いつの間にやらかアパラチアで76製グールが発生しておりますが、今のところは人間をやめるところには至っておりません。
流石にね……割と気に入ってるキャラクリなのに焼け爛れさせるのはちょっと……。
そんなわけで本編をどうぞ。
俺が部屋の隅へと下がって十数分程経った頃……
「……そんなの納得できないわよ!!」
「お、落ち着いてくださいセリカちゃん!?」
「絶対に……絶対に認めないんだから!!」
「あっ、セリカちゃん!!」
対策委員会のメンバー達はしばらく討論し合っていたが、遂に耐えきれなくなったらしい猫耳の生徒……アビドス高等学校一年の黒見セリカが会議室を飛び出していった。
五人中賛成三人、中立一人といった中で一人反対派を貫いた彼女だったが、感情任せな彼女の主張では賛成派どころか中立派である小鳥遊ですら説得しきることができなかった。
結果、激昂して会議から途中退出。
そのままどこかに走り去っていった。
「"え、えぇっと……私達はどうすれば……"」
「今は静観しとけ。ここで手を貸してもあいつらの為にはならん。」
〇〇が助け舟を出そうかともしていたが、俺たちはあくまで部外者。
これに関しては生徒達自身に解決させるべきだろう。
なんなら、下手にここで手を貸せばむしろ火に油を注ぎかねない事態にもなりうる。
まだまだ青いところの多い多感な彼女たちを下手に刺激しすぎるべきではないと〇〇を諭して抑え込んだ。
「私、ちょっと探してきます!!」
そういいつつ黒見の後を追って飛び出していったのは二年の十六夜ノノミ。
情報によると、キヴォトスの大手企業の一つである「セイント•ネフティス社」の令嬢だということだ。
何故、そんな高いポストにいるだろう彼女がここにいるのかは定かではないが、それは置いておくとしよう。
「……うへぇ〜、ごめんね先生。」
「"私たちの方もゴメンね…。いまさら助けるなんて言っても虫が良いと思われてもおかしくないし…"」
小鳥遊と〇〇は互いに謝り合っているが……
まぁ、この状況では小鳥遊が中立に立たない限り黒見の中にわだかまりを残したまま採決されることにもなりえただろう。
「"そういえばなんだけど……"」
唐突に〇〇は口を開き、皆を見渡しながらまさかの言葉を口にした。
「"……みんなの討論にあった借金って、どういうこと?"」
はっ?
「「えっ?」」
「んっ?」
こいつは今、何と言った…?
「えっと……先生。それはどういう……?」
「"いや、借金があるってどういうことなのか聞いてなくて……"」
まさか、コイツ……
「……お前、事前に渡していた資料を読んでいないのか?」
「"えっ、資料って……あっ。"」
俺の問いかけに対し、〇〇は何かを思い出したかのような顔となり青褪め始めた。
「"ぁぁ、えぇっと、その………く、車の中で読んでたら酔いそうになっちゃって……それで、そのぉ……"」
「"……あ、後回しにして忘れてました。"」
ブチリ
俺の中で何かが切れた音がした。
「……おい、〇〇……」
「"ひゃっ、ひゃいッ!!"」
「仕事に関わる重要な資料に目を通すのは教師以前に一仕事人として基本だろうが、この大馬鹿者がぁぁぁぁッ!!」
「"ごごごっ、ごめんなさぁぁ〜いッ!!!!"」
「……え、ええっとつまりですね……アビドス高等学校は度重なる砂嵐の対処に追われて多額の借金を抱えてしまいまして……」
「……その借りた先が闇銀行。暴利をかけられて財政もまともに働いていない……んだけど……」
「け、桁が桁だから返すのにちょっと難航しちゃってねぇ〜。」
あの後、アビドスの生徒たちは顔を引き攣らせながら〇〇へと一連の事情を説明していた。
説明していたが……
「ええっと……その……大丈夫〜?」
「"……ウン、ダイジョウブダヨ"」
「絶対に大丈夫じゃありませんよね!?」
真っ白に燃え尽き、目に光をともさない〇〇の形をした肉人形はただそれだけを答えていた。
「しっかり話を聞け。脳に情報を刻め。いつまで腑抜けているつもりだこのポンコツが。」
「"ハイ、モウシワケゴザイマセン。"」
「……ん、まるでロボットみたい。」
「"ワタシハプロテクトロンイカノポンコツデス"」
「うへぇ……ホントにロボットになっちゃいそうになってないかなぁ!?」
「いっそロボブレインにしてプログラミングしたほうがまだ使えるかもしれんな。」
「な、なんかそのロボブレイン?さんにするのは嫌な予感がするのでやめてあげてください……。」
……まさか、事前に渡していた資料にあれだけ時間があったというのに目を通していなかったとは……な。
あまりにも衝撃的すぎて逆に恐怖してしまうほどだった。
……連邦生徒会長、奴は本当に何を思ってコイツを教職として相当に高いポストの座に座らせたのだろうか?
「と、とりあえず今日のところはここまでにしよっかぁ〜!!みんな色々と考える時間も必要だろうしね〜?」
「んっ、んん。そうした方が良いかも。」
「ほ、本日の会議は以上で終了とします。お、お疲れ様でした…。」
そんな中、生徒たちは会議をさっさと切り上げて解散していった。
「……〇〇、お前もさっさと仕事に戻れ。いつまでそうしている気だ。」
「"アダッ!?ハッ、僕は何を……"」
「寝ぼけている暇があったらこの書類でも片付けておくことだな。」
そう言いながらPip-Boyから取り出した書類の束……いや、山を押し付ける。
「"……えっと……セイジさん…?これは一体……?"」
「お前の分の今日と明日までに終わらせる仕事だ。明日が提出期限ではあるが……この量なら一徹すれば楽に終わるだろう。」
「"えっ、ちょっとま……!?"」
「俺も仕事があるからな。サボるなよ?」
俺はそれだけ〇〇に伝え、会議室を後にする。
引き止める声がしたが……あの間抜けには良い薬となるだろう。
そう思いつつ、俺は己に与えられた仮の自室に未だ積んである書類を片付けに向かうのだった。
いかがでしたか?
〇〇先生よ……
自業自得だよそれは。
因みに、ちゃんと資料読み込んでしっかりと生徒たちを導いていけると判断された場合は、彼の事務仕事をセイジがある程度請け負う予定だったそうな。
それでは、次の話をお楽しみに