しみに。
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