アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
最近ちょっとハンターしてて忙しくしておりますが、なんとか仕上げました。
割と独自の解釈も交えているので不安ではありますが……
そんなことはさておいて本編をどうぞ


十六話:ベルチボット

あの後、捕まえた子たちも含めてヘルメット団は全員コンテナに詰め込まれた。

 

エイムズによれば明日には回収の機体が来るそうなので、それまで彼らはここで見張りを務めるのだそうだ。

 

一先ずは夜も遅いとのことで今日のところは全員解散となり、学校の一室を借りている自分と忘れ物をしているらしいホシノを残して、皆はドライブボットや乗せていたらしい自転車で帰っていった。

 

そんな中、自分たちはエイムズ達を運んでいたらしい航空機に乗って学校まで向かっているが……

 

「"……まさか、こんなにハイテクなヘリコプターがあるとは思わなかったよ"」

 

『先生。ベルチボットはヘリコプターではなくVTOL機ですよ。』

 

「それ、なんか違うのかな〜?」

 

なんかすごく近未来的なデザインと内装のヘリコプター……じゃなくてVTOL機だった。

 

名前は「ベルチボット」。

 

コルト曰く、アパラチア……というよりはアメリカで輸送機として作られた「ベルチバード」という航空機を無人操縦ができるようにしたものらしい。

 

なんでわざわざ無人化したのかについてはコルトも知らないらしいが、多少セイジがいた頃のアパラチアについて知っているエイムズからの話によると何か重要な物品を運んでいるらしいロボットの護衛として使われていたという話なのだそう。

 

何を運んでいたのかは不明らしいが、彼が話していた「76」と呼ばれている人たちはしょっちゅうこれを堕としてはその重要な物品を盗んでいたらしい。

 

なんとも信じがたいが、文明が崩壊して以来無政府状態のアパラチアでは盗みや破壊、殺しといったものは日常茶飯事だったらしい。

 

なんでそんな事になったのかの原因については教えてはくれなかったが、彼自身そんなアパラチアの76の人に一度壊された後にセイジに回収されたらしかった。

 

もっとも、こうして修復されて再プログラミングされた彼としてはアメリカ軍人であることを誇りながらも与えられた任務に従事していくらしかった。

 

どこかズレているような気はするが、おそらく気にしないほうが良いのだろうか。

 

コルトが延々とホシノにヘリコプターとVTOL機の違いを解説している様子を眺めていると、少しずつ機体の高度と速度が落ちていくのを感じた。

 

『……おっと、そろそろ着くみたいですね。』

 

コルトが解説を止めてドアの前まで移動するのと同時に、微かな振動とともに機体が止まったことを感じた。

 

『到着いたしました。足元に注意してください。』

 

「うへぇ〜……お話が長くてうっかり寝そうだったよぉ〜。」

 

『では、子守唄に私の解説の録音でもプレゼントいたしましょうか?』

 

「う、う〜ん……それはいいかなぁ〜?」

 

そんな軽口を言い合う二人……二人?と共にベルチボットから降りた。

 

どうやらベルチボットは校庭のグラウンドに止まったらしく、その横にはベルチボットとよく似てはいるがかなりの重武装がつけられた機体も停まっていた。

 

よくよく遠くを見てみると、学校外の広く空いたスペースにもいくらかベルチボットらしき機体が停まっている。

 

「"こ、これ全部セイジさんが作ったの?"」

 

『いえ、ベルチボット及びベルチバードの製造についてはこちらの技術者の力も借りて自動化された生産ラインを作ってから製造されております。』

 

「……流石に多くない?弾薬とか諸々運んできても、うちの人数に対してこの数は過剰な気がするんだけど……?」

 

『確かに弾薬等消耗品も運ばれてはいますが……』

 

「外の方に止めてるやつらの一部はアビドスへの寄贈品だ。」

 

「「"……っ!?"」」

 

突然、後ろから聞こえた声に驚いて振り返る。

 

そこにいつからいたのか、最近着始めたスーツではなく砂漠用っぽい迷彩服を着用したセイジが立っていた。

 

「……うへぇ、いきなり人の後ろに立つのはちょっとデリカシーとか無いんじゃない?」

 

「生憎とそんな物は過去に捨てた。」

 

そう言いながら彼はホシノの方に目を向ける。

 

