アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわです。
さて、遂にアビドス編が始まります。
勿論、この世界はそもそもの根幹から何かが違っているので原作からは離れた結末となります。
ですが、それは結末がそうなだけなんですよね…。
そんなわけで、本編をどうぞ


一章 アビドス廃校対策委員会編
十一話:アビドス高校①


ある日の朝。

 

俺は連邦生徒会宛に届いている様々な書類の確認をしていた。

 

その大半は連邦生徒会に対する陳情や支援要請であり、かなり昔のものも含めてもまだ未処理の案件がいくらでも積み上がっている状態であった。

 

その中でも特に目を引いたのは………

 

「アビドス高等学校……か。」

 

砂漠地帯に存在するかつての巨大校であるアビドス高等学校並びアビドス自治区。

 

書類には連邦生徒会に対しての支援要請が何年も前から行われていることが記載されていた。

 

だがデータベース上で支援が行われた記録は一切なく、"協力者"の情報によるとその影響もあってか自治区は不良や黒寄りのグレーな企業が進出しているらしい。

 

そして、その最もたる原因は十年以上前から続く砂嵐による土地の荒廃とのことだ。

 

この現状的に、本来であれば連邦生徒会はアビドスに対して支援を行うべきなのだが……。

 

「……政治的な思惑での要請無視……か。どこでも政治屋は似たような考えをするものか。」

 

当時、学校間において大きな権限を持っていたアビドスは砂嵐の対応に追われてその権威が落ちだし、それに乗じて当時の連邦生徒会の連中は支援要請無視等を行ってアビドスを完全に失墜させたらしい。

 

その後は誰からも手を差し伸ばされることなく荒廃が進み、人口も疎開が頻発したことで激減していったようだった。

 

結果、現在はアビドス高校だけの人口でも六人……。

 

うち一人は身体的不調による療養で実質的に不在の状態とのことだ。

 

未だに廃校とはなっていないようだが、それでも建て直しのために行ったらしい借金等でかなり苦しい状況らしいが……。

 

「なぜ、ここまで放っておかれている…?」 

 

いくらなんでも、ここまで状況が悪くなっているのに支援の一つもないというのはあまりにもおかしい。

 

これではアビドス自治区は行政権も含めて消え去り、無法地帯となりかねない。

 

まだ行政の手を回せるうちに支援を行い、少なくとも殺しはしない程度で生かし続けることで主導権を連邦生徒会側に持たせ続けるというのであればまだわかる。

 

だが、これでは完全にアビドスを壊滅させてしまう。

 

そうなれば連邦生徒会としても手を回せなくなる無法地帯が、現在存在しているブラックマーケットと呼ばれる闇市以上に大きく増えてしまうことを意味する。

 

そうなれば、アビドスの砂漠地帯は後ろ暗い企業や組織……最悪は学園の秘密裏の兵器等の隠し場所等の使われ方をしてしまう。

 

それは行政機関である連邦生徒会にとって避けるべきものであるはずだが……。

 

「何かあるな…。どうにも臭う。」

 

早速、何かしらの理由をつけてアビドス高校とコンタクトを取ろうとしたちょうどその時だった。

 

『〈ビープー〉セイジ先生!!〇〇先生からご連絡です!!』

 

突然、Pip-Boyからアロナからの通信が入った。

 

「分かった。繋いでくれ。」

 

『……"……っと、これで聞こえるかな?"』

 

程なくして通信が繋がり、〇〇の声が聞こえた。

 

「聞こえている。要件は何だ?」

 

『"あっ、良かった。えっと、実はね……"』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほどな。アビドス高等学校からの手書きの救援要請か。」

 

『"私としては助けてあげたいんだけど……どうにかなりません?"』

 

……実に良いタイミングだ。

 

おかげでこちらも色々と動けそうである。

 

「分かった。支援要請についてはこちらで手続きと輸送を行う。」

 

『"えっと……ほんとにいいのかい?そんなあっさりと引き受けて……"』

 

「かまわん。というより、俺が断ったらどうするつもりだったんだお前は。」

 

『"え、えっと………土下座?"』

 

「アホか。それで通じると思っているのか?」

 

『……スイマセンデシタ……。』

 

実にアホな会話である。

 

最初から納得させる気で準備して連絡を取るべきだろうに……。

 

「……まぁいい。ひとまず、お前には出張で先んじて先方への支援の通達と先行支援を頼む。書類は後でお前の護衛と共に寄越す。」

 

『……え?わ、わかったけど……。護衛?』

 

「……まさか、護衛無しで出張をやるつもりじゃないだろうな?」

 

『そ、そんな大げさな……。』

 

