アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもおはようございます。
ここ最近、とある鎖付きのドラゴンやパンデミックなドラゴンとの死闘続きで中々書けていなかった今日このごろ…。
いくら知り合いが皆時間合わせづらいからといってソロでいくのは無謀でした()
まぁ、そんな全く関係ない話は置いておき本編をどうぞ。


十七話:アパラチア

小鳥遊にあてがわれた部屋で仕事をかたづけ始めて数十分程経った頃……

 

「コンコンッ……"セイジさん、ちょっといいかな?"」

 

「……なんの用だ、〇〇。」

 

突然、ノックされた扉が開いて〇〇が部屋を訪ねてきた。

 

夜もかなり深まり、恐らく生徒たちは夢の中に籠もっているのであろう時間。

 

まだ空も明るくなる兆候を見せないこの時間に何の用なのだろうか?

 

「"……ちょっと聞きたいことがあってね。今、時間はいいかい?"」

 

「……三分待て。」

 

〇〇にそう返し、現在手をつけていた書類を一気に仕上げていく。

 

急ぎつつもしっかりと書き上げ、印を押しこんで仕上がった書類を束にしてPip-Boyにしまいこんだ。

 

「待たせたな。」

 

「"あ、う、うん。"」

 

どこか引きつった顔をした〇〇だったが、すぐに気を取り直したかのように珍しく真剣な顔を浮かべた。

 

「"……君は、何者なんだい?"」

 

〇〇はそんな質問を投げかけてきた。

 

どういう意図でそれを聞きに来たのか……いや、恐らくはエイムズ辺りが何か言ったのだろう。

 

「"貴方が言ってたアパラチアはアメリカの地域って聞いたよ……。"」

 

「"でも、私がここに来る前のアメリカは荒廃しているどころかむしろ栄えてる国だった。"」

 

「"貴方は、本当にそこからきたんですか?"」

 

……なるほど。

 

確かに、俺はめんどくさがってウェイストランドと荒廃したアパラチアについてだけしか明言はしていなかった。

 

まぁ、あまり話しても気持ちのいいものではないというのも確かではあるが……

 

とはいえ、こんな目をしている奴に対して面倒くさがると後々が面倒だ。

 

仕方あるまい。

 

「……そうだな。確かに俺はアパラチアから来たし、そのアパラチアはアメリカの地域だった。」

 

「話せば長くなる。とりあえずそこに座って聞くといい。」

 

俺は近くにあった椅子を指さして座ることを促す。

 

〇〇は俺の方を睨むように見ながらもその椅子へと座った。

 

「さて、まず大前提の話にはなるが……確かに俺がここに来る前にいたのはアメリカではある。だが、それはこの世界ではないだろう。」

 

「"……つまり?"」

 

「恐らくは異世界……もしくは並行世界やパラレルワールド等に準ずる今俺たちがいるこの世界とは別次元にある世界だろう。」

 

「"……君が冗談で言ってるわけじゃないとは思うけど……突拍子もない話だね。"」

 

「だろうな。俺だってお前の視点ならそうなる。」

 

そう言いながら俺は作業のお供にと淹れておいたコーヒーを啜る。

 

「……だが、それが現状での俺なりの確かな結論でもある。」

 

「俺のいたアパラチア……アメリカは荒廃していると言ったのは本当の話だ。」

 

「……これを見ろ。」

 

そうして俺がPip-Boyを操作して取り出したのは何十枚もの写真。

 

それらは仕事や何かの記念で撮った……アパラチアの光景を映した写真達の数々だった。

 

「……!?こ、これって……"」

 

「気になるなら鑑定しても構わん。だが、その写真の光景は全てが現実にあったことだ。」

 

1枚は、遠くから撮ったグラフトンモンスターがレイダーの1人を握り潰して殺した写真。

 

1枚は、薄汚れてボロボロになった住宅街を大量のフェラルグールが徘徊している写真。

 

1枚は、スーパーミュータント達がアサルトロンやプロテクトロンの集団と交戦している様子を遠巻きに映した写真。

 

その他にも、無残な死に様の死体たちや見るからにボロボロな建築物……そして、歪な変化を遂げた異常な見た目の動植物達が映された写真が大量に机の上へと広がっていく。

 