「……なるほどな。副生徒会長殿は俺達の存在が相当気に入らないと見受ける。」

 

「うへぇ……随分と詳しいね?」

 

突然、その場の空気が変わった。

 

主に変わったのはホシノが原因だが…

 

先程までの柔らかい雰囲気とは違う、まるで獲物を見据える猛禽類のような目をしていた。

 

「俺の仕事はこのアビドスを一学園として立て直させることだ。現状把握の為にで調べられる程度には探らせてもらった。」

 

「ふーん……本当にそれだけ?」

 

「少なくとも、この学校やお前について調べた理由はそれだけだな。」

 

「……そっか。」

 

未だ張り詰めた空気は変わらないが、どこか納得したらしいホシノはそこで引き下がった。

 

「"えーっと……寄贈品っていうのはどういうことなのかな…?"」

 

一先ず、この張り詰めた空気が少しでも変わることを祈りつつ質問を投げかけた。

 

「そのままの意味だ。……正確には詫びの品っていうのも付きはするがな。」

 

そう言いながら彼はPip-Boyに何らかの操作をした。

 

すると、外のベルチボットの一機とコンテナのドアが開いて大量のアサルトロンと数体のMr.ガッツィーがでてきて瞬く間に自分たちの前へと整列した。

 

「元々、支援要請自体はだいぶ前からあった。だが、何を思ってか連邦生徒会の連中はその受理を渋っていた。」

 

「……本来であれば受理されるべきものだったものを野放しにしていた点も含め、連邦生徒会側から公式な謝罪とその埋め合わせとしてこいつらを無償で譲渡する、というのがまぁ建前になるな。」

 

建前、というのに引っかかりを覚えるが、なんとなく予想はできた。

 

恐らく、無償提供と同時に新型の兵器であるアサルトロンやMr.ガッツィーの試験運用も兼ねているのだろう。

 

性能試験、というよりは実際の戦闘などでの運用にどこまで対応できるかのテストなのだろうか?

 

「"……どこまでも、君は合理性とかを求めるんだね。"」

 

「当然だろう。単なる感情論だとかだけでの無償の善意のほうが逆に信用ならないからな。」

 

「ん〜、まぁ確かにそれはそうかもね〜。」

 

セイジの返した答えに対し、ホシノも頷く。

 

「少なくとも、俺はコイツの実地試験と連邦生徒会としての仕事ができる。アビドス側も不足している戦力数を一時的にでも確保できる。互いに損はないからな。」

 

「にしても多くない?おじさん達、こんなにもらっても使いこなせないよ〜?」

 

「安心しろ。こいつらの指揮系統は、お前たちの副官役としてプログラムしたガッツィー達が基本はやるようになっている。お前達はとりあえず簡単な指示出しをするだけで問題はない。」

 

「なんなら、掃除や建物の修復作業にでも使えば良い。この様子なら手は多いに越したことはないだろう?」

 

「……そうだね〜。じゃあ、早速学校のお掃除を手伝ってもらおうかな?」

 

『了解いたしました!!皆さん、我々は校舎の清掃に取り掛かります!チリ一つ……いや、砂一つ残らない掃除をお見せしましょう!!』

 

『『『『イエッサー』』』』

 

ホシノの指示にMr.ガッツィーの一体が答え、張り切った様子でガッツィーはアサルトロン達を指揮し始めた。

 

一糸乱れぬ動きでアサルトロン達は学校中に展開していき、どこからか拾ってきたらしい箒や塵取りで校舎内の砂を片付け始めた。

 

「う〜ん、こんなのでいいのかな?」

 

「問題はない。清掃も学校の維持に必要だろうしな。」

 

どうやら彼としてはこれで良いらしい。

 

戦闘用、とは言っても使い方次第ではただの便利な機械となるようにしている辺り、戦うことばかりを考えているわけではないようだ。

 

「ひとまず、物資は明日から校舎に搬入を行う。謝罪の方についても、明日生徒が全員そろってからさせてもらう予定だ。」

 

「それでいいよ〜。」

 

未だ警戒が解かれぬ空気の中。

 

二人は握手を一つ交わすのであった。




いかがでしたでしょうか?
ちょいと表現的に怪しいですが……
まぁでも、多分間違ってはいないはず…?
そんなわけで、次の話をお楽しみに。
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