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「資本主義の行方」&「私は憎まない」~gooラストは緑の縁で

 gooブログの最後の更新になる。タイトルはそのまま、「はてなブログ」に引っ越してゆったり続けることにする。

 今回は緑の党グリーンズジャパンの会員であることが縁で足を運んだ講演会と映画会を紹介することにする。座標軸主催「資本主義の行方――倫理資本主義か脱成長か」の講演者である白川真澄氏(ピープルズ・プラン研究所)は何度も足を運んだ緑の党会員発「脱成長ミーティング」の共同主宰者でもある。所得格差の急激な拡大を是正するため、経営陣や株主に富が集中するのではない<ステークホルダー資本主義>は可能かと白川氏は問い掛ける。議論のテキストになったのはマルクス・ガブリエルが提唱する<倫理資本主義>だ。

 NHK・BS「欲望の資本主義」でガブリエルは利益追求と道徳を併せて志向する倫理資本主義を財界トップに説いていた。倫理と資本主義は相反する価値と思い込んでいる俺が覚えた違和感を、白川氏は解きほぐしてくれた。<資本主義が終焉を迎えることはない>と説くガブリエルは、経営陣に〝善行〟を求めるが、企業を巡る異なる主体――労働者、消費者、地域住民――との交渉という視点が欠落していると指摘する。

 ガブリエルの<脱成長>への批判も、<生きるとは成長すること。脱成長は貧困撲滅や気候変動対策とも矛盾する>と通俗的だ。ガブリエルと交流がある斎藤幸平(哲学者)が説く<脱成長コミュニズム>はミニシュパリズム、ローカリゼーション、ワークシェア、地産地消を包含し、市民にとっての共用財である<コモン>を軸に据え、GDPに囚われない生き方を志向する。明らかに斎藤の方に説得力を覚える。

 講演会のメインテーマではなかったが、質疑応答で多くの時間が費やされたのは移民問題だった。参政党寄りの意見を語る人、中国人への嫌悪を隠さない人もいたので、空気を変えようと挙手し、<飲食関連、工事など建築業、介護施設で多くの移民労働者が仕事をしている。日本では共生社会が出来つつあるのではないか>と述べると、白川氏は<自民党総裁選では全ての候補が移民の規制と成長を主張しているが、現在の日本は外国人労働者抜きで経済は成り立たない>と補強してくれた。

 翌日、シネマオクターヴで開催された「私は憎まない」(2024年、タル・バルダ監督)上映会に参加した。大場亮氏は映画や音楽など会員発プロジェクトを多く企画している。2009年、イスラエルはガザに侵攻した。軍の砲撃(狙い撃ち)で3人の娘と姪を殺されたイゼルディン・アブラエーシュ博士(産婦人科医)の闘いを追ったドキュメンタリーで、ガザ出身でイスラエルの病院に勤務するイゼルディンは、国籍、人種、宗教で生命の尊厳が変わらないことを自身の経験で知っている。

 イゼルディンの自宅が攻撃された時、イゼルディンは友人でイスラエルのテレビ局に出演中のキャスターに電話を入れた。生放送中だったがキャスターは電話を取り、イスラエルの人々はガザで起きていることを知った。劇的な放送は反響も大きく、当時の首相は侵攻停止を決めた。目を覆うような惨状だったが、イゼルディンと大けがを負いながら生き残った娘は「イスラエルを憎まない」と繰り返し語る。

 父娘は軍関係者に事実関係の明示と謝罪を要求するが、もちろん軍は答えない。イゼルディンが求めているのは断罪ではない。対立する側が許し合う先に平穏と平和が訪れる。父娘の願いに感応するように、イスラエル国内にもネタニヤフ政権への批判の声が大きくなってきた。イスラエルとパレスチナだけでなく、崇高な意志が憎しみの壁を崩すことを願ってやまない。

 観賞後、俺は場の空気にそぐわない感想を述べた。<ジェノサイドに抗議してイスラエル大使館の集会に何度か足を運んだが、警察にしっかりガードされている。状況を変えるには、リベラルと左派が結集してパレスチナ国家を承認する政権をつくることではないか>……。後段は過激だったので割愛するが、我々は決して無力ではないのだ。

 当ブログを長年にわたって訪れてくださってありがとうございます。「はてなブログ」に引っ越した後もよろしくお願いします。
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