「"なんで……なんでこんなことにっ……!!"」

 

「俺は当事者じゃないからよくは知らん。……だが、この光景を生み出した元凶だけは分かっている。」

 

 

 

「この光景は人間同士の争いの果てに……核兵器によって全てを滅ぼしたが故に起きたことだ。」

 

 

 

「……ひとまず、そういうことだ。俺のいたアメリカは戦争で何もかもが崩壊した後……人類が再出発を迎えようとあがき続ける時代だった。」

 

「まだこの世界は核で滅んではいない以上、同じ世界とも考えづらいからな。」

 

「"…………"」

 

〇〇は写真を見つめながら呆然としたように固まっている。

 

その手に持っていたのはある時に撮られた1枚……人ならざる怪物の徘徊する学校の内部を映した物だった。

 

そこには逃げ遅れたのだろう教師と……大量の子供のものと思わしき小さな骨が積まれている。

 

「これは生き残った連中の一部のみが知っていた話だが……この核戦争で避難することもできずに死んだ人間は多くいたらしい。」

 

「アパラチアは直接的な核攻撃こそなかったものの……アメリカ全土に撃ち込まれた核ミサイルが生み出した"核の炎"に巻き込まれてしまった人間は多くいたそうだ。」

 

「そのうち幾らかは突然変異とかを起こしたが……それでも、逃げ遅れたほとんどの人間はこの時にほぼ全て死んでいる。」

 

「"……罪もない子どもたちが巻き込まれるなんて……こんなの……!!"」

 

「それが戦争だ。何が原因で起こったかも分かりはしなかったが……どんな戦争でも、本当に正しい結末や結果を生み出せるわけがない。」

 

「……最も、俺がいた頃にはもう何もかもが終わって後の祭りではあったがな。」

 

そう突き放しながらコーヒーを再び啜る。

 

どうやら、随分とぬるい環境で育っていたらしい〇〇はこれだけでも相当なダメージを負っているようだが……

 

まぁ、俺が知る限りでの企業や政府のクソのような外道の所業については黙しておくのが得策だろう。

 

「"……なんとなく、貴方の倫理観がおかしかった理由が分かったよ。こんな環境なら……"」

 

「生憎と、それは違うな。」

 

えっ?と言わんばかりの顔でこちらを見てくる〇〇。

 

勝手に納得されても困る故に釘は刺しておくべきだろう。

 

「確かにあの世界はクソみたいな場所ではあったが、それだけで外道には落ちん。」

 

「……それに、あんな世界でも確かな信念をもって立ち上がり……何があっても進み続ける道を選ぶ連中だって多かった。」

 

「倫理観なんて物は、文明が崩壊して最悪な世界に変わったとしても対して変わらんものだ。」

 

そうして思い浮かべるのは、76の奴に紹介されたVault76監督官やB.O.Sのパラディン•ラフマーニ……少し怪しくはあるところでクレーターのメグ等も人格的には善人であり、倫理観もまともな奴らだった。

 

地獄の如きあの環境であっても、あれほどの人間性を失わない生き方ができるというのは中々凄まじいことでもあった。

 

「……さて、あくまでここまでが"前提"の話だ。」

 

「"……!!"」

 

そうだ。

 

ここまではあくまで前提の話……俺が居たアメリカが別次元の世界であるということまでの話なのだ。

 

「ここまでは俺がアパラチアにいた事までを語ったが……出生に関しては俺はアパラチアどころかアメリカの生まれですらない。」

 

「"えっ……あっ、いや、そうか。確かに、「セイジ」って名前は……"」

 

「あぁ。日本人としての名前だ。」

 

「"……でも、それだとおかしくないかい?文明が崩壊して国交とかは絶たれているはずなのに……?"」

 

「実際、あっちの日本がどんな状況なのかは俺も知らん。大方、核戦争の巻き添えでも食らってほとんど壊滅してるんだろうがな。」

 

「"じゃあ……君は一体……?"」

 

「そうだな……そんな俺を表すのにふさわしい言葉と言えば恐らくは一つ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は、「元日本人の転生者」ということになる」




いかがでしたか?
正直、核兵器関係は扱いが難しいので厄介でした…。
また次の話をお楽しみに。
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