アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんにちわ。
最近色々とやる気が湧かずにダラダラとグールを狩り続けている今日このごろです。
……もちろん、狙ってるのはそこら辺にいるフェラルですよ。
偶にうっかり76グールを撃っちゃうこともありはしますけど。
それでは、本編をどうぞ


二十二話:柴関ラーメン③

黒見に案内されて席について数分経った頃……

 

「いらっしゃいませ!柴関ラーメンです!」

 

「あっ、セリカちゃん!ここでバイトしてたんですね☆」

 

「うへぇ、初めて知ったよぉ。」

 

「え、えぇっと……先に二人来てませんか?」

 

「"やっ、セリカ。"」

 

遅れてドライブボットに乗ってきたらしい〇〇とアビドスの残り3名が到着した。

 

「……………お席はあちらになりまーす。」

 

もう既に砂狼のこともあるのか、腹を括ったらしい黒見は一瞬間を開けながらもすぐに切り替えて四人をこちらの席まで案内した。

 

「あっ、シロコ先輩!」

 

「ん、先に待ってた。」

 

先ほど落とした拳骨でまだ痛むのか……

 

砂狼は奥空に片手だけを上げて、もう片方の手は未だに頭の天頂部分を撫でていた。

 

「んー?シロコちゃん、頭どうしたのぉ?」

 

「……先生に拳骨落とされた。痛い。」

 

「うへぇ……ちょっとぉ、うちの後輩に何してくれてんのさ。」

 

小鳥遊が口調は変えずにこちらを睨んでくる。

 

他の生徒たちも「えっ!?」と言わんばかりの批難の目を向け、なんなら〇〇も厳しい目を向けてくる。

 

「突然縛り上げて酔うほど荒い運転で引き回した挙げ句、それでダウンしてた俺に軟弱とか抜かす馬鹿には良い薬だろう。」

 

「"……それにしても生徒に手を出しちゃいけないでしょ。"」

 

「生憎とだが、俺はお前のように聖人君子はめざしちゃいない。そもそも、普通なら当然のごとく人を誘拐していく生徒を叱るのも俺たちの仕事なんだがな。」

 

「"叱るにしてもやり方があるでしょ……。ちゃんと言葉で伝えれば……"」

 

やはり、〇〇は未だに甘いな。

 

「キヴォトス人に言葉だけで通じるか?少なくとも、それだけで済むんならヴァルキューレは要らん。」

 

基本的にキヴォトスは学園都市ではあるものの、ここでもっとも大きな力を持つのは言論や理屈、権力ではなく純粋に暴力。

 

言葉で言っても聞かん奴には痛み付きで覚えさせたほうが手っ取り早い。

 

そんな会話をしているうちに全員が席へとついていた。

 

ただ、その空間は異常に重苦しい雰囲気であったが。

 

「ご注文はお決まりでしょうか!」

 

そこで、もう完全に吹っ切れたらしい黒見が声を張ってその場の空気をぶち壊した。

 

「あ、そ、そうですね☆じゃあ柴関ラーメンを一つお願いします!」

 

「ん、私も。」

 

「じゃあ、私たちもそれでお願いしよっかなぁ〜。」

 

「は、はい!先生方はどうしますか?」

 

「"じゃあ、私も柴関ラーメンでお願い。"」

 

どうやら、全員揃って同じメニューを頼むらしい。

 

恐らく、店の名前が付いてるあたり看板メニューなのだろう。

 

特に何をするでもなくその様子を見ていると、全員の視線が俺に向いた。

 

「あの……セイジ先生はどうなされますか?」

 

……あぁ、俺の注文待ちなのか。

 

「いや、別に俺は……」

 

「分かりました!柴関ラーメンですね!!」

 

まただ。

 

有無を言わせずに奥空が勝手に注文を入れた。

 

「……おい。俺はまだ何も……」

 

「い い で す ね ?」

 

「…………。」

 

奥空からかなりの圧を感じる。

 

恐らく、俺が何を言おうと無駄だろう。

 

「……柴関ラーメン6人前でよろしかったでしょうか!」

 

「はい!お願いします☆」

 

そんな様子を見てかは知らんが……黒見はさっさと注文を確定して厨房の方へと向かっていった。

 

「……なんのつもりだ?」

 

黒見が去っていって間もなく、俺は奥空の方を見て質問を投げた。

 

実際、俺がここに来たのは奥空の指示によるものだ。

 

一体、どういうつもりなのか…?