「馬鹿野郎。この前話した事をもう忘れたか?」

 

まったく……どれだけこの同僚は能天気なのだろうか。

 

「立場的なこともありはするが、今回は基本的にシャーレ単独としての活動だ。」

 

「俺も後から連邦生徒会側としての仕事で向かいはするが……その後はシャーレ副担任としての業務になる。」

 

「そして………今回は当番の生徒の力は借りるのは難しいと考えたほうがいい。」

 

『"えぇ!?なんで!?"』

 

「あくまで当番は通常業務のサポートだ。これが指名手配犯の捕縛業務だとか不良の鎮圧だとかなら話は別だが、今回の仕事はシャーレの活動ではあるが通常業務ではない。」

 

『"そ、そうだった……。"』

 

「はぁ……とりあえず、護衛と移動手段、書類はこっちで準備する。水と食料、地図はお前の方で調達しておけ。」

 

『"りょ、了解しました。"〈ビプッ〉』

 

まったく……なぜあれでシャーレの方では俺の上司にあたるのか……。

 

ひとまず、こちらも準備はしておく必要がある。

 

俺は早速七神に連絡をし、シャーレの出張の件と支援についての連絡を入れた。

 

『……えっと、先生。それは本気でおっしゃってるのでしょうか?』

 

「なんだ?何が都合でも悪いのか?」

 

『い、いえ。そうではないのですが……今さら支援したとしても無駄になるのでは…?』

 

「バカをいえ。むしろ、無駄にならないようにするのが俺たちの仕事だ。」

 

『……わかりました。こちらの方でも手続きを進めます。』

 

「頼んだ。それと、支援物資は俺の家の前にいるポンコツに渡して"アレ"に積み込ませておけ。」

 

『ほ、本気ですか!?たしかに"アレ"なら結構な量を運べそうですが…。』

 

「問題ない。そもそも、"アレ"はそういう目的で造ったものだ。」

 

……まぁ、本来の設計から多少イジられた奴を、こっちの技術を使って可能な限り再現したものでしかないのだがな。

 

"あいつら"がこっちに来てたらもっとマシなもんを作れただろうが……いや、やはりいい。

 

あのろくでなし共は生徒たちの教育に悪い。

 

「とりあえず、そういうことだ。今回の件は連邦生徒会としても公式に謝罪を行う予定だ。」

 

『先生……なぜそこまで……。』

 

「本来であればもっと早くから行うべき案件だ。いくら政治的な思惑が最初にあったとはいえ、ここまで放置していたツケは払うのがスジだろう。」

 

『そ、それは……』

 

「今回に関しては俺が責任を取る形にはなるが、本来は生徒会長やその代理がやるべきではある……」

 

『…………。』

 

「だがまぁ、そこまで無理やりやらせるつもりはない。少なくとも、事の重大さを理解できるまでは俺が何とかするつもりではある。」

 

『……先生、私は……。』

 

「気にするな、とは言わん。だが、今後こうならないようにもっと視野を広げておけ。」

 

『……連邦生徒会長は……どこまでお考えだだったのでしょうね……?』

 

「……支援しようとしてた生徒会長を止めでもしたか?」

 

『……!?』

 

どうやら図星らしい。

 

「たしかに、一見すれば砂地に水を撒くような無駄な行為に見えるかもしれん。」

 

「だがな……たとえ砂地であったとしても、撒かずに地は固まらん。」

 

「今後も行政にかかわるなら覚えておけ。たとえそこが砂地であっても、行政をやる人間はそこを固めて地盤を作る必要がある。」

 

「人は硬い地盤の上でしか生きたがらない。少なくともまともなやつはそうだ。」

 

「何が正しいという正解は無いが……目先のことばかりを見て手を伸ばしてるだけではそこから崩れて沈むことになるぞ。」

 

『……肝に、銘じます。』

 

そう言って彼女は電話を切った。

 

「……少なくとも、アイツは違うみたいだな。」

 

口調や電話越しに感じられる呼吸音の変化……。

 

やはりだが、七神は堅物で融通が利きづらいだけで白らしい。

 

となると……

 

「……やはり、ネズミは幹部クラスの奴か。」

 

後は裏で動いている……推定企業。

 

「ネズミは躾ければどうにでもなるが……こそ泥は処分するに限るな。」

 

そんな事をつぶやき、早速俺はパソコンを立ち上げて準備を開始するのであった。




いかがでしたでしょうか?
かなり自分なりの解釈をもとに書いたのでなんともいえませんが……
少なくとも、私は地盤ゆるゆるな場所に住みたくは無いですね。
そんなわけで、次の話をお楽しみに
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