 

「なんのつもり……ですか。」

 

奥空はメガネの位置を直しつつ、俺の目を見据えてきた。

 

「先生、それは私のほうが聞きたいです。」

 

……ほう?

 

「なんのことだ?」

 

「とぼけないでください!!先生、お昼に貴方は何を食べようとしていましたか!?」

 

「ドッグフードだが?」

 

何がおかしいというのか。

 

仕事しながらでも手軽に栄養を補給できる素晴らしい食品だというのに……

 

「先生っ!!もっとまともなものを食べてください!!そもそも、ドッグフードは人の食べ物じゃなくて犬用のご飯です!!」

 

「別に食えて栄養が取れるなら別に何でもいいだろう?それに、犬用とはいえ人でも食えんことは無いからな。」

 

俺の言葉に対し、奥空がプルプルと震えだした。

 

「"あのぉ……えっと……セイジさん?流石にドッグフードはどうかと思うんだけど……"」

 

「〇〇、ここ最近の食生活がエナジーバーやゼリーばかりのお前に言われる筋合いはない。」

 

「"えっ、その二つってドッグフードと同じ扱いなの!?っていうかなんで知ってるのッ!?"」

 

手軽に栄養を摂れるという意味では二つとも大して変わらんはずだろうに……。

 

ついでに、情報の管理ぐらいはしっかりするべきだろう。

 

「〇〇先生…?」

 

「"ヒュッ…はっ、はい!!"」

 

どうやら、怒りの矛先は〇〇にも向いたようだ。

 

「どうして……どうして先生方はそんな乱れきった食生活ができるんですかぁぁぁッ!!」

 

どうやらついにキレたらしい。

 

「特にセイジ先生!!せめて普通の食べ物を口にしてください!!貴方は犬ですかッ!!」

 

「猟犬のように戦場を駆け回ったことはあるな。」

 

「そんなことは聞いてません!!ふざけないでください!!」

 

至極真面目に答えたのだが。

 

「はいはいアヤネちゃん、ストップストップ〜。」

 

激昂する奥空。

 

彼女に待ったを書けたのは小鳥遊だった。

 

「ホシノ先輩!!止めないでくださ……」

 

「ここ、お店だからお説教は後にしようね〜。流石に迷惑になっちゃうよ。」

 

「………あっ。」

 

小鳥遊の言葉で今いる場所がどこかを思い出したのか、奥空は急に顔を赤くしながら静かになった。

 

「先生もからかいすぎちゃいけないよ〜?」

 

「別にからかってはいないが……」

 

「……そこはうわべだけでも「ごめんね」が欲しかったなぁ。」

 

小鳥遊はそんな事をぼやくが、俺としては徹頭徹尾至極真面目にしていたはずだ。

 

少なくとも、ローチの肉やその他害虫どもの肉……ラット共の肉を食べているよりははるかにマシだろうと思ったのだが……。

 

「おまたせしましたー!柴関ラーメン6人前です!」

 

なんとか場が収まって間もなく。

 

黒見が湯気が迸る丼を乗せたお盆を持って来た。




いかがでしたか?
よくよく考えたらほんとにドッグフードってウェイストランドではまだまともな方の食事ではないかと思えますね。
少なくとも、絶対なんかやべぇ菌とかウイルスが付いてるゴキやネズミの肉とか食いたくないですわ。
それでは、また次の話をお楽しみに。
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